小麦粉と片栗粉の違いからどんな風に使い分ける必要があり、どんな時なら代用が出来るかご存知ですか?
ご家庭で自炊することが多ければ大概どちらも常備してある粉であると思いますが、殆ど自炊しない方は家にないことも多く、どちらかを買ったらそれぞれが代用として仕えないかと考えることもあるかと思います。
しかし小麦粉と片栗粉は、じつは見た目の違いもさることながら、糖質やカロリーの違いもありますし、主な用途も料理に使った時の仕上がりも違い、使い分ける必要があり、お互いの代用品として使うことが出来る場面は多くありません。
これは料理を普段する人からすれば当たり前のことかもしれませんが、逆に料理しない人、あるいはお子様からしたら「じゃあ何がどう違うの?」と思うこともいくつかあるかと思います。
そこで今回は、小麦粉と片栗粉の違いに興味がある方のために『小麦粉と片栗粉の違い!見た目は同じでも使い分けや糖質やカロリーは違うの?』と言う記事を書かせていただきました。
似ているようで結構違う小麦粉と片栗粉の違いについて興味ありませんか?
小麦粉と片栗粉のそれぞれの特徴
小麦粉と片栗粉は見る人が見たら見た目は同じように見えることもあるかと思いますが、かなり別物。
そのことをご理解いただくためにも、ここではそれぞれの粉の特徴をご紹介させていただきます。
小麦粉
原材料は小麦。
また小麦粉は小麦に含まれる粘り気の素になるタンパク質「グルテン」の含有量により更に「薄力粉」「中力粉」「強力粉」の3つに分類され、細かく言うとこの3種類それぞれで用途も変わってきます。
例えばグルテンが6.5~8.5%と少ない薄力粉は、ふわっと、あるいはさくっと軽く仕上げられるためケーキや天ぷらの衣などに。
通称「うどん粉」とも言うグルテンが8.5~10.5%とそこそこ多い中力粉は、滑らかさとコシが出るために名前の通りうどんや餃子の皮に。
11.5~13%とグルテンがかなり大目の強力粉はしっかりとした弾力やしっとり感が出るためにパンやラーメン、時にはパスタを作る時にも使われます。
以上をまとめると全般的に小麦粉は、「グルテンを含み、水と混ざりやすくしっかりと形を作ることが出来て、火を通すとしっとりとした食感になる」と思ってください。
また高温で暫く火を入れなくてはなりませんし、ダマになりやすく、大した粘度はありませんが一応とろみをつけることもでき、シチューやカレーのルーが入れるだけでとろみがつくのは小麦粉が大量に使われているからです。
これ以外の特徴としてはたんぱく質が殆どのため焦げやすいとか、逆にキレイな狐色の焼き色がつけやすいと言う特徴もあります。
片栗粉
原料は、かつてはその名の通り「カタクリ」と言う植物から作られていましたが、今ではほとんどがじゃがいもです。
いくつかの違う原料から作られてもいる片栗粉ですが、どの片栗粉の成分はほぼ「デンプン」だけで出来ており、種類は特にありません。
グルテンが含まれていないためカリッと、またはサクッとした食感になるのですが、水分の吸収が悪く、片栗粉単体でしっかりとした形を作ることは困難です。
その為簡単に片栗粉は「デンプンで出来ており、水に溶けにくく単体ではしっかりとした形は作ることが出来ず、火を通すとカリッとした食感になる」と思ってください。
また焦げにくいため生地が手や台にくっつかないようにするための打ち粉に使ったり、粒子が細かいためにダマになりにくく、かなり低温で早く強いとろみがつけられるので日本食や中華料理の餡やスープのとろみ付けに良く使われます。
ではここまで紹介させていただいたそれぞれの特徴を踏まえた上で次はその違いをより分かりやすくご紹介します。
小麦粉と片栗粉の違いと代用できるかどうか?について
まず簡単にそれぞれの違う特徴を列挙していきます
- 原料は小麦粉は小麦、片栗粉はじゃがいも
- 小麦粉はグルテンが含まれている
- 小麦粉は水に溶けやすく、片栗粉は水に溶けにくい
- 小麦粉はしっかりしっとり、片栗粉はサクッした食感を作る
- 小麦粉は焦げやすい、片栗粉は焦げにくい
- 小麦粉はとろみがつけにくい、片栗粉はとろみがつきやすい
ざっとあげるとこれだけ違いがありますので、料理を作る時に小麦粉を片栗粉で、あるいは片栗粉を小麦粉でそれぞれ代用することが出来ないものが多く、代用出来るものについても工夫と腕が必要です。
例えば天ぷらを作る時にはサクっとした食感を作りたくて片栗粉で衣が作れるかと言うと、片栗粉だけでは水に溶けにくく、衣の形をとることが出来ませんし、片栗粉をベースに小麦粉を混ぜて衣を作るとバリバリの硬すぎてあまり美味しくない衣が出来ます。
とろみをつけるときも同じで、シチューやカレーに片栗粉を使ってとろみをつけようとすると煮込む時間の関係上、失敗しやすく変なダマが出来たり、とろみを越えてゲル上になったりしてしまい、中華餡を作る時に小麦粉でとろみをつけようとしてもゆる過ぎたり、火が入りすぎて焦げたりします。
同じくパンや麺類も代用がまず出来ません。
出来るとすれば打ち粉や魚や肉の表面にまぶす時ぐらいですが、小麦粉のほうが圧倒的に焦げやすく、粘り気で層を形成してしまいますし、片栗粉は水分をきちんと含ませないと折角つけたのに剥がれやすく、それぞれを代用品にすると思ったとおりの結果に出来なくなることも多いです。
その為代用できそうな時でも基本的に小麦粉と片栗粉はしっかりと使い分けることが大事です。
小麦粉と片栗粉の糖質やカロリーの違い
小麦粉と片栗粉の調理に使った時の違いの他にも小麦粉と片栗粉は成分が違うわけですから、内包する糖質やカロリーについても当然差が出てきます。
まず糖質ですが、100gで小麦粉が75gぐらい、かたくり粉ならば82gぐらいで小麦粉の方が低めです。
この糖質が高いかどうかと言いますと、片栗粉のほうが丁度炊いた白米の倍ぐらいの糖質があると思ってください。
全く砂糖を含んでいない両者がどうしてここまで高いかと言うと糖質の基になる炭水化物が多いことがその理由であり、糖質だけで見ると片栗粉のほうがやや高くなります。
しかしカロリーに関しては小麦粉が100gで370キロカロリーぐらい、片栗粉が330キロカロリーぐらいと片栗粉の方がやや低め。
その為例えば糖質とカロリーを気にすることが多いダイエット目的ですと総合的に片栗粉のほうが向いていて、栄養学的には小麦粉のほうが栄養が多いと表現することが出来ます。
小麦粉と片栗粉の使い分けポイント
最後に小麦粉と片栗粉の使い分けポイントを簡単にご紹介します。
- パンや麺類など主食の主原料とするなら小麦粉
- 揚げ物に使うと小麦粉はしっとりとした衣を作り、片栗粉はカリッとした衣になる
- とろみは片栗粉の方がつくので、とろみをつけてすぐ食べる、またはある程度以上硬くしたいなら片栗粉
- 時間をかけて煮込むとゆるくとろみがつけられるのでシチューなどのとろみつけには小麦粉
- 打ち粉にする時、小麦粉は焦げやす
- 片栗粉は色が入りにくく、水分を吸収しにくいので衣がはがれやすく魚や肉に塗して焼くときは注意
- 糖質・カロリーの違いはあるが大きな差でもなく、代用できることが少ないので気にしてもしかたない
以上が大まかな小麦粉と片栗粉の使い分けのポイントですので参考にしてみて下さい。