七味唐辛子は、いろいろな香辛料(スパイス)を混ぜ合わせた、日本に昔からある調味料です。
昔は、うどんやおそばなどの薬味に、さっと振りかけるぐらいでしたが、ダイエットに良いとされたり、辛いものが好きな方が増えたりして、和食だけでなく、洋食やサラダなどにも使用したりと、使う場面も広がり、使う頻度も増えてきています。
ところで、七味唐辛子の中身には、唐辛子以外、どんな香辛料(スパイス)が使われているかご存知ですか?
また、『一味唐辛子』もありますが、七味唐辛子とは何が違うのでしょうか?
栄養はあるのでしょうか?あるなら、七味唐辛子と一味唐辛子ではどのような違いがあるのでしょうか?
そんな疑問にお答えしていきながら、『七味唐辛子の中身と栄養』『七味唐辛子と一味唐辛子の違い』について、お伝えしていきます。
七味唐辛子の中身と栄養
七味唐辛子に使われる香辛料
- 赤唐辛子
- 陳皮
- 山椒
- 胡麻(黒、白)
- 芥子の実
- 麻の実
- 青紫蘇
- 生姜
- 青海苔
『七味唐辛子』なのに、香辛料は9つも使っているの?と思うかもしれませんが、これは、『七味唐辛子』に、どの香辛料を使うかは決められておらず、メーカーによって使う香辛料が違うため、代表的なものを上げているからです。
七味唐辛子は、江戸時代に東京ではじめて作られました。それがやがて全国へと広がっていくのですが、濃口しょうゆのおそばが一般的に食されていた東の文化では、辛みがきいた七味唐辛子が好まれました。
一方、昆布などのお出汁がきいた薄口しょうゆのうどんが身近な食べ物だった西の文化では、辛みよりも風味の良い七味唐辛子が好まれたので、赤唐辛子や山椒は控えめで、代わりに白胡麻や青紫蘇、青海苔などが加えられました。
このように地方で味の好みが違うので、同じ七味唐辛子でも入れる香辛料が違ったのです。
今でも、専門店では、好みの味に調合してくれたりしますので、一度試してみられてもいいですね。
七味唐辛子の栄養
【赤唐辛子】
七味唐辛子には必ず含まれている赤唐辛子の辛み成分のカプサイシンは、ダイエットに良いことでも知られているように、新陳代謝を上げて、脂肪燃焼を促進してくれます。
【山椒(さんしょう)】
「小粒で、ピリリと辛い」といわれる山椒の辛み成分には、胃腸を刺激して、その働きをよくする、風味豊かな、日本古来からある香辛料です。
【胡麻(ごま)】
胡麻には、たくさんの栄養が詰まっていて、特に酸化を抑制して老化を防いだり、動脈硬化を防ぐ効果があります。
【芥子(けし)の実】
英語ではポピーシードといって、パンやお菓子などに使われたりします。たんぱく質やミネラルも豊富ですが、香りが良いので、風味づけもよく使われます。
【麻の実】
食欲増進する効果や、皮膚炎予防に良いとされています。
【陳皮(ちんぴ)】
温州みかんの果皮を乾燥させたもので、昔から漢方薬としてよく使われています。「陳」とは、「老いた」とか「古い」という意味で、古い皮ほど効能が高く、高価です。
漢方では、健胃消化薬や鎮咳去痰薬として処方されています。
【生姜(しょうが)】
古くから、風邪の民間療法に使われていたり、夏は食欲増進に、冬は体を温めるスパイスとして、食されてきました。
【青紫蘇(あおじそ)】
殺菌、防腐作用があり、健胃、整腸、食欲増進など、幅広い効果もあります。また、特有の香りは、風味づけとしても使われています。
【青海苔(あおのり)】
カロチンやビタミン類、食物繊維、ミネラルも豊富な万能食材です。そのため、老化抑制や免疫力を強化する効果があります。
七味唐辛子と一味唐辛子の違い
地域やメーカーによって違いはあるものの、赤唐辛子を主成分として、7種類ほどの香辛料がブレンドされ、それぞれに栄養価もある七味唐辛子ですが、では、『一味唐辛子』とは、どのようなものなのでしょうか?
『一味』というだけあって、一味唐辛子の中身は、赤唐辛子のみです。
それだけに、七味唐辛子より辛みが強いので、単純に辛さを増したいときには、一味唐辛子のほうがおすすめです。
うどんやおそばなど和食に、辛さと風味をプラスしたいときは七味唐辛子のほうがおすすめですので、好みや気分によって使い分けられたらいかがでしょうか。