ドライイーストの正しい使い方をご存知でしょうか?
ドライイーストはホームベーカリーなどでパンを焼くのに使ったことがある人もいるかとは思いますが、日本において小麦粉や片栗粉など程は一般家庭に常備してあることがあるものではありませんし、毎日自炊する人であってもこれまで一度も使ったことがないという人もいるようなもの。
ましてやドライイーストは小さじ一杯あたりが何グラムであるとか、ホームベーカリーを使わずにパンやピザの生地を作る時はどうやって使うのが正しいのかとなってきたらなおさら知らないと言う人も多いものです。
そこで今回はそんなドライイーストの成分やその働きから、意外と知らない人も多い小さじ一杯あたりの重さやホームベーカリーを使わない場合の正しい使い方についてなどをご紹介した『ドライイーストは小さじ一杯何グラム?正しい使い方』と言う記事を書かせていただきました。
ドライイーストについてのことに興味はございませんでしょうか?
ドライイーストとは何か?
まずはドライイーストについての初歩の初歩であるそもそもドライイーストとはどんなものなのかを簡単にご説明させていただきます。
ドライイーストとはパンを作る工程において生地を膨らませる役割を果たす物であり、日本語で言えば「乾燥酵母」と言える物。
ドライイーストの「イースト」とは、パンを膨らませる働きを持つ種類の特定の「酵母」のことを指しており、それを乾燥させたものであると言うことが出来ます。
商品によっては多少他の成分が混じることもあるそうですが、その成分はほぼ全てが乾燥させたイースト菌であり、食品添加物ではありません。
乾燥させているため生のイーストよりも体積が少なくなっておりますが、逆にその分パンを膨らませるための量が少なくて済んだり、インスタントドライイーストのように予備発酵と言う過程を省略することが出来たり、粉末状のドライイーストを直接混ぜ込んで使えると言う簡単さから家庭でパンやピザなどの生地を作る方向けに良く売られています。
また一部では「ドライイーストは危険だ」と言う話もありますが、ドライイーストは全く人体に有害な成分を含んでおらず、危険な物ではございませんので安心してお使いください。
ドライイーストが危険だと言われる理由については別記事の『ドライイーストが危険と言われる理由とは?代用は何がある?』で詳しくご紹介させていただいておりますので、より詳しく知りたい方や、興味がある方はそちらも是非御覧ください。
このドライイーストは「酵母」ですから微生物ですので、これそのものが特定の味を感じさせたりや、特定の化学変化を起こす物ではないのですが、醤油やヨーグルトなどと同じく「発酵させる」と言う過程を経ることで、パンを膨らませます。
より具体的にはイーストという酵母がどうパンやピザの生地を膨らませているかと言うと以下の通り。
ドライイーストが生地を膨らませる原理
ドライイーストがどんな物なのかを簡単にご紹介したところで続いてそんなドライイーストが生地をどうやって膨らませているかをご紹介します。
ドライイーストが生地を膨らませる過程としては以下の通りです。
- 生地の糖分を分解しアルコールを作り出す
- 糖分を分解する過程で炭酸ガスが一定量発生
- この炭酸ガスが生地の中に気泡を作る
- 生地の中に空気の層が出来、内部が空洞化する
- 質量は減っているのに見た目は膨らむ
こうした過程が行われるため現代のパンは柔らかくふわふわしておりますし、内部でアルコールが作られ、それが焼くことで蒸発するため焼きたてのパンは良い匂いがすると言うわけです。
ドライイーストの正しい使い方
ドライイーストは発酵させると言う手順で失敗することがあり、生地が膨らまないことがありまして、ここではそんな失敗をしない正しいドライイーストの使い方をご紹介させていただきます。
まずどんなパンを作るのか?どうやってパンを作るのかを決めます。
例えば食パン、バターロール、コッペパンのような糖分の少ないパンを作る場合と違い、菓子パンやデニッシュなど糖分の多いパンを作るならば「耐糖性のドライイースト」を使わないと仕上がりが重くなりがちでふくらみもイマイチになることが多いですし、ホームベーカリー用ならば「インスタントドライイースト」でないと使えません。
それら二つが決まったならば、最適なドライイーストを選び、それにあわせた使い方をしていきます。
先にホームベーカリーでパンなどを焼く場合の正しい使い方についてをご紹介させていただきます。
ホームベーカリーを使う時のドライイーストの使い方
ご家庭で美味しいパンを見た目もキレイに焼けるホームベーカリーと言う機械が存在しており、これを使うとパンなどが簡単に作れるのですが、このホームベーカリーを使う際もドライイーストの量と入れ方が結構重要です。
量の方はともかくとして何故入れ方も重要なのかと言いますと、この入れ方がどのホームベーカリーを使うのかで変わるからです。
最適な量については各ホームベーカリーの説明書をしっかりと守ることが大事です。
多過ぎてもドライイーストはパンの糖分を分解し膨らませる物であるため味が悪くなることがあります。
秤など直接計量する物がないと言う方は小さじ1杯の量が大体約3g、大さじ1杯で10gぐらいになりますので参考にしてみて下さい。
入れ方についてもホームベーカリーの説明書をしっかりと守ることが大事です。
大きく分けると「ドライイーストを入れる専用のケースがあるタイプ」と「他の材料と一緒に入れるタイプ」があり、大体このタイプごとでドライイーストの入れ方が変わるだけのように思えるのですが、同じタイプでも実は「~してください」とか「~しないように」と注意書きがされていることがあり、これを守らないと生地が膨らまないことがあるのです。
またその入れ方の中でも一番注意しておきたいのは水分です。
ドライイーストはイースト菌を乾燥させた物ですから水分に触れることで活性化し、発酵を始めるのですが、その発酵力は時間とともに低下してしまうからです。
その為ホームベーカリーのように全て機械任せにする場合は「発酵を機械がさせたいタイミング」までイースト菌を待機状態にさせておかなくて発酵させたい時には既にその力が弱まっていることもあり、膨らみが不十分になってしまうからです。
専用ケースがあるタイプの場合はそこまで気にしなくて良い物も多いのですが、専用ケースがない場合は先に水分となるものを入れ、粉類の材料をその上に置くようにして、「水分が他の粉で完全に隠れている状態」にしてからドライイーストを入れるようにした方が良いです。
ドライイーストはそもそもイースト菌と言う非常に弱い微生物を乾燥させた物ですので、ちょっとした事で死んでしまい、イーストが死んでしまうと発酵の過程が当然起きないのでパンを膨らませることができなくなってしまいますのでしっかりと指示されている通りに作ることを心がけましょう。
続いてより本格的なものに挑戦したい方向けのホームベーカリーを使わない場合のドライイーストの正しい使い方についてご紹介します。
ホームベーカリーを使わない時のドライイーストの使い方
まずホームベーカリーを使わない時の場合は「ドライイースト」を使うのか、ホームベーカリーで使うようのような「インスタントドライイースト」を使うのかから選ぶ所から始まります。
ドライイーストの場合はイーストを元の状態にまで戻し使えるようにするための予備発酵がまず必要です。
そしてこの予備発酵の段階で使う水の温度や砂糖の量が結構シビアであり、ここで失敗しても最終的に作ったパンが膨らまなかったり、膨らみがイマイチだったりするのでまず注意するポイントです。
そんな予備発酵の基本は以下の通り
- ドライイーストの量の約5~10倍の水を用意
- その水を38℃から40℃にする
- それに水に対して5%の砂糖を入れ砂糖水を作る
- イーストを1ヶ所にかたまらない様しっかりとふるい作った砂糖水に入れる
- 約7・8分おきゆっくりかき混ぜ、生イーストの状態に戻す。
- 生のイーストの状態に戻してから更に5~7分30℃くらいの温度で寝かせる
- 他の材料に混ぜて生地を作成
かなり細かい数字で書いているその数字が少しでも変わるとパンの味や膨らみが出ることに注意です。
例えば水の温度が38℃~40℃から下がればイーストが活性化しきらず膨らみが悪くなりますし、高くなれば死滅して全然膨らまなくなることもあります。
しっかりと買ってきたドライイーストの説明どおりの温度と量を守って予備発酵をまずしてください。
それに対してインスタントドライイーストの方はこの手順がありません。
粉末状のままただ生地に混ぜるだけでOKです。
しかしインスタントドライイーストの場合は「ホームベーカリーを使う時のドライイーストの使い方」でご紹介したように水分と混ぜるタイミングが発酵させるために寝かせる少し前でないと膨らみが弱くなりますので注意。
明らかな水分ではない卵やバター、塩なども意外と水分が多くこれらと一緒に固まって混ざると膨らみがイマイチになることもあります。
しかしこうした物と混ざらないように混ぜるのは難しいので、ドライイーストは小麦粉と一緒に混ぜ、イースト菌を分散させておき、寝かせる前の混合まではそうした他の水分を含む材料と触れ合わないようにしておくと膨らみやすくなります。
以上がホームベーカリーを使わない時のドライイーストの使い方についてです。
この後も美味しいパンを作るための注意などはまだまだ沢山あるのですが、当記事はドライイーストに関しての記事ですのでここまでのご紹介とさせていただきます。
ドライイーストに関するまとめ
ドライイーストは美味しいパンを作るのに欠かせないと言ってもいいものですが、その正しい扱い方や最適なものを選ぶことが出来ないと美味しいパンを作るのは難しいです。
なのでしっかりと書かれている通りに扱うことがとても大切なのでオリジナルアレンジや自己流が好きな方であってもドライイーストについては基本どおりに使うことをオススメします。