麦味噌とは非常に良い物であることをご存知ですか?
一般的に日本で味噌汁に使うような味噌である米味噌は今でも日本人にとって非常に身近な調味料ですが、作り方もやや異なるその名の通り原料に麦を使った麦味噌は九州地方以外ではややマイナーな味噌であり、そもそもどんなものかを知らない人もいることでしょう。
その為その存在を知っていてもかなりの人にとってはきゅうりにつけて食べるものと言うこと意外は使い方を知らない人も多く、ましてや栄養やカロリーの特徴、手作りのものの良さなんて知らない人の方が多く、麦味噌というものを食べたことがないという人もいることでしょう。
しかしこの麦味噌が米味噌とは成分的に異なる部分があることから美容や健康への効果が高く、甘い味や豊かな香りから料理への使い方次第では米味噌よりも相性が良いものもあるのです。
そこで今回はそんなどんなものかも知らない人が多い麦味噌ついて、「そもそも麦味噌とはどんなものなのか?」から「こさないで使った方が良いのか?」、「普通の味噌の代わりにも使えるのか?」などを含めた「麦味噌のおすすめの使い方」などにまでついてをご紹介させていただきます『麦味噌の原料や効果とは?作り方や上手な使い方!』と言う記事を書かせていただきました。
普通の味噌とは「一味違う」麦味噌について興味はございませんでしょうか?
麦味噌とは?作り方やその特徴
まずはそもそも麦味噌とはどんなものかを知らない人もいらっしゃると思いますので麦味噌とは一体どんなものなのかを簡単に説明させていただきます。
麦味噌とは最も簡単に言えば米麹ではなくオオムギやハダカムギ麦を原料にした麦麹を使って大豆を発酵させた味噌のことで、その原料から「麦味噌」と言われる他にも農家の方が自家用に主に作っていたことから「田舎味噌」とも呼ばれることもあります。
この原料の違いから成分的な特徴としましては仕込む時に使う塩の量が少なかったり、麦の方が米よりもタンパク質が多く、含んでいるミネラルの成分や量が異なることからアミノ酸が米味噌よりも多いため旨味が強く、味噌の香りが強い、甘い味が強いと良く言われます。
作り方も米味噌とは若干異なり、米ではなく麦を蒸し上げ麹を作り出すところだけでなく、麹歩合が比較的高いものが多かったり使用する塩の量が少ないなどの違いがあったり、そもそも醤油と異なり味噌はJAS規格による明確な定義があるものではないことから、同じ麦味噌でも主な生産地である九州のものとその他の地域では麦麹以外の原料比率や熟成期間が全く違い、見た目からして全く異なるものもかなりあります。
きゅうりともろ味味噌を合わせた「もろきゅう」に使うことでそこそこその他の地域でも知られていますが、消費されている地域で言えば九州以外ですと山口県と愛媛県が圧倒的に多く、産地も殆どその地方。
麹の量が多いことから発酵しやすく、時間経過とともに赤っぽくなる「褐変反応(かっぺんはんのう)」または「メイラード反応」による変色が起きやすかったり、味噌汁などに使用するときは、味噌こしなどでしっかりこさないと原料である麦由来の、「黒条線(こくじょうせん)」、または「麦のフンドシ」と呼ばれる麦の外皮の一部が入ってしまうなど米味噌に比べて美味しく食べるためには少々取り扱いに注意が必要なところはありますが、保存可能期間や味や香りなどの品質の劣化速度については米味噌と比べて差はありません。
以上のことから麦味噌は使い方としては所謂普通の味噌と言われる米味噌とそんなに違うものではないのですが、成分的な違いから来る味や香り、健康効果などの違いが結構あって、そうした特徴の違いから、健康効果やおすすめの使い方などが変わると言えます。
麦味噌の成分的特徴と健康への効果
こちらでは麦味噌の持つ成分的特徴と健康への効果についてをもう少し詳しくご紹介させていただきます。
まず既に簡単に上記の【麦味噌とは?】の章でもいくつかご紹介した成分的特徴を含め、麦味噌の成分的特徴を分かり易くまとめて見ますと以下の通り。
- 食物繊維が多い
- タンパク質が多い
- アミノ酸の量が多い
- 塩分が少ない
こうした特徴のほとんどは麹の原料である米と麦の違いによるものですが、塩分に関しては仕込みの特徴上「一般的に麦味噌の方が製法的に食塩を使わない」と言う作り方から来るの特徴でして、手作りのものはもちろんのこと市販のものでも商品によってかなりバラつきがありますので、必ず麦味噌は米味噌に比べて塩分が少ないとは言えない所もあります。
ですがそれ以外の3つの特徴は麦味噌であれば必ずあるとも言える特徴でして、こうした成分的特徴から麦味噌には米味噌に比べて以下のような美容や健康への効果が高いと言えます。
- アンチエイジング
- 腸内環境の正常化
- 血流の正常化
- 生活習慣病予防・ダイエット効果
- 肌、髪、骨などを健康な状態に保つ
味噌の褐色の元である「メラノイジン」と言う高い抗酸化作用がある成分が含まれていたり、体内の塩分濃度を調整したりデトックス効果が高いとされる成分「カリウム」、大豆の発酵食品でもあることからポリフェノール類の仲間であり、女性ホルモンと同じような効果があるとされている「大豆イソフラボン」が豊富であると言った味噌が持つ健康効果として知られているものがやはり目立ちます。
ですがそれに加え更に食物繊維が多いこととアミノ酸が多いこと、塩分量が軒並み少なめなことから来る「腸内環境の正常化」や「血流の正常化」そしてカロリーの違いこそほぼないのですが、そうした効果に後押しされることで得られる「生活習慣病予防・ダイエット効果」については麦味噌の方が高く評価されているようです。
麦味噌の味や香りの特徴とおすすめの使い方
麦味噌の成分的特徴がもたらしてくれる美容や健康への効果に続いてこちらでは味や香りなどの嗜好品的要素を重視した食べ物としての特徴から見たおすすめの使い方をご紹介させていただきます。
まず既に簡単にご紹介したように所謂普通の味噌と言われる米味噌に比べ麦味噌は「味が甘い」、「香りが強い」そして「旨味が多い」と言う部分が特徴的であるために、米味噌と同量同じ料理に使うとかなりクセが強いとも言えます。
そうした特徴から宮崎名物の「冷や汁(ひやしる)」や愛媛名物の「さつま汁」などには主に麦味噌が使用されていますし、シンプルに味噌を味わうことを目的とした「もろきゅう」などにも使われることが多いです。
その為米味噌の変わりに使うのならば、まずはシンプルな具の味噌汁に使うことで自分の好みに合う合わないの判断をしてから使ってみることおすすめします。
もちろん個人の味の好みにもよりますが、しょっぱさやや控えめで旨味と味噌の香り強めな特徴からあっさりした料理に使うのにはやや米味噌に劣りますが、コクや香りを活かしたしっかりした味付けやこってり系の料理に使うのには米味噌よりも良いと言えます。
麦味噌の使い方のコツ
最後にオマケとして本格嗜好の方向けに麦味噌の使い方のコツなどについてをご紹介させていただきます。
まず麦味噌を使うに当たりこめ味噌とは違い口当たりが悪くなる要素である「黒条線(こくじょうせん)」、または「麦のフンドシ」と呼ばれるものの処理が料理によっては気になりますので、こさないで使うのは避けることに注意。
汁物はもちろんのこと、味噌味で煮るような料理などを作る時もこさないで使うとどうにも口の中に硬い繊維質なものがあるのが気になる人は多いと思います。
栄養素的に見てもこの黒いものをこさないで使うメリットは特にありませんのでできれば麦味噌はこして使った方が良いです。
また「褐変反応(かっぺんはんのう)」または「メイラード反応」と呼ばれる変色がおきやすいことから、料理によっては見た目や香りが悪くなりやすい所もあることにも注意。
「変色しても品質に大きな変化はありません」とはどの麦味噌にもよく書かれていますし、栄養素や味的には良くなる部分もあるのですが、クセも強くなるために美味しさを追求するならば「やや米味噌よりも早めに使う間隔」で消費し切ってしまうことをおすすめします。