米油は体に悪い?危険と言われている理由を徹底解説!

米油は健康に良いと言われていますが、その逆に危険だともかえって体に悪いとも言われていることご存知ですか?

健康に良いと言われているものが逆に悪いとも言われていることはそんなに珍しいことではありませんが、米油はサラダ油の中でも「サラッとした油」であり、口当たりや油切れも良く揚げ物などの大量に油を使う料理に非常に適している油と言うこともあり、他の油よりも健康に良さそうなのにこれがかえって体に悪いと言うのが信じられない方もいるでしょう。

しかし実際の所危険であるとか体に悪いと言われているのは何も根拠のない話でもなく、どの油にも言えるような何回も揚げ物油として使うのが危険などのような言いがかりでもなく、実際に米油にも危険だとか体に悪いと言われる理由があるのです。

今回はそんな米油が危険だとか体に悪いと言われる理由についてご紹介します『米油は危険なの?健康に悪いと言われる理由』と言う記事を書かせていただきました。

一体米油の何が悪いのか興味はございませんか?

米油とは?

まずはそもそも米油とはどんなものなのかを知らない人も多いと思いますので、簡単に米油とは一体どんなものなのかを説明させていただきます。

一言で言いますと米油とは「米糠油」とも言われる「こめ糠(こめぬか)」から抽出した油のこと。

序文でも軽く触れたように他の植物性の油と比べても「サラッとした油」であり、口当たりや油切れも良く、更には高温に熱しても煙があまり出ないため大量の油を使う炒め物や揚げ物に非常に適した油と言われておりますが、味や香りも殆どないためドレッシングや和え物用の油としても優秀です。

また構成成分的にもかなり優秀でしてオレイン酸(オメガ9脂肪酸)が約42%、リノール酸(オメガ6脂肪酸)約37%でバランスが良く、ビタミンEを初めとする抗酸化作用が高い成分が多めで加熱調理や経年劣化に強いですし、摂取することで体の酸化を抑える効果があったり、コレステロールコントロールに関連する成分も多めで血液や血流に関する健康効果もあるとされています。

ここまでですと非常に良い油であるようにしか思えないと思いますが、米油にもいくつか問題点もあるのです。

その問題点の1つが生産効率の悪さ

そもそも米には油分がそこそこあるとは言え、人力でも油を絞れるオリーブなどのように多いわけではありませんから、油を作るのに手間がかかるのです。

その為色々な抽出方法が試みられているわけですが、そのいくつかある抽出方法の中のとある過程において米油が危険だとか体に悪いと言われる理由があるのです。

米油は体に悪い?危険と言われる理由

米油が大体どんなものかを理解していただけた所で続いては本題である「米油の危険と言われる理由」についてをご紹介させていただきます。

結論から言いますと米油自体の成分に何らかの問題があるのではなく、米油を作る時に化学溶剤の類が使われることが理由です。

ではどうしてそんな危険と言われるものが使われているのかと言うと、これを知っていただくためには米油の抽出方法について説明する必要がありますのでそこからご紹介させていただきます。

まず米油を米ぬかから抽出する方法は大きく分けて「圧搾法」と「溶剤と膜分離の併用による抽出法」とがあり、このうち「圧搾法」で抽出する場合は化学溶剤は使いません

しかしこの圧搾法は精製率や製品の安定性が高いと言ったメリットがある反面、原料から取れる油の量が多くない大きなデメリットがあり、米ぬかのような油分が多いとは言えないような減量から油を作る場合には多くの場合「溶剤と膜分離の併用による抽出法」が取られます。

溶剤と膜分離の併用による抽出法の場合は何よりも生産コストが低くなるのがメリットなのですが、この時に使用される溶剤「ノルマルヘキサン(n-ヘキサン)」を使うことが実はデメリットです。

その理由としてまず、このノルマルヘキサンと言う化学溶剤は、ガソリンに含まれている石油系の溶剤であり人体にかなり有害なものであることがあげられます。

具体的にどう有害なのかと言いますと、気化したものを吸入するとめまい、嗜眠、感覚鈍麻、頭痛、吐き気、脱力感、意識喪失などを起こし、皮膚に付着すれば皮膚の乾燥、発赤、痛みを起こします。経口摂取による毒性は高くないとされていますがそれでも消化器官の不調はもちろん中毒症状を起こすことはあるそうです。

もちろんこの成分が残留するようなものを販売することは許可されていませんし、この溶剤は沸点が70℃ぐらいの比較的低い温度で沸騰し蒸発してしまうため、何回か300℃以上の高温で処理する過程で「ほぼ」残留しないとされているのですが、植物油脂の研究をしている方たちの中では少なくとも1~2ppmは残ってしまうと言うのが定説とのことで、あくまで人体に「ほぼ」影響はないと言うレベルだそうです。

またこの成分を使うため、溶剤が残らないようにするための何回か超高温で処理をすることが別のデメリットを持っています

それは熱に強く酸化しにくい米油と言えどもそれだけ高熱に晒されることで健康成分が守れなかったり、トランス脂肪酸を生み出してしまうと言うデメリットです。

単純に考えても300℃なんて調理する上で絶対に至らない温度であり、これだけの高温で処理をすることは「揚げ物用油として何回か使った油」以上に熱に弱い成分が減り、酸化する事で植物油を高温にした時に生まれるトランス脂肪酸も発生しやすいことは簡単に想像できるでしょう。

事実トランス脂肪酸の含有量は「圧搾法」で作られたものに比べ多く含まれているそうで、トランス脂肪酸はただでさえ普段知らずに口にすることも多いマーガリンやショートニングに大量に含まれている上に、体内で中々処理され難いと言うこともあり、ここも問題点とされています。

実際米油はどれほど危険なのか?

米油が危険と言われる理由についてご紹介させていただいた所で、続いて「実際の所米油は危険なのかどうか?」そして「どれほど危険なのか?」についてをご紹介させていただきます。

結論から言いますとまず米油が危険なのかどうかと言うと、所謂サラダ油と1括りにされている油の中ではマシな方です。

そもそも圧搾抽出されたものには全く関係ない話ですし、油を少しでも安く作るために「溶剤と膜分離の併用による抽出法」を取られているのは米油に限ったことではありません。

デメリットである少量とは言え溶剤の残留の可能性があると言うのもオリーブオイルなどの他の健康に良いとされる油の安いものにはつきものである問題ですし、何よりトランス脂肪酸の問題点は米油以上に含まれている油と言うのはもっと沢山あるのです。

その為どれほど危険なのかについても同じく危険度は低いと言えます。

もちろん油なので沢山摂取すれば美容や健康をかえって害するでしょうし、米油以上に細かい目的に応じた美容と健康効果が高い油と言うのはいくつもありますが、今回ご紹介した汎用性の高さなどのメリットとデメリットを合わせて考えれば植物性の油の中で特に敢えて取り立てて危険なものだとは言えないと言うのが結論です。

米油の選び方と注意

最後に美容や健康に拘る方のために米油についてのちょっとしたアドバイスを書かせていただきます。

まずこれまでご紹介してきたように米油の美容と健康への効果を期待するならば「圧搾法で抽出された商品」を選ぶのがベストです。

これは今回触れたデメリットがないと言うだけでなく、「生産コストを高くしても良い物を作る」と言う方針の下作られた商品が多いからでして、美容や健康のためになる成分が多く配合されていたり、逆に健康を害するような成分が低くなるように作られているからです。

そして当たり前ですが酸化に強いとは言え絶対に酸化しないものではないので、容器や保存方法に注意することはもちろん、揚げ物の油に使ったものを何回も使いまわさないなどと言った油全般についての出来るだけ酸化しないようにする注意は必要ですので覚えておいて欲しいと思います。

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