ゼラチンが固まらないで対処法に困ったことはありませんか?
ゼラチンは暑い時期にぴったりのスイーツであるゼリーやババロアを作るのには欠かせないもので、比較的簡単に液状のものを固めることが出来る便利なもの。
ですが簡単で便利とは言え、普段からあまり使わない人にとってはゼラチンの分量や入れるタイミング、溶かせる温度などのちゃんとした使い方が良く分からずに、思ったように固まらないことも意外とあるもの。
例えば特定のフルーツやアルコール類を使ったり、加熱のし過ぎで失敗してしまうというのは良く聞く話です。
そして失敗する人の大半はそんな時の対処法もご存知でなく、1から全てやり直しになってしまうのか、再加熱すれば作り直せるのか、冷蔵庫でもっと長く冷やせば良いのかなどの判断をすることも出来ないものです。
そこで今回はゼラチンが固まらない原因やその対処法から上手に使うためのコツなどをご紹介する『ゼラチンが固まらない原因と対処法!正しい使い方』と言う記事を書かせていただきました。
簡単なようで意外と失敗してしまうことも多いゼラチンの正しい使い方やコツに興味はございませんか?
ゼラチンは何故固まらない時があるのか?
最初にまずはゼラチンがうまく固まらない時にはどんな可能性があるのかをご紹介させていただきます。
その原因はざっと箇条書きで簡単に書き出しますと以下のことが考えられます。
- ゼラチンの分量が足りない
- ゼラチンが溶け切っていない
- ゼラチンの加熱のし過ぎ
- ゼラチンが固まるのを阻害する材料を使っている
- 冷やし切れていない
これらの時どうして固まらないのかと言いますと次の通り。
ゼラチンの分量が足りない
ゼラチンは大体材料の水分量の2~3%ぐらいの量(500CCに対して10~15g)で液体を固めることが出来ますが、当然これより少なければ、ゆるくなったり固まらなくなったりします。
入れすぎればダマになってしまいますし、作りたい料理によって理想の固さが違うため、余程熟練者でなければ感覚で丁度良い分量にするのは難しいですし、しっかりとレシピ通りに作っているつもりでも、入れる材料が多かったり慌てるとちょっとした計算間違いで分量を間違えることはあります。
ゼラチンが溶け切っていない
板ゼラチンや粉ゼラチンのような一度戻して使うようなものはもちろん、そのまま使える顆粒ゼラチンでも作る量が多かったり、冷たい液体に使う時は溶けきらずに固まらないことがあります。
特に板ゼラチンや粉ゼラチンはふやかすための水分量や浸けて置く時間、温度が適切でないと固まらない原因になりやすいので、使い慣れていない方がそうしたゼラチンを使う時はしっかりと溶かすやり方を守って使うようにしてください。
ゼラチンの加熱のし過ぎ
慣れていない人でなくても思わずやってしまいやすい失敗の原因で一番多いものがこれ。
ゼラチンはタンパク質を熱で水に溶かし、冷える時に水分を絡め取らせて固めるという原理で液体を固めるものです。
しかし加熱し過ぎると、このタンパク質が周りの水分を絡め取れない性質のものに変質してしまうので、ゼラチンを溶かす時に高い温度にしてしまうとうまく固まらないことがあります。
沸騰させてしまえばほぼ確実に固まりませんし、うまく固まる最適温度は50℃前後で、70℃から固まる力が落ちますから沸騰していなくても加熱しすぎになっていることもあり、片手間に料理していると思わず失敗することも意外とあります。
ゼラチンが固まるのを阻害する材料を使っている
ゼラチンが液体を固まらせる原理は先程の【ゼラチンの加熱のし過ぎ】の所でご紹介したようなものなのですが、この水分を絡めとる力を失わせる原因となる材料を使う場合も当然固まらない原因となります。
具体的にはフルーツならばパイナップルやキウイ、マンゴーなどのタンパク質分解酵素「ブロメライン」を多く含むタイプのもの、柑橘類やイチゴなどの高い酸性を持つものやペクチンを多く含むものはタンパク質の水分を絡め取る力を弱くするために使うとうまく固まらないことが多いです。
その他ではアルコール類もゼラチンが固まらない要因。
アルコールはタンパク質が水を絡め取るよりも先に水分と結びついてしまうため、ゼラチンが水をうまく絡め取れなくなってしまうのです。
冷やし切れていない
既にご紹介して来ましたようにゼラチンは冷える時に水分を絡め取るものなので、冷やし足りないと当然うまく固まりません。
基本的にゼラチンは10℃以下で冷やすと固まり始めますが、その温度になったところから固まるのであり、大量に作れば全体が冷えるまでに時間がかかりますし、ゼラチンを溶かす時の温度が高ければ高いほど冷えるまでに持間もかかります。
更には使う材料によっては固まるまでの時間が余計に掛かるようにもなりますし、使った容器次第でもかなり固まる時間が変わりますので、完成までに掛かる時間が長いと一晩ぐらいかかることもあるのです。
固るようにするための対処法
ゼラチンがうまく固まらない原因は理解していただけたかと思いますので、続いて「ではどうしたらちゃんと固めることができるのか?」をご紹介せていただきます。
ゼラチンが固まらないようにしないために考えられる対処法としては以下のものがあげられます。
- 作り出す前にゼラチンの分量の計算をしっかりとする
- ゼラチンをベストな温度で溶かす
- ゼラチンが固まるのを阻害する性質を出来るだけなくす
- 出来るだけ早く冷える工夫をする
一つ一つの対処法についてもう少し詳しく説明させていただくと以下の通り。
作り出す前にゼラチンの分量の計算をしっかりとする
固まらない要因である「ゼラチンの分量が足りない」、「ゼラチンが固まるのを阻害する材料を使っている」ことに対する対処法です。
何の料理においてもそうですが、料理に慣れていない人はレシピに書かれている数字を所謂「ながら作業」で計ろうとしたり、慌てて計る時にミスしやすいもの。
その為料理事態が余り慣れていないとか、沢山材料を使う時などは事前にしっかりと固めることが出来る分量を調べて計算し、全て計りきってから料理を始めることをおすすめいたします。
ゼラチンをベストな温度で溶かす
固まらない要因である「ゼラチンが溶け切っていない」、「ゼラチンの加熱のし過ぎ」、「冷やし切れていない」ことに対する対処法です。
既に触れましたようにゼラチンを溶かすのに最適な温度は大体50℃ですから、固めようとする液体が完成したらそれを半分に分け、片方を沸騰寸前まで温め、もう片方を冷蔵庫で冷やし、これを合わせる事で大体50℃前後の温度にしてここにゼラチンを溶かすのがオススメ。
この温度にしてしっかりと混ぜれば、冷たくて解けていなかったり加熱しすぎるということを防げますし、この温度ならば温かすぎて中々冷えないということを避けることが出来ます。
ゼラチンが固まるのを阻害する性質を出来るだけなくす
固まらない要因である「ゼラチンが固まるのを阻害する材料を使っている」ことに対する対処法です。
最も確実なのはタンパク質の固まる働きを阻害するフルーツやアルコールを使わないこと。
ですが、そこまでしなくともフルーツの類でしたら砂糖と水で軽く茹でたり煮たりして75℃以上の温度で下拵えをすればある程度その性質を弱めることが出来ますし、アルコールも入れる分量を加減するか、あらかじめ水にゼラチンだけを溶かしたものを作り、そこに足す形にするとうまく固めることが出来ます。
出来るだけ早く冷える工夫をする
固まらない要因である「冷やし切れていない」ことに対する対処法です。
例えば既にご紹介したようにゼラチンを溶かすときからあまり高い温度にせずにおけば冷えやすいですし、冷蔵庫で冷やす前に器ごと氷水につけて粗熱を取るだけでもかなり違います。
その他にも熱伝導率の高い金属容器を使ったり、金属製のトレーやバットを敷いて冷蔵庫に入れたり、使う容器を予め冷凍庫で冷やしておくなどの工夫で早く冷えるようにすることが出来ます。
固まらなかった時の対処法
上記でご紹介した固るようにするための対処法をしてもうまく固まらないこともあるでしょうし、思わず何か対処法をやり忘れたり、逆に固まらない原因となることをしてしまったりすることだって人間ですからあるでしょう。
ではそんな時、どうしたら良いのかをここではご紹介させていただきます。
まず最も確実に固めることが出来る方法として挙げられるのは再加熱して作り直す対処法。
熱で溶けて冷やすと固まるだけのことですから、ゼラチンで固めたものは加熱することでまた冷やす前と同じ状態に戻せます。
その為例えば再び加熱しゼラチンを足してまた冷やせば、ゼラチンの量が足りなかったり、ゼラチンがちゃんと溶けていなかった場合でもちゃんと固めなおすことが出来ます。
その他にもゼラチンが固まるのを阻害する材料を使っている場合でしたら、取り出して再度材料を加熱処理をしたり、少し量が増えてしまいますが水に砂糖とゼラチンを溶いたもので割ってしまえばかなりの高確率で固めることが出来ます。
最も簡単ですが、効果があまり期待できない方法としてはアルミホイルで覆ってチルドで一晩置いておくと言う対処法もございます。
これは単純に固めたい液体が中々冷えない状態の時のみに有効な方法でして、それ以外の場合で固まらない時は全く効果が出せないのですが、ただ冷やし足りないだけの時、早く冷やしたい時にはかなり有効です。
ゼラチンを上手に使うコツ
最後にゼラチンを使った料理が上手になるコツと言うものを少しご紹介させていただこうと思います。
まず覚えておいて欲しいのは、最初は最も簡単に使える顆粒ゼラチンで具を入れないゼリーを作り、「普通の感覚」を覚えること。
普通に作った場合は自分の思った状態より固いのか、それとも緩いのかをまず判断できないとゼラチンの量の調整が出来ませんし、固まらなかった時に原因がどこにあるのかを判断しにくくなるからです。
「普通の感覚」が理解できたらそこからアレンジしていくのですが、この時はもちろんご紹介した【固るようにするための対処法】を参考にしていただけたらと思います。