【管理栄養士監修】雑穀米が危険・体に悪いと言われている理由を徹底解説!

雑穀米は本当は健康効果なし所か、むしろ危険であると言う話を聞いたことはありませんか?

主食となる白米を別のものに変えることが健康に良いと言われるようになってから人気が出だした雑穀米ですが、最近ではそれを否定する意見もまたそこそこ見かけるようになり、これまで美容や健康のためになると信じてきた人に戸惑いを与えているようです。

しかし確かに実際雑穀米は幼児が食べるのには適しているとは言い難い特徴がありますし、一定以上食べ過ぎれば現代の食事に慣れている体にはあまり良くない影響もあるとは言え、効果なし所かかえって危険と言われてもこれまで一般的に言われていた特徴からは想像できない人が多いでしょうし、仮に本当に雑穀米が危険だとしてもどうして危険なのか、あるいはどうすれば安全に食べることが出来るのかを知りたい人は少なくないことでしょう。

そこで今回はそんな近年効果なしとも危険とも言われ始めている雑穀米についてその特徴から本当は体に良いのか悪いのかなどについてをご紹介する『雑穀米が危険・体に悪いと言われる理由とは?』と言う記事を書かせていただきました。

一見すると美容にも健康にも良さそうな雑穀米のいったい何が悪いと言うのか興味はございませんでしょうか?

雑穀米とは?

雑穀米が美容や健康に良いものなのか悪いものなのかをご紹介していく前に、そもそも雑穀米とはどんなものを指しているのかをまずはご紹介させていただきます。

最も簡潔に表現しますと雑穀米とは主食以外に日本人が利用している穀物を白米と混ぜて炊いたご飯のことです。

この「主食以外に日本人が利用している穀物」と言うのがポイントでして、具体的に何が入っていれば雑穀米と言うものではなく、キビ、アワ、ヒエと言った良く聞くような穀物を入れて炊いたものも雑穀米ですし、大麦を混ぜて作る麦ごはんも雑穀米、精米されていない玄米や黒米、赤米などの古代米(あるいは有色米)を混ぜて炊いても雑穀米と分類されます。

つまり白米以外の穀物を混ぜてあれば雑穀米と言えるため一口に雑穀米と言ってもその種類は非常に多く、「雑穀米の特徴は?」と言うことが説明しにくいのですが、敢えて言うのであれば「白米には含まれていなかったり、微量しか含まれていない成分が摂取できること」が雑穀米の特徴と言えます。

この白米には含まれていなかったり、微量しか含まれていない成分の中でも特にミネラルと食物繊維が多く摂取できることから、雑穀米は美容や健康に良いとされており、その中でも特にダイエット効果が注目され、「我慢しないダイエット」とか「簡単にできるダイエット」と言う文言とともに雑穀米の名前は広がって行きました。

また雑穀米は白米以外の穀物であれば大概何を入れても雑穀米と言えるため、特定の穀物にアレルギーを持つ方や特定の穀物が苦手な方でも商品を選んで使えると言う特徴もありますし、昔から日本で馴染みのあるキビ、アワ、ヒエ、ソバ以外にもアマランサスやキヌアと言った2000年以降健康効果が高いとして知名度を上げた穀物を混ぜた商品なども多数あり、ダイエット効果だけでなく、アンチエイジング効果やガン予防効果があると言うものまで登場しており、商品は色々変えたが雑穀米は長く食べ続けていると言う人もいるでしょう。

デメリットとして食物繊維が多いことから消化器官が弱い方や幼児が食べるのにはあまり良くない特徴もありますが、「健康な方でも混ぜる雑穀は1日大匙2杯程度まで」とか「幼児にもおかゆのようにしっかり煮込んだり、フードプロセッサーで混ぜたりして柔らかくすれば」と言った情報が当たり前のように知られておりますし、味や食感が白米に比べて落ちると言う話も結局個人の好みの問題であり、大きな問題とは言えないでしょう。

ですが、そんな雑穀米が効果なしとも本当は危険ともいう話もあります。

雑穀米は効果なしは本当か?

雑穀米がどんなものかが上記の説明で大体分かっていただけたと思いますのが、そうした白米にはない特徴があるはずの雑穀米は効果なしと言う声もあります。

その理由はいくつかあり、主に以下のものが挙げられています。

  • 白米と雑穀米のカロリーはその差がほぼ無い
  • 普通に炊いても効果が低い
  • 混ぜる雑穀の量は微々たるもので摂取できる成分量も微量

実際これらの理由は確かに本当のことであり、この話を聞けば確かに効果なしと言うのは本当のことにも思えます。

しかし逆にこれらの理由それぞれにも以下のような反論もあります。

白米と雑穀米のカロリーはその差がほぼ無い

カロリーにおいて大きな差がないのは確かですが、例えばダイエットするためだけについて考えても重要なのは食べるもののカロリーそのものだけではなく、GI値や代謝能力への影響も重要なこと。

GI値とは食後の血糖値の上昇度合いを示す数字でして、単純な話この数字が低ければ低いほど血糖値の上昇が緩やかになり、血糖値の上昇が緩やかであると言う事は消化・分解に時間がかかりお腹が空きにくくなると言うことで、この数字が低ければ低いほど同じカロリー・糖質量でもトータル的に太り難いと言うものです。

何を混ぜるかにもよりますが、どれでも確実に白米よりも食物繊維やビタミン・ミネラルを多く摂取できる雑穀米は摂取カロリーはほとんど変わらずとも、こうした他のプラスの要因が得られることからこの理由から雑穀米には効果なしと言うのはかなり乱暴すぎる話です。

普通に炊いても効果が低い

雑穀米に使う雑穀の種類にもよりますが、確かに普通に白米を炊くのと同じように炊いても十分に体が吸収できる状態に仕切れないタイプの雑穀も存在します。

しかしそれはそもそもちゃんとそれぞれの商品ごとの炊き方や食べ方を守りさえすれば良い話ですし、オリジナルのブレンドで雑穀米を作る時にはそれぞれの穀物の特徴や含まれている成分の特徴を把握した上で炊き方や下準備を変えれば良いと言うだけのこと。

雑穀米に限らずどんな食べ物であっても含まれている栄養素などの成分を効率的に摂取するための方法と言うのはバラバラなのですし、例えベストな効率の食べ方でないとしても白米と比べれば雑穀米を食べたほうが摂取できる成分は確実に多いため、この理由もまた雑穀米には効果なしと言う為の理由にしてはイマイチです。

混ぜる雑穀の量は微々たるもので摂取できる成分量も微量

白米に混ぜる雑穀に含まれる食物繊維を始めとする特定の栄養素が食べ過ぎにより過剰摂取にならないようにするため、基本的には商品ごとに書いてある通りに混ぜて食べてもあまり大した雑穀を食べるわけではなく、オリジナルブレンドや自分なりの調整をするとしても味の問題をはじめとするデメリットが出ないような量に調整すると、結局そこまで多くの雑穀を食べるわけではないのは確かです。

ですが雑穀米はそもそも主食として食べる前提のものであり、毎日毎食食べるとすれば白米に比べかなり色々な成分を摂取することになりますし、そもそも得られる美容や健康効果効能は体質改善の結果であるものが多く、継続して最低でも1ケ月は食べ続けてからでないと効果が分かりません。

そして更に言えば元々非常に健康的な食事や生活習慣の方の場合は、体質改善の効果が薄い、またはない場合もあるのはどんな健康に良いと言われる食べ物であっても同じ事ですからこの理由もまた雑穀米には効果なしと言う為の理由には乱暴すぎると言えます。

こうしたことから雑穀米は効果なしと言う話は元から非常に健康敵な体の方や生活習慣をされている方、食べ始めてから短期の方については確かにその通りかもしれませんが、それ以外の方には当てはまらないと言えます

雑穀米は危険・体に悪いと言うのは本当か?

続いては雑穀米が危険と言われる話についてをご説明させていただきます。

とは言えまず最初にお断りしておきますがここでお話しする「雑穀米の危険性」と言うのは「使っている雑穀によってはアレルギーを起こす危険性がある」とか、「食べ過ぎると特定の成分の過剰摂取でデメリットがある」と言う話については言及いたしません

これらの危険性について話し始めると雑穀米にするために使える雑穀の種類が多すぎるのと、どの食べ物についても同じ危険性があると言えるからです

では雑穀米だけに考えられる危険性とは一体どんなものなのかと言いますと、それは「発芽毒」が含まれていると言う危険性です。

この発芽毒と言われるものはそもそもは「発芽するのに必要な成分」と言うのが正しい成分でして、毒なのかと言うとはっきりとは実は言えない成分でして、実際のところ「おそらく人体に良くない成分」と言うのが正しいそうですが、当記事では「人体に良くないもの」と言う前提で話させていただきます。

具体的な成分名は「アブシジン酸」と「フィチン酸」と言うもので、これらはかなり多種多様な雑穀に含まれており雑穀米を食べるならかなりの高確率で摂取してしまい、これらが以下のような人体に有害な影響を与えるとされているのです。

アブシジン酸

細胞内のミトコンドリアを傷つけることで、体内のエネルギーを作る働きが低下したり低体温になる影響がある。

このことから体力・疲労回復力や免疫力の低下、間接的には内臓器官の機能低下なども引き起こす可能性があるとされています。

フィチン酸

キレート作用と言う体内の重金属や放射性物質などの人体にとって有害になる特定の成分と結合して体外に排出する効果があり、強力なデトックス効果がある成分としても知られている反面、そうした優先的に結合する成分だけでなく、人体に必要なビタミンやミネラルとも結合してしまい体外に排出してしまう。

このことから栄養を十分に吸収できなくなる可能性や代謝機能の低下が起こる可能性があるとされています。

こうしたことから雑穀米は危険であるとも言われているのです。

しかしそんな体に良くない影響を与える成分を無害化するのはそんなに難しいことではありません。

雑穀米の危険性は高いのか?

雑穀米に毒があると聞くと食べたくなくなる人も多いかと思いますが、結論から言いますとこの毒そんなに怖がるようなものではありません

まずそもそも強力な毒性があり摂取しない方が良いと言う成分ではなく、たくさん摂取するとこうした悪影響があるかもしれないと言うレベルのものですし、そもそもこの毒の無害化は簡単です。

具体的にどうしたらよいのかと言いますと、「大体24時間常温で水に浸ける」または「高温処理」すること。

この二つの中でも特に前者の水に浸ける方法がおすすめ

そもそもこれらの成分は元はしっかりと発芽するための成分であるため、発芽するための条件が整うと人体に有害な影響を与えなくなるそうですし、夏場などで高温の状態で放置しすぎると腐敗の原因になるぐらいしかこの方法で雑穀をダメにしてしまうことはまずありません。

後者の場合はこの有害な成分を熱で処理してなくしてしまう方法でより安心感はあるのですが、加熱する時間と温度が結構シビアでやりすぎると味に大きく影響しますし、加熱することで失われる成分も雑穀の種類によっては存在します

元々が加熱処理をして販売されているものであるならば別ですが、雑穀を自分で加熱処理してから使うのはかなり難易度が高いのでおすすめできません。

このように雑穀米の危険性として挙げられる発芽毒がそこまで怖いものでない以上、食べ方や食べる量をきちんと守りさえすれば雑穀米の危険性は非常に低く、健康効果も継続的に食べることで得られるため、トータルして雑穀米は美容と健康に良いものであると言うことが出来ます

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