【管理栄養士監修】あさりの栄養や効果効能!食べ過ぎは危険?

あさりは海のある国の人間にとって最も身近な食べられる貝であり、古くから食べられてきた歴史を持ちますが、その栄養素や効果効能に注目が寄せられたのは意外と最近のことであり、意外とあさりが美容と健康に良い効果があるということを知らない人も多いです。

また逆にそうした体に良い効果効能がある反面で、一定以上食べ過ぎることで起こる良くない症状があることや、大人と子供で注意した方が良い摂取量の違いがあると言うことも知らない人は多いでしょう。

そこで今回はそんなあさりの持つ栄養素と効果効能や、食べ過ぎるとどうなるのかやどの位までなら安心して食べられるのかなどについてをご紹介させていただく『あさりの栄養や効果効能!食べ過ぎは危険?』と言う記事を書かせていただきました。

あさりを食べるメリット・デメリットについて興味はございませんでしょうかか?

あさりの持つ栄養素

まずはあさりが持つ栄養素にはどんなものがあるのかについてをご紹介させていただきます。

あさりに含まれる栄養素の中でも特に注目されているのは以下のもの。

  • 鉄分
  • タウリン
  • ビタミンB12
  • 亜鉛

これらが何故注目されているかと言いますと以下の通り。

鉄分

貧血を予防する効果で知られる成分であり、あさりが含んでいる栄養素の中でも最も多いものがこれ。

肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている「ヘモグロビン」というものを作る基であり、これが不足することで貧血を起こすことはもちろん、疲れやすかったり、倦怠感がなかなか取れないといった体の不調が起こります

また運動機能にも大きく関わる成分であり、不足すればわずかな運動で動悸や息切れが止まらなくなり、回復までにかなりの時間を要するようにもなります。

女性は月経があるため鉄分の必要量が男性に比べて多いですし、妊娠や成長期に鉄の利用量が急激に増大するため特に不足しがちで積極的に取るようにすることが勧められています。

タウリン

疲労回復効果で知られるビタミンB群の仲間であり、栄養ドリンクやエナジードリンクなどにも配合されていることが多い栄養素。

肉体的疲労に対してはもちろんのこと、脳に影響することで精神的な疲労に対しても効果があるとされており、不眠症の改善、アルツハイマーの予防などにも効果があるとされています

その他にも実は肝機能修復にも効果を発揮する成分であり、肝細胞を再生したり肝機能の働きを強くしたりする力がありますし、血圧を下げる効果があり、動脈硬化をはじめとした生活習慣病の予防効果もあるとされています。

ビタミンB12

神経や血液細胞の正常化を補助し、遺伝物質のDNAの生成にも不可欠な栄養素。

鉄分を元にヘモグロビンを作る時に使われる成分でこちらも貧血などのヘモグロビンが不足することで起こる体の不調改善に効果があります

また葉酸の働きを補助することで神経細胞を正常に保つ力を持ち、末端神経の修復に使われるため肩こり腰痛に効果があると言われていますし、最近では循環器疾患や脳卒中などを予防する効果もあるという研究結果もあります。

亜鉛

免疫力の向上や味覚を正常に保つ効能で有名な成分

非常に細胞の入れ替わり頻度が高い舌にある「味蕾(みらい)」という味を感じる受容器官を構成する成分であるため、不足すると所謂「舌が馬鹿になる」状態になるのです。

更に汗をかくだけで体外にかなり流出してしまう成分であり、体内で作り出すことができず食事から摂取する必要がある成分なのですが、吸収率は30%ほどしかなく、良く汗をかく人などは意外と意識的に摂取しないと不足しがちなのも注意するべき所。

その他にも新陳代謝、ホルモンの合成や分泌を促す成分であり、神経伝達物質を作るのに必要でもある成分なので精神安定や脳の機能を高める効果があると考えられていて成長期の子供には特に積極的に取ることをおすすめされます。

この他にもナトリウムやカルシウムなどのミネラル類をあさりは含んでおり、100gでカロリー30kcal、糖質が0.4gと非常に低糖質低カロリーである所もあさりの成分的な特徴です。

あさりの持つ効果効能

上記でご紹介したような成分があさりには含まれておりますので、主に以下のような効果・効能があると言えます。

  • 血液・血流の正常化
  • 免疫力の向上
  • 肝機能の正常化
  • 生活習慣病予防
  • 運動機能の向上
  • 疲労回復力の向上

御覧のように非常に多くの美容と健康への効果効能があさりにはあります。

この殆どの効果効能は先程「あさりの持つ栄養素」でご紹介したようなあさりに含まれるミネラルとビタミンB群の働きによるものであり、詳しくは改めてここでは説明いたしませんが、特に成長期の子供や女性にとって嬉しい効果効能があさりにはあると言えます。

またこの他にもあさりは100gでカロリー30kcal、糖質が0.4gと非常に低糖質低カロリーですし運動機能の向上、疲労回復効果を持っていますから運動でダイエットをしようという方にはダイエット補助効果もありますし、神経系の異常であるアルツハイマーや欝にも効果があるとされています。

しかしこんな健康に良さそうなあさりですが、食べるに当たりいくつか注意点もあるのです。

あさりを食べる時の注意点

非常に美容と健康のためになりそうなあさりですが、ただ沢山食べれば良いというものでもなく、2つばかり食べるに当たり注意点があります。

まず1つは下処理をきちんと行うこと

より具体的に言うならば砂抜きをしっかりすることです。

これはただ砂を一緒に食べると非常に不快な思いをするからというだけでなく、多少産地でその危険度は変わりますが、砂と一緒にあさりは住んでいる海域の不純物も取り込んでいるからです

この中にガラスの破片や金属片、そして最悪健康を害するようなヘドロが含まれていないとも限りませんので砂抜きはしっかりするに越した事はありません。

なので砂抜きできない死んでしまっているあさりは確実に取り除いた方が良いですし、異臭がするあさりは食べないことをおすすめします

またしっかりと火を通すことがとても大事です。

これは砂抜きではあさりが吐き出しきれないような細菌やウイルスがいる場合があるからであり、これをしないと食中毒を起こす恐れがあるからです

とは言えアサリは殻ごと調理してその殻が開くまで火を通すのが一般的なので、その調理方法通り火を通せば十分な話。

生で食べようとしたり、貝が開ききっていないあさりを無理矢理あけて食べたりしなければ特に問題ないのですが、一応覚えておいて欲しいと思います

あさりに含まれる健康に良い成分は殆どあさりの旨味と連動していますから加熱するとかなり外に出てしまいます。その為あさりを調理した時に出る汁ごと食べるような味噌汁など料理がよりおすすめです。

そして最後にあさりの食べ過ぎについても一応注意が必要です。

あさりを食べ過ぎたらどうなるのか?

健康に良いものとは言えどんなものでもそうですが、食べ過ぎれば逆効果。

あさりもその例に漏れず食べ過ぎた場合以下の2つのようなことが起こる可能性があるのでご注意ください。

  • 下痢などの消化器官への悪影響
  • 鉄分の過剰摂取

まず注意して欲しいのは消化器官への悪影響です。

とは言え別にあさりに含まれる成分的にこれが起こるわけではなく、殆どの理由は砂抜きが不十分であるために起こるもの

当たり前ですが消化できないような不純物を少しずつでも沢山食べればお腹を壊します。

加熱が不十分である時に起こす細菌やウイルスによる食中毒とはまた少し異なるのですが、過去にはとある外国産のあさりから除草剤の成分が「ギリギリ健康に問題ない量」検出されたこともありますので、そうした意味で沢山食べると消化器官への悪影響があることが実際あります。

小さな子供などですとそうした悪影響を与える物に対しての許容量も少ないですから、しっかりと砂抜きをすることはもちろん、産地不明で臭いあさりなどは余り食べさせないようにするのが懸命です

もう1つの問題鉄分の過剰摂取はあさりに含まれる成分的な問題です。

あさりに含まれている鉄分であるヘム鉄は体への吸収率が良い鉄分でして、あさりを余程大量に食べると鉄分の過剰摂取になる可能性もありえます。

これにより逆に肝細胞が破壊されやすくなってしまったり、肝臓で処理できなくなった鉄分が血液内に増えると万病の元、老化の元となる活性酸素を生み出すこともあるのです。

とは言えこれはあくまで食べ過ぎてしまえばの話。

実際どのくらいの量から食べ過ぎになるのかと言いますと鉄分の1日の摂取推奨量は

  • 成人男性で7.0~7.5mg
  • 成人女性(月経あり)で、10.5mg

ですから、あさりの可食部100gで3.8mg程の鉄分が含まれているのでざっと計算

  • 成人男性で190g
  • 成人女性(月経あり)で280g

を超えると食べ過ぎになると考えられます。

とは言えこれあくまでも「可食部で」の話ですから、普通に3食あさりを使った料理を食べてもまず過剰摂取とはなりませんのでご安心ください

むしろあさり以外にも鉄分を沢山含む食べ物やサプリメントを良く摂取する方、もしくはそれこそ剥き身のあさりを100g単位でよく食べるという方だけ気をつければいい話なのでそうした方だけは少し注意が必要です。
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