コーンスターチってご家庭に常備していますでしょうか?
こう聞かれても殆どの日本人はまず「常備していない」と答えるかと思います。
それと言うのも探してみると実は結構色々な料理に使われることもあるコーンスターチですが、小麦粉や片栗粉ほどは日本ではご家庭で料理する時に使う物でもなく、加工食品に使われていることの方が多いからであり、ご家庭で使うならお菓子作りぐらいだからです。
その為たまに変わったレシピを再現しようとしたり、カスタードクリームやチーズケーキ、クッキーやアイスなどのお菓子を作る時には代用品が欲しいと思うもの。
そこで今回はそんなコーンスターチを使った料理を作る時に何を代用品にしたら良いのかをご紹介するために「コーンスターチとは何?」から「コーンスターチを他のもので代用した場合の違い」などまでをご紹介した『コーンスターチの代用は?カスタードクリームやチーズケーキやクッキーは何がおすすめ?』と言う記事を書かせていただきました。
お菓子作りを初めとする料理でコーンスターチを使う時の代用品について興味があったりはしませんでしょうか?
コーンスターチとは何か?
まずはそもそもコーンスターチとはどんなものであり、どういう用途で料理に使うものなのかを簡単にご説明させていただきます。
コーンスターチとはそもそも「とうもろこしのデンプンを抽出して粉にしたもの」でして、調理に使う時の主な用途としては以下のようなものが挙げられます。
- 揚げ物の衣
- 液状のものにとろみをつける
- ベーキングパウダーの主成分
- 材料同士をくっつけるためのつなぎ
- ゼリーやプリンを固める凝固剤の役割
- 冷凍食品などの安定剤
御覧のように同じデンプンの粉である片栗粉とは少々特性が異なり、片栗粉とお互いが代用品として一部では相互に代用品にすることが出来ますが、完全に互換性があると言うわけでもないものです。
そのため当然料理によってコーンスターチの代用品となるものは変えないと、思った通りの出来にならないことも多く、コーンスターチの代用品は料理ごとでおすすめのものが違います。
それでは大体の特性を知ってもらえたところで次はより具体的にどんな料理をする時にはどんな代用品がおすすめなのかをご紹介させていただきます。
コーンスターチの料理別おすすめの代用品
コーンスターチを使うような主な料理にどんな代用品がおすすめなのかを一覧にすると以下の通りです。
- カスタードクリーム:小麦粉
- 揚げ物の衣 :片栗粉
- とろみをつける :片栗粉、場合によっては小麦粉
- チーズケーキ :米粉
- クッキー :米粉
- パン :米粉、場合によっては片栗粉
- プリンやゼリー :ゼラチン
- シフォンケーキ :なくても大丈夫
- アイス :なくても大丈夫
ぱっと見ていただいても分かるように、コーンスターチを使うような料理ごとにおすすめの代用品は結構違ってきます。
また一覧の下の方に行けばいくほど「コーンスターチを必ず入れなくても良い」料理となっておりまして、シフォンケーキやアイスなどの如何に空気を内部に細かく内包させることが出来るかが美味しさに直接つながるものは、下手に代用品を使うよりも作り方に一手間加えることの方が美味しく作れることが多いです。
それぞれの代用品がどうしておすすめなのかはを少し詳しくご紹介しますと以下の通り。
カスタードクリーム
恐らく家庭で料理する時にコーンスターチの代用品に一番何が良いのかを悩まされることが多いのがこれです。
カスタードクリームを作る時にコーンスターチが必要となるのは、とろみをつけるためのように思えるので一見すると片栗粉で代用できそうなのですが、片栗粉は温度変化でとろみが弱くなるものですし、何より片栗粉の粒子の方が大きく舌触りが粉っぽいと感じたり、違和感が大きくなりやすいです。
その為おすすめなのは小麦粉です。
揚げ物の衣
揚げ物の衣の時は片栗粉がほぼ完全に代用品となります。
コーンスターチを使った衣はサクッと、またはカリッと揚げることができ、尚且つ小麦粉を衣にした時よりも軽めに仕上がるために、海外では良く使われているのですが、日本ではむしろ片栗粉をご家庭では同じ用途で使っていることが多いです。
竜田揚げなんかは正にそれでして、業務用の揚げ物なんかですとコーンスターチが使われることの方が多いですが、概ねどの揚げ物でも片栗粉で代用できます。
とろみをつける
この場合も大体片栗粉で代用できるのですが、場合によっては小麦粉の方が代用品として良いこともあります。
片栗粉とコーンスターチの誰でも感じれる最大の違いは、とろみの強さと温度でとろみが変化する所でして、コーンスターチは片栗粉よりもとろみが弱く、温度変化でとろみの強さが変わらない特徴を持っていますから、冷たいものやあまり強いとろみが付いて欲しくないものにはしっかりと篩った小麦粉のほうが適しています。
前者の代表は既にご紹介したカスタードクリームがその代表で、後者については具体的にはホワイトソースやデミグラスソースなどのようなソース類やカレーやシチューです。
これらにとろみをつけようと片栗粉でやりますと、量を加減しても口当たりがソースと言うより餡になってしまいますので、だいぶ違いが出てきます。
チーズケーキ
チーズケーキを作ろうとする時もコーンスターチの名前が良く出てきますが、量はそんなに使わないので何とか代用品でごまかしたくなるもの。
そしてそんなチーズケーキを作る時の代用品には米粉がおすすめ。
チーズケーキにコーンスターチを使う理由は生地のつなぎと軽さを出すためでして、片栗粉だと完成品に固さが出て食感や舌触りに違和感を感じるはずです。
しっかりと篩った小麦粉やホットケーキミックスでも代用は可能なのですが、やはりコーンスターチよりも重く感じることが多くなりますので、米粉がやはりおすすめです。
クッキー
このあたりからあまりコーンスターチが必須ではなくなってきますので、これ以降ご紹介するものは代用品をなしでも作れます。
クッキーの場合のコーンスターチが必要とされる理由はチーズケーキと同じでつなぎですから米粉がおすすめ。
理由についても全く同じなのでチーズケーキの説明を参考にしてみて下さい。
パン
パンを作る時にコーンスターチがレシピに出てくるときがあるのですが、この時生地に混ぜるような表現がされているとつなぎなので、チーズケーキやクッキーの時と同様に米粉がおすすめ。
しかし中には、チョコレートソースやカスタードクリームを層のようにして織り込んで作るパンの時にもコーンスターチが必要とされることもありまして、こちらの場合は片栗粉で代用するのがおすすめ。
この場合はつなぎではなく、ようは別の生地のようにするために粘り気を持たせると言うか、固形化するために必要とされるからです。
プリンやゼリー
市販のものに使われていたり、たまにレシピの中に見かけるぐらいのものですが、一応ご紹介させていただきます。
この場合はコーンスターチは単純に固めるためと、舌触りの滑らかさを持たせるために使われるのですが、これまでご紹介してきたような粉類では代用できず、ゼラチンぐらいでしか代用できません。
もちろん業務用の安定剤や凝固剤と言うものでなら代用可能ですが、コーンスターチ以上に手に入りにくいですし、使い回しも出来ませんのでおすすめはできません。
シフォンケーキ・アイス
この場合もゼリーやプリンの時と同じく、市販のものに使われていたり、たまにレシピの中に見かけるぐらいのものですが、一応ご紹介させていただきます。
こうしたものにどうしてコーンスターチが必要とされるのかと言いますと、既に軽くご紹介したようにある程度粘り気を持たせ、空気を内部に細かく内包させる為です。
一見すると片栗粉でも代用できそうなのですが、片栗粉では粒子が大きく肝心の舌触りに問題が出ますので、いっそ使わないほうが良いです。
コーンスターチなしで作る場合は沢山空気を内包するように泡立てたり、混ぜ込む時が余計に大変になりはするのですが、そもそもその手間を省くために使われているだけなので、完成品の味に遜色は出さないようにすることが出来ます。
では最後にご紹介したそれぞれの代用品を使った場合とコーンスターチを使った場合の違いについてをご紹介します。
コーンスターチの代用品で作った場合の違い
代用品を使った場合の完成品は以下のような違いが出ます。
カスタードクリーム
代用品で作った場合とにかく掻き混ぜますのでデンプンだけでなく、グルテンも作用しかなりしっかりとした重めのカスタードクリームになり、色合いが白っぽくなります。
好みの問題にはなるのですが、コーンスターチで作った滑らかでさらっとした物よりもコクもあるのでこちらの方が好きと言う方もいます。
揚げ物の衣
食感については「カリッと」と「サクッと」の違いが余程鮮明に分かるのならば結構違和感を感じるかもしれません。
また粒子がコーンスターチの方が細かいため、粉だけつけて揚げる場合は、揚がった衣がコーンスターチの方が薄く感じるかもしれません。
とろみをつける
片栗粉で代用できる場合の時は量の加減を間違わなければ殆ど問題を感じないかと思います。
小麦粉の方を代用品として使う場合は同じぐらいのとろみをつけるには量がいるため、色が白っぽくなることと、かなりしっかりと篩っておかないとダマになることが問題です。
チーズケーキ・クッキー
殆ど違和感を感じることはないかと思います。
正し米粉を代用品で使う場合、つなぎとしての力が若干弱いため完成品を食べる時、崩れやすいと言う感じを受けるかもしれません。
パン
つなぎの代用品にした場合、これまでのチーズケーキやクッキーでご紹介したように殆ど違和感を感じることはないと思います。
チョコレートソースやカスタードクリームを層のようにして織り込んで作る、別の生地のようにする固形化のために必要とされる場合は片栗粉で代用しますと滑らかさや臭いに少々違和感を感じることはあるかもしれません。
プリンやゼリー
むしろゼラチンを使うレシピやコーンスターチなしで作るレシピの方が多いぐらいなので、違和感を感じることはないと思います。
シフォンケーキ・アイス
少し大変ですが、なくても全く完成品に違和感を感じることなく作れます。
以上をまとめますと、細かい違いはもちろん出てきますし、例外はありますがとろみや衣には片栗粉、固形化には小麦粉、つなぎには米粉が基本的には代用できると言った感じです。