ラードとは?成分と効果や注意点!おすすめの使い方を徹底解説

ラードは実は特別体に悪いものでもなく、その上嬉しい健康効果まであると言うことをご存知ですか?

動物性の油は健康に悪いと日本では未だに良く言われていて、バターやラードなどは太りやすいだとか、動脈硬化などの健康被害を及ぼす可能性が高いなどともされているため、こんなことを言われても信じられない人は多いかと思います。

しかし実際の所その成分やカロリーなどをちゃんと調べて植物性の油と比べてみますと、むしろ何故植物油の方がそんなに健康に良いと言われているのか疑問に思うほどであり、ラードはそこまで体に悪いものではないのです。

むしろ最近注目が集まる「良い油」と「良くない油」それぞれの特徴から考えれば、ラードは人体に良い効果を持つ「良い油」であるとさえ言えるでしょう。

ですがもしそんなに悪いものではないと理解していただけたとしても、日本ではご家庭でラードを使った料理を作ったりする人は少ないでしょうし、余り料理自体作らない人はそもそもどんな使い方をするものなのかを知らない人も多いでしょう。

そこで今回は日本人の多くの方が誤解しているラードについて、少しでも実際にどんなものなのか知ってもらいたいと思い、ラードとは何かからラードに含まれている成分や健康効果、何故ラードは健康被害が大きいと言われることがあるのかなどまでをご紹介させていただく『ラードの健康効果とは?使い方と健康被害が言われる理由とは?』と言う記事を書かせていただきました。

多くの日本人が誤解している実はとても凄い油であるラードについて興味があったりはしませんか?

ラードとは?

まずはそもそもラードとはどんなものなのかから簡単に説明させていただきます。

ラードとは調理に用いられる豚の脂肪全般のこと、またはクリーム状になった、豚の脂肪の不純物を取り除き、練って冷やして固まらせ、更に香料を添加した調味脂のことです。

なのでラードと聞くと背脂のことだと思っている人もいるかもしれませんが、確かに主に豚の背中の部分の脂が使われますが、実はそれ以外の部分も使われているため正確には「背脂」=「ラード」ではありません。

豚の脂100%で作られている「純正ラード」だけでなく、牛脂やパーム油などを加えた「調整ラード」と言うものもあるのですが、一般的に販売されているものやただ「ラード」と言えばそのほとんどは純正ラードですから、本記事では純正ラードについてのことだけを取り扱わせていただきます。

料理にコクや風味を出すために使われることが多く、プロが作ったりお店で食べた方が断然美味しい料理には結構な確立でこれが使われているかどうかが関わっているほど。

例えば中華料理の炒め物を筆頭に、ラーメンのスープやとんかつやコロッケの揚げ油などに使われる使い方が有名ですが、その他にも沖縄の有名なお菓子である「ちんすこう」や「サーターアンダーギー」、フランス料理のコンフィなどにもかなり重要な要素であり、ラードを使っているかどうかで大きく味が変わる料理も少なくはないです

そんな味の決め手にもなるようなものであるため、それこそバターのようにシンプルにラードを味わうような国もあり、ラードをご飯にかけて味付けして食べる「ラードご飯」やラードをパンに塗った「シュマルツブロート」、「ジーロシュ・ケニェール」などと言う料理もあります。

また味だけでなく温まると非常に強くなる独特の匂いがあり、その匂いが食欲をそそるような匂いであると良く言われます。

しかしそんな匂いがむしろ臭いと感じる人も結構いますし、口に残るような味と沢山食べると胃にくるような「重さ」もあるため、使えば使うほど美味しくなると言うものでもありません

ラードの成分

こちらではラードの成分について焦点を当ててご紹介させていただきます。

まずラードの成分ですが、そのほぼ100%が脂質であり、その脂質の内訳は以下の通り。

  • 飽和脂肪酸    39.29g
  • 一価不飽和脂肪酸 43.56g
  • 多価不飽和脂肪酸 9.81g

御覧のように飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸がその殆どを占めており、油の中でも健康被害が最も心配されるトランス脂肪酸は含まれておりませんし、常温でも固形化するほどに非常に安定した油であり、熱に強く酸化がしにくい油です

この飽和脂肪酸の中には肌の健康に良く効くとされるパルミチン酸も含まれておりますし、一価不飽和脂肪酸の中にはオリーブオイルの健康効果をもたらしてくれることで有名なオレイン酸(オメガ9脂肪酸)も比較的多く含まれています。

ほぼ全てが脂質であるためカロリーは100gで940kcalと数字だけ見ると非常に高カロリーですが、どんな植物性の油でも同じ100gあたりで920kcalはありますから「油というジャンルの中ではそこまで特別高カロリーではない」とも言えます。

またその他にも以下のような成分もラードには微量ながら含まれています。

  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンE
  • ビタミンK

決して多くはありませんし、一度で大量にラードを使うことも普通はありませんからこれらの栄養素が健康効果を発揮するには無いよりはマシと言ったレベルのものではありますが、日常的に意識せずともどんな料理でも食べれば摂取してしまう油だからこそ、その無いよりもマシのレベルでも違いが出るとも言えるのです。

ラードの健康効果

ラードの成分をご紹介させていただきましたので、続いてはではそのことからどんな健康効果があるのかをご紹介させていただきます。

ざっとラードが持つ健康効果をあげさせていただくと以下の通り。

  • 美肌効果
  • 腸内環境の正常化
  • アンチエイジング

どうしてこのような効果があるかと言いますと、以下の通り。

美肌効果

まずラードに含まれるパルミチン酸は抗酸化作用を持つビタミンAの吸収率を高めたり、血管を強くしなやかにする働きを持っています。

その他にも動物性の脂質はエネルギー吸収効率が良く、運動や内臓器官を動かすための燃料になるだけでなく、骨や血液、ホルモンなどを作り出す素でもありますからコラーゲンやヒアルロン酸と言った美肌効果のある成分を生み出す役にも立ちます

またラードは人間の皮膚のアミノ酸と構成が非常に近く、非常に少量でも肌に塗ることで保湿や美肌効果も高く得ることが出来ます。

腸内環境の正常化

食物繊維を沢山とれば便秘が治ると言われていますが、極端に水分や脂質をとらない生活をして便秘になっている方の場合はそれでは改善できません。

なぜかと言うと腸内の動きをいくら活発にしようとも、腸内の潤滑油となるものが無ければ食物繊維が押し出されずに詰まってしまうから。

ラードが腸内環境を良くすると言う理由はこの潤滑油となるからで、吸収しきれないで排泄される時の油分が腸内を潤しすべりを良くするからなんだそうです。

それに加えラードに含まれるオレイン酸などのの油の種類中には腸を刺激して蠕動運動を良くするものも含まれているそうで、これら複数の効果から腸内環境の正常化効果がラードにはあると言えるのだそうです。

アンチエイジング

既にここまでで触れて来た様にラードには抗酸化作用を高める成分や美肌効果を持つ成分が含まれており、腸内環境の正常化による基礎代謝の向上や免疫力の向上などもあるため、アンチエイジング効果が期待できます。

ラードの注意点

これまではラードの良い所ばかり紹介してまいりましたが、健康被害があると言う話も嘘と言うわけではなく、ラードも摂取量や特定の症状のある方の摂取には注意が必要です。

まず言えることとしては、ラードの脂質は既にご紹介したように飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が大体5:5の割合なのですが、理想的な摂取バランスは3:7と言われているため全ての油をラードに置き換えると飽和脂肪酸が過剰摂取となりえます

この飽和脂肪酸を過剰摂取している状態は血中コレステロールの増大を招くため、動脈硬化などの健康被害を及ぼす可能性が高くなりますし、動脈硬化で治療中の方や血中コレステロール値が既に異常と診断されている方はむしろ避けた方が良い要因です。

降圧剤やコレステロールを下げる薬を飲んでいる方はラードが薬の効果を邪魔したり打ち消してしまったりする可能性もありますから、自身で料理に使うのはもちろんのこと出来れば使うような料理も治療中は控えることが望ましいです。

もう一点としましては腸の弱い方や腸炎を患っている方も注意が必要。

ラードには便秘改善の効果があるため逆に言えば下痢を起こしやすくしたり、悪化させてしまうこともあるからでして、お腹の具合がゆるめで心配な方は覚えておいて欲しいです。

ラードのおすすめの使い方

最後にラードの良さも分かったので使ってみようかと思ったが、ラードなんてこれまで使ったことがないから使い方が分からないと言うのためにおすすめの使い方をご紹介させていただきます。

まず基本的に使う量はバターと同じぐらいを想像してください。

1人前に5gも使えば十分味や香りに違いが出て、逆に20gも使うと気持ち悪くなる要因となります

使用方法はサラダ油と出汁の素の両方の特性があるものと思って下さい

中華料理との相性が軒並みいいのですが、それ以外だと揚げ物の油に使うのが王道でして、揚げ油に全体の1割ぐらい混ぜて使うだけでも揚げ物の味がかなり変わります。

もちろんサラダ油と同じ感じで炒め物にはもちろんのこと、スープや煮物などの旨味やコクを足すことも可能ですし、ひき肉に混ぜて肉汁を増やしたり、しっかり目に温めて溶かしたラードで焼き物をするとサラダ油で焼いたとき以上のツヤや照りをつけられます。

その他にも他の具がなくとも単純にお湯で溶いて醤油で味をつけただけでも中々美味しいスープに出来るぐらいなので、肉なしでも肉の風味がつけれる調味料として使うのもありです。

変わったところですとパンやケーキに対してバターの何割かを置き換えて使うとよりふっくらとした仕上がりで、砂糖ではない甘味を感じれるものが作れますし、あんこやカスタードクリームに全体の数%ぐらいの量混ぜることで甘さに深みを出し、口当たりや見た目の色艶を良くすると言った使い方も出来ますので慣れてきたら色々と試して欲しいと思います。

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