ローリエが無くて料理に一味足りなくなったことはありませんか?
非常に良い香りがすることから煮込み料理をはじめ、ピクルスなどにも使うかなり幅広い料理に使われるローリエですが、だからこそこれがないと何か一味足りないなんてことを起こしやすくもあるもの。
しかしあまり自炊をしないご家庭では常備していないこともあるでしょうし、たまたま切らしてしまっている時もあるでしょう。
でもわざわざローリエだけを買いに行くのはめんどくさい。
そんな時、何かで代用できないかと思ったことはありませんか?
今回はそんなローリエがない時の代用品となりそうなナツメグ、バジル、パセリ、セロリの4つをあげ、それぞれローリエとどのように違い、どのように使う時の代用品として良いのかをご紹介する『ローリエの代用はどれが1番いいの?【ナツメグ・バジル・パセリ・セロリ】徹底比較!』と言う記事を書かせていただきました。
ローリエの代用品について興味はございませんでしょうか?
ローリエとはどんな物なのか?
まずはローリエとはそもそもどんなものなのかをご説明させていただきます。
ローリエとはベイリーフや月桂樹などとも呼ばれる植物の葉の部分であり、ローリエの持つ揮発性の油「エッセンシャルオイル」が特に料理に使うのに好ましい香りを持っていることから、西洋や中東では肉や魚を使う料理にはかなりの頻度で使われるもの。
またこのローリエの最大の特徴であるエッセンシャルオイルは水分と熱を葉に加えることで抽出することが出来るのですが、水より軽く水に溶けず、脂肪や油などに溶ける親油性と言う特徴を持っていることからカレーやシチューのような油分多めの煮込み料理、オイル漬けなどに主に使うことが多いです。
それ以外ですと日本では少し珍しいですがパウダー状にしてしまうことでエッセンシャルオイルを活かすという方法もあり、こちらはエッセンシャルオイルを水分で煮込んで抽出する必要がないので主に肉や魚を焼く料理の時やマリネへの香り付けなどに使われます。
では一体このローリエが料理に使われる最大のポイントであるエッセンシャルオイルの成分はどんな物でできているのかと言うことを次はご紹介します。
ローリエのエッセンシャルオイルの成分
ローリエのエッセンシャルオイルの成分で主な物は以下の三つ
- シネオール
- リナロール
- オイゲノール
それぞれがどんな物なのかは以下の通り
シネオール
「ローズマリー」や「バジル」、「よもぎ」などにも含まれており、爽やかな香りがする事と高血圧・高コレステロール・冷え症への効果で有名。
殺菌効果もあり、メントールのようにサッパリした感覚を感じることから口中清涼剤やせき止めなんかにも使われます。
ローリエの「さっぱりした成分」だと思って下さい。
リナロール
「ラベンダー」や「ベルガモット」、「コリアンダー」などに含まれているアロマなどの香料の原料であり、精神をリラックスさせる効果で有名。
他の効果もありますが、何よりも目立つのはやはり強い香りでこの香りを人が好みやすいと言うこと。
ローリエの「良い香りの成分」だと思ってください。
オイゲノール
「クローブ」や「シナモン」、「ナツメグ」などに含まれており、独特の甘いような香りがする殺菌・鎮痛・防虫効果が特に有名。
効果からして分かるように、料理のスパイスと言うよりも薬の成分や防虫剤にされることが多いのですが、料理との相性も良いです。
ローリエの「食欲をそそる成分」だと思ってください。
以上の特徴を考えた上で具体的に代用品となりそうな物を次はご紹介したいと思います。
ローリエの代用となりそうなもの
ローリエとはどんなものであるかをご紹介させていただきましたところで、次に代用品となりそうな物をご紹介してまいります。
- ナツメグ
- バジル
- パセリ
- セロリ
ここでご紹介した代用品はどうして代用品になりえるのかは以下の通り。
ナツメグ
オイゲノールが含まれており、肉料理との相性の良さが最大のポイント。
単純に焼いたりする料理や肉のこってりした旨味を引き出すというだけならば、ローリエよりもむしろナツメグの方が相性は良いです。
しかしローリエほどのサッパリ感や花のような芳しさなどはなく、煮込み料理などの複数の食材を使い完成される料理にはこれ単体では少々味わいが足りなく感じるでしょうし、魚がメインの料理などとの相性はそこまで良くありません。
肉がメインの料理以外で使うと主張しすぎを感じるかも知れません。
バジル
シオネール、オイゲノール共に含んでおり、肉とも魚とも相性が良く比較的ローリエの代用品としてマルチに使えるのがポイント。
焼いて作る料理で使うにも、生で使うにしても「良い香りをつけ食欲をそそらせる」と言う意味では十分有用なスパイスです。
しかし最大の問題としてローリエ以上に香りが立ち、加減を誤れば他のスパイスの特徴が引き立ちにくく、煮込み料理にローリエの変わりに使うと食材そのものが持つ風味が負けてしまう所があります。
長所がそのまま短所になってしまうと言った所です。
パセリ
ローリエと同じ成分は殆ど含んでいませんが、サッパリとした香りで肉や魚との相性が良く、持っている効果的には近いという意味では代用品になりえるもの。
ローリエ以上にサッパリ感を強く出すスパイスとして使ったりするならむしろオススメで、「良い香りをつけるが主張しすぎない」と言う意味では十分有用なスパイスであると言え、ローリエの変わりとして美味しい料理を作るのに役立ちます。
しかし問題点としては「それでローリエと同じ臭いや味わいが出るのか?」と言うとまた別であり、「ピネン」や「アピオール」と言う成分が香りの元なので、ローリエの香りや味わいを求めている時の代用品とは言えない事です。
セロリ
パセリと同じようにローリエと同じ成分は殆ど含んでいませんが、サッパリとした香りで肉や魚との相性が良く、持っている効果的には近いという意味では代用品になりえるもの。
肉や魚との相性の良さは同じでありつつ、食欲増進効果はローリエよりも高く、おろしたりして少量煮込み料理に入れると香りも立ち「良い香りで食欲をそそりつつ主張し過ぎない」と言う意味では煮込み料理でローリエの代わりにするには十分。
しかし焼いたりして使う場合には代用品とはなりえませんし、「アピイン」や「セネリン」と言う成分が香りの元なので、ローリエの香りや味わいを求めている時の代用品とは言えないです。
以上4つがローリエの代用品となりえるものです。
もちろんローリエは食材ではなく、メインとはなりえないスパイスなので「絶対に使わなくてはいけない」こともありませんから、代用品なしで同じ料理を作ることも可能です。
しかしローリエがない時の足りない一味を補うには無しで作るよりかは、これらの代用品を料理に合わせて使ってみた方が良い事は確かです。
ローリエの代用品を使った場合の違いと代用する時のオススメの料理法
最後にローリエではなくその代用品を使った場合に出てくる違いとその違いによる代用品ごとのオススメの料理方法をご紹介します。
ナツメグ
香りがどちらかと言うと食欲をそそるこってり系との相性が良い反面、さっぱりさせる成分が足りません。
その為肉料理をメインとした料理や油を多く使う揚げ物、脂の多い食材を焼いたりする時の代用品としてオススメです。
バジル
良くも悪くも香りがバジルの香りだけになりがちで、合わせて他のスパイスを使ってもよさを感じにくいです。
どのローリエを使うような料理にも使えますが、特にマリネやピクルスなど生で食べるのに近い料理の代用品にオススメです。
またどちらかと言うと他の香り成分重視のスパイスは使わず、香り付け担当はバジルのみで料理するのがオススメです。
パセリ
良い香りをつけるがローリエ以上に主張しすぎないスパイスであり、ローリエ以上に幅広い料理に使えます。
香りの元となる成分が全く違いますので、ローリエの香りや味わいを求めている時の代用品とは言えないですが、さっぱりさせたい料理や他のスパイスとの相性の良さから複数のスパイスを合わせて焼いて使う料理の時の代用品に特にオススメです。
セロリ
パセリと同じく殆ど成分が一致しませんが、「良い香りで食欲をそそりつつ、主張し過ぎない」と言う意味ではローリエの代わりになるもの。
殆どスパイスとして扱われていることがないですが、カレーやシチューなどの煮込み料理の時に少量摩り下ろして代用品するのにオススメです。
以上がローリエの代用品についてです。
もっと細かく作る料理を限定すればこれ以上の代用品もいくつかありますが、概ねこれらが広めに代用品に使えるので頭の片隅にでも置いておいてください。