韓国冷麺と盛岡冷麺の違いについて

実は韓国冷麺と盛岡冷麺は違い、同じ冷麺でもほぼ違う食べ物であることをご存知ですか?

日本でも冷麺は焼肉屋さんの定番メニューから始まり、今では普通にスーパーでも買える定着した食べ物で、今ではその名前を知らない人はいないぐらいのものですが、以外と冷麺にも種類があると言うことを知らない人は多いようで、「頼んでみたらなんか思っていたのと違う」と言う思いをする人もいるようです。

またその韓国冷麺と盛岡冷麺の違いは具材や味付けだけの話ではなく、麺の材料などから違い大きな味の方向性を決める食感や辛さなどもかなり違いますので、「最初に食べた時にあまり好みではなかったから苦手」とどちらもまとめて避ける方もいるようです。

ですがこれは非常に勿体無い話。

折角それぞれの個性がある別の料理とも言えるものなので、是非ともどんな違いがあるのかを皆さんにご紹介したいと思い、今回は韓国冷麺と盛岡冷麺は違いについての麺やスープ、具材に味付け、そしてカロリーやアレルゲンについてなどのそれぞれの違いをご紹介する『韓国冷麺と盛岡冷麺の違いについて』と言う記事を書かせていただきました。

韓国冷麺と盛岡冷麺の違いについて興味はございませんか?

この記事で扱う韓国冷麺について

まず最初にこの記事での韓国冷麺と言うのはどんなものなのかをご説明させていただきます。

それと言うのも一口に韓国冷麺と言っても大きく分けて3種類あるからです。

まず「平壌(ピョンヤン)冷麺」、ムルレンミョンです。

この冷麺は「スープあり冷麺」とも言われる盛岡冷麺のベースになった冷麺で、辛くない冷たいスープ、具材も大体盛岡冷麺と同じものが使われますが、もっと太麺であることが多かったり、唐辛子不使用の辛くないキムチ「水キムチ」を使っている全く辛さの無いものがあったり、麺の材料が異なるため食感や見た目も異なり盛岡冷麺とも違いが存在します。

続いて「咸興(ハムフン)冷麺」、ビビンネンション

こちらの冷麺はまずスープが無いことが盛岡冷麺との違いとして目立つ冷麺で、辛い調味料と千切りにした具材を混ぜて食べるのがスタンダードな食べ方。

麺こそ白っぽい弾力が強い細麺で盛岡冷麺に近いものがありますが、それ以外では共通点を探す方が難しいぐらい別の料理です。

そして「晋州(チンジュ)冷麺」、チンジュネンミョン

こちらの冷麺も麺こそ「平壌(ピョンヤン)冷麺」に近いものの、魚介ダシのスープに細かく刻んだ卵焼きや牛肉チヂミを具材に使うなどまた特徴的な冷麺。

実際に朝鮮ではこれ以外にも麺に使う原料やその配合比、味付けの違いでそれぞれ名前がつけられてはいますが、日本人の感覚的に大雑把に大きな枠組みで分けると以上の3つに分けられるとさせていただきました。

以上のように韓国冷麺にもこうした種類があるのですが、今回の記事ではこの中のでも「平壌(ピョンヤン)冷麺」ムルレンミョンのことを「韓国冷麺」として扱わせていただいておりますので、それを予めご了承の上、今回の記事を読んでいただければと思います。

麺の違い

こちらでは麺料理の基礎となる1つ麺においてのそれぞれの違いについてをご紹介させていただきます。

それぞれの違いを一番シンプルに表現すると麺の原料が違い、その為に歯ごたえと見た目の色が異なります

より詳しい違いについては以下の通り

韓国冷麺

そば粉と緑豆粉が主原料となっているため見た目は黒っぽく、更にはコシはなかなか強くとも噛み切りやすい麺であるので太麺を使う場合が多いです。

つなぎとしてでんぷんや小麦粉を使うために日本蕎麦とはまた違った食感ではありますが、香りは近いものがあり盛岡冷麺がスタンダードの方にとってはかなり違和感があると思います。

盛岡冷麺

こちらは主原料は小麦粉とでんぷん(ジャガイモやトウモロコシ)かなり強いコシと噛み切り難いぐらいの弾力があり、初期の頃はそれこそ「ゴムのような麺」とまで呼ばれるほどのものでした。

現在ではゴムのようなと言うほどの弾力やコシはありませんが、それでも韓国冷麺に比べて圧倒的にコシと弾力があるため韓国冷麺程の太麺である場合はなく、やや太めと言った麺から中細麺ぐらいまでの太さです。

この他の麺には無い食感こそが好きと言う方も多いですが、逆にこれが嫌と言う方もいて好き嫌いを分ける大きな要因でもあります。

また主原料からお分かりの方もいるかと思いますが、見た目も白かクリーム色っぽい色であるため韓国冷麺と違うことは一目で分かると思います。

スープの違い

続いて麺料理において時には麺以上に特徴が出るスープについてのそれぞれの違いについてをご紹介させていただきます。

それぞれの違いを一番シンプルに表現すると、ベースとなるものが違うため味のタイプが違うのです。

より詳しい違いについては以下の通り

韓国冷麺

透明で淡泊な味のスープ「ユッス」と言うものの冷やしたものが使われます。

このスープは牛肉や雉肉(今では殆どの場合灰汁抜きした牛の脚の骨で取る)出汁をベースに「トンチミ」と言われる大根の水キムチの汁を合わせて作られていて、スープ自体に辛味はありません。

むしろ辛いどころか非常にサッパリとしていながらも旨味がしっかりと感じられるものであり、スープまで美味しく飲み干すのが普通のもの。

物によってはスープこそが主役とも言えるものもあるそうです。

盛岡冷麺

見た目は韓国冷麺と同じような透明な冷たいスープなのですが、牛骨と鶏ガラの出汁をベースにしていると言う共通点以外は合わせるものやかえしもバラバラで、最初から辛いものもあれば、辛くないものまで多種多様。

強いて言うならば全体的に韓国冷麺よりもコクが強い傾向にあり、麺を美味しく食べることにより特化しているものが多い感じです。

味付けと具材の違い

大まかな味付けの傾向や具材もまたそれぞれの違いを持っています。

韓国冷麺

蕎麦やうどんのような「シンプルでさっぱりしていつつもうまい」と言う印象のものが多く、具材は味付けしてある肉類、ゆで卵、キムチなどの冷麺に一般的に乗っているイメージのあるものに加え、錦糸卵などが乗せられていることが多いです

またキムチやフルーツ(梨の場合が多い)はあまり麺の上に乗せられていることは無く、別盛りになっているものをキムチはお好みの味になるように入れる、フルーツはあくまで口直しと言う形式のものが多くみられます。

盛岡冷麺

味付け自体をキムチの漬け汁やコチュジャンなどを入れて辛くしてあるものも少なくなく、ラーメンのような「色々な旨味を合わせた深みのある複雑な味」と言う印象のものが多く、具材はキャベツと大根のキムチをメインに牛肉のチャーシューやゆで卵、三杯酢漬けのきゅうり、そして季節のフルーツ(スイカとりんごが多い)が乗せられていることが多いです

この辛いもの、酸っぱいもの、甘いものがごちゃ混ぜに乗っているのが嫌と言う方もいますし、この合わせて乗せているからこその爽やかな酸味と辛さが良いのだと言う方もいます。

カロリーやアレルゲンについての違い

最後に韓国冷麺と盛岡冷麺のカロリーやアレルギーの原因となりやすいものについてをご紹介させていただきます。

まずはカロリーについてですが、麺の原料からスープの出汁、乗せる具材まで違いはするものの、トータル的に見ればどちらもカレーライス相当と言う中々の高カロリー・高糖質でほとんど変わりありません

若干ガッツリ主食として食べる盛岡冷麺よりも、韓国冷麺の方がサッパリとスープこそを楽しむように作られていることが多いことから、カロリーが低い傾向はあるかと思いますが、それにしても十数キロカロリー程度の違いしかないのであまり気にするほどのことはありません。

問題なのはアレルギーの原因となりえるアレルゲン。

まず韓国冷麺で一番危険なのは蕎麦と小麦粉です。

メインの麺に使わないことはないので蕎麦アレルギーの方や小麦アレルギーの方は確実にアレルギーを起こします。

それに対して盛岡冷麺は蕎麦粉を使わないので安心ですが、小麦粉は同じく使いますし、日本人には多くないですがとうもろこしも実はアレルゲンでそこそこ有名です。

また韓国冷麺では具材は見たままのものしか使っていないケースが殆どで注意が必要なものは一目で分かるのですが、盛岡冷麺は隠し味やコチュジャンなどの合わせ調味料の中にゴマやナッツ類、甲殻類などのアレルゲンが使ってある可能性があり、重度のアレルギーの方は必ずお店に確認してから食べることをおすすめします

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