【管理栄養士監修】てんさい糖が危険と言われている理由を徹底解説

てんさい糖が危険で害があると言う話を聞いたことはありませんか?

砂糖の取り過ぎは肥満や糖尿病の原因になるため健康上良くないと言うことは今や誰もが知っていることで、それに伴い「健康に良い甘味料」と言うのが沢山登場している中、逆に健康に良くない、危険であるなどと叩かれる甘味料も沢山あります。

そして実はてんさい糖もそんな体に良いと言われていたのに、最近では叩かれている甘味料の1つ。

しかしてんさい糖はこれまで色々な理由から体に良いとされていたので、「やっぱり危険」と言われてもいきなり止めようと思う人は多くなく、せめて「赤ちゃんに食べさせても平気なのか?」、「危険とされる理由はなんなのか?」ぐらいのことは知りたいと思う方も沢山いるでしょうし、「あの食べ物は危険だ!害がある」と言う過剰反応や拡大解釈によるデマも世の中沢山ありますから危険と言う話自体が信じられない人もいるでしょう。

そこで今回はそんなてんさい糖が危険であると言われている理由について知っていただくため「そもそもてんさい糖とはどういう砂糖なのか?」から「てんさい糖のデメリットや危険と言われる理由」などについてをご紹介する『てんさい糖が危険と言われている理由とは?害はあるの?』と言う記事を書かせていただきました。

知らない人も多いてんさい糖の危険性や意外と知っているようで知らないてんさい糖の特長について興味はございませんでしょうか?

てんさい糖とは?

まずはそもそもてんさい糖とはどういう砂糖なのか?を簡単に説明させていただきます。

てんさい糖とは文字通り、てんさい(甜菜)を材料とした砂糖の名前です。

サトウキビが砂糖の原料として最も有名ですが、てんさいもまたの名を「砂糖大根」と言うだけあり、砂糖の原料として有名な植物で実際にこのてんさいを原料としたてんさい糖は、全世界の砂糖生産量のうち約35%。国内原料による日本の砂糖生産量の約75%、日本の砂糖消費量の25%を占める程には使われています。

またてんさい糖はサトウキビ原料の砂糖に味と言うか風味が劣ると以前は言われていたのですが、最近のてんさい糖はそこまで砂糖としての質的に劣ると感じるものは無く、サトウキビの砂糖の方が世の中で多く使われている理由は今では製作コストや「普通の砂糖」としてイメージされるのがどちらかと言うことぐらいの違いです。

しかし少し前から以下のような特徴があることから、てんさい糖はサトウキビ原料の砂糖よりも体に良い砂糖であると言う話がされるようになりました。

てんさい糖の特徴

てんさい糖がどんなものかを簡単にご紹介させていただきましたので、続いてはそんなてんさい糖にはどんな特徴があり、どうサトウキビ原料の砂糖と違うのかをご紹介させていただきます。

簡潔に箇条書きでてんさい糖の特徴をご紹介しますと以下の通り。

  • 甘味以外の旨味がある
  • 体を温める効果がある
  • 天然のオリゴ糖が含まれている
  • 味的には十分上白糖の代わりに仕える

てんさい糖の良い面に注目して考えると以上4つの特徴が挙げられます。

それぞれの特徴をもう少し詳しく解説しますと以下の通り。

甘味以外の旨味がある

てんさい糖の味は甘味そのもので比べるとサトウキビ原料の砂糖よりも劣るのですが、口当たりが良く「優しい甘さ」と表現される旨味があります。

しかもその「甘味以外の味」は比べてみたら分かる程度のもので、黒糖やきび砂糖ほど「クセや雑味」と感じない程度の絶妙なものであり、ちょっとした味の違いを演出してくれると言われています。

体を温める効果がある

基本的に砂糖と言うのは体を冷やす作用があるのですが、てんさい糖はその逆に体を温める働きを持っております。

効果のほどはほんの少しではあるものの、日常的にかなり摂取している砂糖ですから継続的に変えることで、体の冷えから来る冷え性や肩こり、頭痛、胃腸の不調にお悩みの方や、夏場の冷房などの影響で体が硬い、動くとあちこち軋む様に痛む、動きが悪いと言った状態が気になる方には効果がある場合があります。

天然のオリゴ糖が含まれている

てんさい糖には健康に良い甘味料として一時期流行ったオリゴ糖が微量ですが含まれており、この違いからサトウキビ原料の砂糖よりも健康に良いと言われています。

具体的にこのオリゴ糖が含まれていることでどう違うかと言いますと、オリゴ糖に体内のビフィズス菌を増やす力があり、便秘の改善にも効果があるので腸内環境を健康な状態にしてくれるところが挙げられます。

そしてそんな腸内環境を良くする効果があることからダイエット効果や美肌効果、アンチエイジング効果があるとも言われています。

味的には十分上白糖の代わりに仕える

てんさい糖は地方によってはこちらの方がポピュラーな砂糖とされているほどどんな料理の甘味をつけるのにも使えますから基本的に上白糖の変わりが十分勤まります。

正し1点、色が茶色っぽいために見た目にも拘る必要がある料理、特にスイーツにはやや不向きなところはありますし、グラニュー糖を使う場合においては代用すると肝心の甘さがどこか足りないこともあるので、完全に互換性があるとは言えません

この他にも上白糖に比べて血糖値の上昇が緩やかである特徴などもあり、てんさい糖は普通の砂糖よりも優秀な砂糖であるとされているのですが、当然てんさい糖にもデメリットもあり、危険であると言われるだけの理由も確かにあるのです。

てんさい糖が危険で害があると言われる理由

これまでご紹介してきましたような特徴をてんさい糖は持っているのですが、てんさい糖の特徴はそれだけではなくデメリットとも言える特徴があり、それらがてんさい糖が危険と言われる理由になっています。

しかしそんな危険だとされる理由の中にはデマと言えるようなものもあり、世の中で言われている危険な理由全てが本当と言うわけでもありません。

例えば糖尿病にかえってなりやすいと言うのはデマの一種。

確かに比べてみれば甘さが足りないように感じることがあるため、普通の砂糖よりも沢山使いたくなってしまい、結果糖尿病になりやすいと言うのも理論的には間違ってはいないでしょう。

しかし実際の所甘味の足りなさをそこまで敏感に感知できる人はそう多くは無く、実際の所てんさい糖の方が沢山使ってしまうかと言うとNOです。

赤ちゃんに食べさせるのが危険と言うのも正直微妙な所

後ほど紹介します「本当の危険な理由」を考えますと、全く危険ではないとは言えないのですが赤ちゃんに食べさせてはいけない甘味料の代表的な理由である「ボツリヌス菌」は殆どの商品化されたてんさい糖には含まれていないため、特別危険と言うほどのものではありません。

では一体どうしててんさい糖が危険と言われるかと言いますと、以下の3つが「本当の危険な理由」と言えます。

  • 健康効果は他の砂糖と比べて高くは無い
  • 農薬をかなり使う
  • 農薬を使わないのは遺伝子組み換え品

もう少しそれぞれの理由を詳しく解説しますと以下の通り。

健康効果は他の砂糖と比べて高くは無い

先程てんさい糖の特徴の所でご紹介したようなメリットがてんさい糖にはありますが、どれほど高い効果があるのかと言いますと「極々微々たる程度」と言うのが実際の所。

茶色い色から黒糖やきび砂糖のように精製度合いが低いと思われていますが、てんさい糖はしっかりと精製している結果あの色が着いていますから、ミネラル類も実際は殆ど含まれていません。

その為数年単位で継続的に使ったり、数トン単位で摂取したと過程して見ればかなり違いますが、砂糖を変えたからと言って健康効果を直ぐ実感できるかと言うとそんなことはありません。

むしろ「他の~よりも健康に良い」と言う言葉に反応し、沢山摂取しようとする人が日本人には特に多いので、過剰摂取をしてしまう危険度は高いと言えます。

てんさい糖もあくまで砂糖は砂糖ですから、食品全体で見れば高カロリー、高いGI値(血糖値の上がるスピードの値)、低栄養価であることには変わりなく、摂取すればするだけ肥満や低血糖症などを引き起こす可能性の高い物であるには変わりないことは忘れてはいけません

農薬をかなり使う

てんさい糖の原料であるてんさいは糖分が当然高いため、虫が湧きやすく害虫の被害に合いやすい作物で、農薬無しで商品価値のある状態に育てることはほぼ不可能です。

ましてや生で食べたりするものでもありませんし、費用対効果を限界まで突き詰めて、ロスをなくし如何に安く効率的に大量に作るのかを考えて作るられているものが殆どですから、かなり多めに農薬が使われている傾向があり、いくら精製をしっかりしているとは言え残留農薬が0と言うことはありえません。

この理由からてんさい糖はむしろ危険であるとも言われているのです。

農薬を使わないのは遺伝子組み換え品

農薬を使わずにてんさいを商品価値のある状態に育てることはほぼ不可能と先程ご紹介しましたが、世の中には無農薬やオーガニックのてんさい糖と言うものも無いわけではないのです。

ではどうやってそれらは作られているのかと言うと、遺伝子組み換えにより虫が湧いたりついたりしにくくした作物を原料にして作られていると言う実態があります。

ついつい無農薬やオーガニックと聞くと安心する方も多いかと思いますが、実際には原料が遺伝子組み換えであっても表示する義務がないため、それと知らずに買っている人は多いです。

実際の所遺伝子組み換え食品にどんな害があるのかすらまだ分かっていませんし、どれぐらいの摂取量で危険があるのかも分かっていないため、これは確かに危険と言われる理由と言えます。

てんさい糖は結局危険なのかそうでないのか?

これまでご紹介してきたことをまとめて簡潔に申しますと、てんさい糖の危険度は他の砂糖に比べてそこまで高いとは言えませんが、砂糖であるため健康に良いとは言えません

そもそも砂糖自体が本来は生き物が敢えて摂取し方が良いものではありませんから総合的に「健康に良い砂糖」なんて存在しておりません。

砂糖の中で「健康に良い」などと言われているものも実際のところは「健康にまだマシな方の砂糖」か「健康に良い栄養も含む砂糖」であり、てんさい糖もそうした類の砂糖でしかなく、敢えて美容や健康のためにとった方が良いものではないです。

しかし砂糖の中で敢えて危険で害があるかと言うとそれもまた違います。

農薬や遺伝子組み換え作物が原料の可能性があると言う点はありますが、それもまた砂糖の中で比べても実は特別危険視しなくてはいけないレベルではないのです。

その為特別危険視する必要性こそありませんが、体に良いものではないと言うぐらいに思っておくことをおすすめします

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