イーストフードが危険だと言う話を聞いたことはありませんか?
イーストフードとは、コンビニやスーパーで買ってくるパンにはほぼ必ずと言って良いほど使ってある乳化剤と並ぶ材料の1つで、名前を聞いたことがないと言う人はいないであろう有名な添加物ですが、実はこのイーストフードは危険であるとか、害があると良く言われています。
その為健康に気を使っている方や赤ちゃんまたは小さなお子さまがいる方などは「イーストフード不使用」のパンを最近では良くお求めになっている方も多く、「イーストフードは良くないもの」と言うことだけは聞いたことがあると言う方も少なくないでしょう。
しかし、では「どうして危険なのか?」あるいは「何と言う成分がどんな害をもたらすのか?」と言うことまでを知っている人はかなり少ないでしょうし、「そもそもイーストフードとは何なのか?」と言うことだって知らない人は少なくないでしょう。
そこで今回は危険だとか害があると良く言われているイーストフードについてご紹介させていただく『イーストフードが危険と言われる理由とは?赤ちゃんへの害はある?』と言う記事を書かせていただきました。
以外とどんなものなのか知られていないのに悪く言われるイーストフードについて興味があったりはしませんでしょうか?
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イーストフードとは何か?
まずはそもそもイーストフードとはどんなものなのかを知らない人も多いと思うので、そこからご説明させていただきます。
結論から簡潔に申しますとイーストフードとは生地改良剤とも呼ばれる添加物であり、イースト菌(パン酵母)を活発にさせる特徴を持つ物質の総称です。
とは言えこの説明ではピンとこない人も多いと思いますので、より分かりやすく『「イースト菌」が元気になってパンを沢山膨らませてくれるようになる「エサ」なので、「イーストフード」と名付けられているもの』と考えていただければ間違いではありません。
なので実はイーストフードとは言葉の意味合い的には「中華食材」や「ドックフード」のような物であり、何か特定の物質や成分を指した名称ではなく「イースト菌のエサとなるようなもの全部」のことを意味する言葉。
その為、原材料名に「イーストフード」と書かれている場合は実は何が使われているのかが分からず、ただ以下のイースト菌のエサとなりうる16種類のどれかが2つ以上使われていると言うことが一括表示されていることが分かるだけなのです。
- 塩化アンモニウム
- 塩化マグネシウム
- 炭酸アンモニウム
- 炭酸カリウム
- 炭酸カルシウム
- 硫酸アンモニウム
- 硫酸カルシウム
- 硫酸マグネシウム
- リン酸三カルシウム
- リン酸水素二アンモニウム
- リン酸二水素アンモニウム
- リン酸一水素カルシウム
- リン酸二水素カルシウム
- グルコン酸カリウム
- グルコン酸ナトリウム
- 焼成カルシウム
更に大抵の場合はこの中の4~5種類のどれかが使われているケースが多いのですが、「イーストフード」と言う表示を使う場合の決まりは「この中の複数が使ってある場合」と言うだけで、量についても比率についても規制は何も無く、1つの成分が90%でもう1つの成分が10%の合わせて2つ使ってあっても「イーストフード」でOKですすし、16個全部均等な量使っても「イーストフード」と表示できます。
もっと言うならば「この中の複数が使ってある場合イーストフードと表示できる」と言う決まりであるため、なんとイースト菌のエサとしての目的で使って無くてもこの表示が出来るのです。
例えば中華料理以外にも中華料理で使うような食材を使うように、保存料としてや着色料として上記の16種類の内2つ以上使った場合でも「イーストフード」と言う表記をして問題ないのです。
そんなパンに使えばイースト菌だけの時よりもパンを圧倒的に膨らますことが出来、表示する時も細かく表示する必要がない企業にとって非常に便利で使いやすいものがイーストフードなのです。
イーストフードが危険と言われる理由
イーストフードがどんなものなのかはご紹介させていただきましたので、続いてこの記事のメインとなるイーストフードが危険と言われる理由についてをご紹介して行きます。
その理由として挙げられるのは大きく分けて以下の3つ。
- イーストフードの1つを除き合成添加物である
- イーストフードの中のいくつかは摂取量によっては体に害である
- 一括表示されており、何がどれだけ使われているのか分からない
より詳しくどうしてその理由が危険なのかをご紹介しますと以下の通り。
イーストフードの1つを除き合成添加物である
イーストフードと呼ばれる物質の内、天然のカルシウムを高温処理して作り出す「焼成カルシウム」以外のものは全て合成添加物と言うカテゴリにされており、人体に特に必要ではないものです。
その為敢えてそれを摂取することが体に良いことはなく、むしろ不必要なものを摂取した後の処理やそれが体に入ってきたことによる何らかの影響があると考えれば、確かに害となるものとも言えるでしょう。
イーストフードの中のいくつかは摂取量によっては体に害である
イーストフードは安全で危険ではないとされているため食品に使われているわけですが、より正確に言いますと
「生涯摂取しても大丈夫な量しか使わないか、体内に入っても安全な物質に変化するか、すぐに排出されるため安全とされている」
と言う所が基準であるため、実はいくつかの成分は実は摂取量次第では危険性があるのです。
例えば「塩化アンモニウム」です。
この物質は化学肥料や亜鉛のメッキ、染料、皮のなめし剤、火薬の原料などにも使われているものであり、大量に摂取すると嘔吐や昏睡を起こす危険性があるもので、犬の場合ですと6~8gの摂取で死に至ることが確認されています。
こんな物質ではありますが、もちろん人体に害を及ぼす量は使いませんので安心してください。
リン酸塩類である「リン酸三カルシウム」、「リン酸水素二アンモニウム」、「リン酸二水素アンモニウム」、「リン酸一水素カルシウム」、「リン酸二水素カルシウム」は、リンが含まれていますので、これらを過剰摂取すると体のリンが過剰になり、体の中のカルシウムと結びつく働きが強過ぎて骨などのカルシウムを吸収することで骨が脆くなる骨粗しょう症を引き起こしたり、血管石灰化を促すことで心不全や心筋梗塞などを起こす可能性もあります。
とは言えリンは人体に必要な成分ですし、普通の人なら過剰になる前にすぐに排出されるため安全。
更にはもちろん過剰に摂取してしまうような量は使わないので安心してください。
と、こんな風に言われてあなたは安心できましたか?
一括表示されており、何がどれだけ使われているのか分からない
元を正せばここが問題と言われることが多いです。
既に最初の所でも触れたように「イースト菌のエサとなりうる16種類のどれかが2つ以上使われている場合イーストフードと一括表示できる」と言うルールであるため、何がどれだけどんな目的で使ってあるかを判別することは出来ず、自分が何をどれだけ摂取しているか不明です。
一応イーストフードとされる物質はどれでも安全な量にして使ってあるとは言え、どの物質も他の成分同士の組み合わせの結果起こることや、何らかの疾患がある場合にはどんな症状が出るのかなどまでは明確に研究されているわけではなく、何がどれだけ使ってあるのか分からないというのは危険だと言う意見もあります。
その他にもイーストフードを使う食品には他にも健康への被害の可能性があるとされる物質を香料や乳化剤として使うから危険だとか、イーストフードを使った製品を商品化する場合は「臭素酸カリウム」と言う「遺伝子障害性発がん性物質」であるとして多くの国で使用禁止にされているものが、日本ではパンの製造に限り残留しないようにすればその使用が認められている所が怖いなどと言う話もあり、イーストフードは危険であると言われています。
イーストフードが危険であると言われても使われ続けている理由
先程ご紹介したようにイーストフードが危険と言われる理由がいくつかあるのですが、それでもイーストフードが使われているのはどうしてなのかをこちらではご紹介させていただきます。
その理由は言ってしまえばかなりコストが抑えられるようになるからです。
これを極少量使うだけでもパンの膨らみ具合は全く異なり、綺麗に早く均一に膨らませることが出来るだけでなく、主原料となる小麦の量も最低でも1割ほどは減らせるため、製造するコストを抑えて安価なパンが販売できるようになりますから大量生産で作られる場合はほぼ確実に使われているわけです。
そしてまたイーストフードを使うことは私達にとっての所謂「普通のパン」を作るために使われていると言う側面もあります。
パンはイーストフードを使わずに作ることがもちろん可能です。
しかしパンの膨らみ具合かなり変わると言うことは見た目や重さや口当たりなどがどうしても異なり、イーストフードを使用していないパンを遜色ないような仕上がりにするためには製作過程に工夫を凝らすか手間をかけるか、または別の物質を入れたりする必要が出てくるのです。
その為イーストフードなしで作るパンは買う時の値段が高くなるか、美味しくなく感じるようになってしまうので、イーストフードは当たり前のように使われていると言うわけです。
これが良いことなのか悪いことなのかは決めることは出来ませんが、悪いものと言われていても使うからには使っているだけの理由もあると言う事は忘れないで欲しいと思います。
赤ちゃんへの害はないのか?
世の中には「成人にとっては全くの無害」とか「一般の人にとっては問題がない」と言うことが理由で危険ではないとされるものって結構あるもので、小さなお子様や赤ちゃんにとっては危険と言うものも意外とあります。
ではイーストフードもその類なのかと言いますと、一応イーストフードの場合は赤ちゃんが食べたとしても大丈夫なように量などの基準がもうけられていますので安全であるとされています。
これまでイーストフードが原因と見られる何らかの異常が赤ちゃんに起こったと言う例はないようなので、過剰に警戒することはないかもしれませんが、それでも大人に比べれば強い影響を受けることには変わりなく、直ぐに影響があるようなものではない発がん性なども考慮するなら全く問題ないとは当然言えませんのでその辺はご了承ください。
結局イーストフードはどれほど危険なのか?
最後に結論としてイーストフードはどれほど危険なのかについてを簡単にまとめさせていただきました。
結論から言いますとイーストフードを摂取することはそこまで危険度は高くありません。
まずその根拠としてはイーストフードが使われている食品が直接の要因となる健康上の被害の報告が1つもないからです。
何せ使う量が量ですから一度の食事や一日の食事で過剰摂取するにはそれこそありえない量を食べる必要がありますし、普通の量を食べる場合は体に影響があるレベルの蓄積になるには数十年間毎日イーストフードを使ったパンを毎食食べたらどうなるか、と言う話になってくるものですから直接関係性があるかどうかが分かりにくいのです。
むしろ同じパンに使われているものであるなら、1ヶ月も多くとったら目に見えて健康被害がある砂糖やショートニングの方が摂取するなら注意したほうが良いでしょう。
もちろんだからと言って気にしてイーストフードを食べないようにする意味がないと言うわけではありません。
使わなくても問題ないものであるには変わりなく、数年と言わず10年単位で見れば発がん性物質などの蓄積量の違いは出ますし、まだ知られていないだけで特定の成分と合わさることで起こる何らかの害がないとは言えませんので、できれば避けた方が良いものではあるでしょう。
以上のことから避けた方が良いものではあるのですが、あくまでもそこまで危険度は高くありませんから、「絶対に」ではなく「できれば」程度のものであると言わせていただきます。