【管理栄養士監修】鯖缶の栄養と効果効能!鯖缶の食べ過ぎは体に悪いの?適切な量とは?

鯖の水煮の缶詰、通称「鯖缶」が実は栄養豊富で生の鯖を食べるよりも健康に対して良い効果効能があると言う話を聞いたことはありませんか?

どんな食べ物であっても栄養価が高い部分と言うのは、調理して食べる時に意外と食べずに捨ててしまうことが多く、丸ごと食べた方が良いとは良く言われることですが、食べにくかったり普通に調理しても食べられない部分と言うのはどうしてもあるもの。

魚に関して言えば小骨や皮までは何とか食べられても、骨や尻尾、あるいは調理の際に流れ出る脂などまでは普通食べる人はいないでしょう。

しかし鯖の水煮の缶詰、通称「鯖缶」ならば骨や皮はもちろんのことその煮汁まで殆ど抵抗なく食べることが出来、余すことなく栄養が摂取できると言われてもいます。

魚の肉はたんぱく質が豊富ですし、魚の脂は総コレステロールを抑え、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増加させる効果効能がある種類の脂、骨にはカルシウムやマグネシウム、皮の部分にはコラーゲンを始め、ビタミンAやB群、そして良質な脂が含まれているため、なるほど健康に良いことでしょう。

ですが、鯖缶を食べ過ぎると体に悪いと言う話もあるのです。

こうして考えてみると鯖缶と言う名前はもちろん、それが健康に良いと聞いたことがあるけれども、「実際どんな効果効能があるのか?」、「食べ過ぎると体に悪いものなのか?」、「どのぐらいで食べ過ぎになるのか?」と言う事は意外と知らないことでしょう。

そこで今回はそんな物は知っているけれども意外とどんなものかは知らない鯖缶についてご紹介する『鯖の水煮の缶詰の栄養や効果効能!毎日の食べ過ぎは体に悪い?』と言う記事を書かせていただきました。

意外と知っているようで知らない鯖缶について興味があったりしませんか?

本当に鯖缶は健康に良い物なのか?

最初にまずは鯖缶について良く言われている健康に良いというのは本当なのか?についてご紹介させていただきます。

とは言え「鯖の水煮の缶詰」と一口に言っても実はかなりの種類がありまして、その製作工程はもちろん缶に入れる前に施す調理法も異なりますので、当然各種栄養の含有量、そして健康に対しての効果効能の高さには差があることは予めお断りさせていただきます。

ですが、共通して言えることとして基本的に「鯖の水煮の缶詰」自体は健康や美容に対して良いと言うことが言えます。

その理由は上記で触れました様に、まず普通に調理しても食べない部分まで美味しく食べられるため、摂取できる栄養が増えること。

また手軽で美味しいと言うのもかなり大事なポイントです。

料理が好きな方ならば挑戦したことがある人もいるでしょうが、ご家庭で骨や皮が抵抗なく食べられるまで鯖を炊き込むのは圧力鍋を使ったとしても中々手間であり、やっと出来たと思って食べたら缶詰の方が美味しいなんてことも良くある話です。

更に殆どの鯖の水煮缶詰は味付けも塩ぐらいしか使いませんし、缶詰であるため保存期間がかなり長く、保存料を必要としませんから添加物も殆ど使いません。

こうしたことから普通に鯖を食べるよりもむしろ健康に良いとさえ言える所もあるのです。

鯖缶の栄養と効果効能

さて、鯖缶は鯖に含まれる栄養が沢山取れるため、健康に良いと言うことは分かっていただけたかと思いますので、続いてはどんな栄養が含まれているからどんな効果効能があるといえるのかをご紹介します。

まず鯖缶に含まれる主な栄養としては以下のものが注目されています。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ナイアシン
  • ビタミンD
  • カルシウム
  • セレン

これだけでも比較的多く感じますが、これらはあくまで主な栄養素だけを抜き出しただけのものでしてこれ以外にも複数のビタミンとミネラルが鯖の水煮缶には含まれています

そしてそうした栄養素を含んでいることから以下のような効果効能を鯖缶は持っていると言えるのです。

  • ダイエット補助効果・生活習慣病予防
  • 血液・血流の正常化
  • 骨や歯の健康の維持・向上
  • 抗ストレス能力の向上

何故こうした効果があるかと言いますと以下の通り。

ダイエット補助効果・生活習慣病予防

鯖缶には鯖の良質な脂であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と言った不飽和脂肪酸が沢山含まれているために、食べることで総コレステロールを抑え、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増加させたり、中性脂肪を減らす効果があり、良く鯖缶驚きの効果として話題になりました。

その他にも代謝に関わるビタミンB群が多く含まれていますし、消化管ホルモンの分泌を促進させる効果などもありますから、確かに鯖缶には痩せやすい体作りの効果があると言えるでしょう。

また下記で詳しくご紹介する血流の正常化効果があり、糖の代謝を助けるアミノ酸、抗酸化作用の高いセレンやビタミンEを含んでいたり、抗ストレス能力の向上効果もあり、糖尿病や動脈硬化に加えて癌の予防にまで効果があるとも言われています。

血液・血流の正常化

鯖の脂であるEPA(エイコサペンタエン酸)はコレステロールのコントロールだけでなく、血小板の凝集や血圧効果作用も持っており血液をサラサラにする力があると言われています。

もちろんそれだけではなく、ナイアシンやビタミンEと言った血管の拡張作用を持つビタミン、赤血球のヘモグロビンの生成を促すことで貧血などを予防するビタミンB12なども含まれており、鯖缶に実は血液・血流の正常化の効能があるのです。

骨や歯の健康の維持・向上

最も単純な話骨ごと食べられるわけなので骨までは食べない場合よりも骨の成分の素となるカルシウムやマグネシウムなどの栄養素が摂取できます

またそれだけでなく、カルシウムやリンの吸収効率を上げ骨の形成を促進したり、骨を強くしたりするビタミンDなどの骨の健康に関する他の栄養素も含まれており、鯖缶は骨や歯の健康の維持・向上の効果効能があると言えます。

抗ストレス能力の向上

脳の栄養として一時期話題になったDHA(ドコサヘキサエン酸)をはじめ、神経機能を正常に維持する力を持つビタミンB12、神経伝達や筋肉の収縮を補助するだけでなく、抗欝効果があるとされるビタミンDと言ったストレスによる害を緩和する成分が多く含まれています。

自律神経系に対しても効果がある栄養素ももちろん含まれていますが、それ以上に意外と知られていないのですが、鯖缶には心を安定させる為の脳内分泌物セロトニンを合成するためのビタミンB6、マグネシウム、トリプトファンと言った成分が全て含まれており、睡眠の質向上や脳や神経の疲労緩和効果があることが鯖缶の長所と言えます。

鯖缶の食べ過ぎは体に悪いのか?

これまでご紹介したような特徴があるために鯖缶は非常に体に良さそうなのですがもちろん食べ過ぎれば体に悪影響を及ぼすこともあります。

まず、最初に言えることとしてダイエット目的で食べる方は食べ過ぎれば太ります

鯖缶は高たんぱく質高脂肪であり、決して低カロリーな食べ物ではありませんし、鯖缶の成分で得られるのはあくまでも「コレステロール値の健全化」と「痩せ易い体にするもの」であり、同時にカロリーを多く消費するか、摂取カロリーを減らさなくては体重減少には大きな効果は望めません。

また鯖缶を食べ過ぎると嘔吐や下痢などの症状がでる恐れがあります

これは体に良い効果を持つとこれまで何度かご紹介したEPA(エイコサペンタエン酸)の過剰摂取による理由が大半です。

厚生労働省によると1日3g以上の摂取は副作用が出てくると言われていますので、一日1缶ぐらいなら殆ど問題ないですが、毎日それ以上食べると過剰摂取を起こす可能性があります

過剰摂取が怖いと言えばセレンもまたやや心配な成分です。

老化に対する特効薬のように紹介され、サプリメントもかなりあるこの成分実は、過剰摂取は爪の変形や脱毛、胃腸障害、下痢、末梢神経障害を招き、更に悪化すると胃腸障害、神経障害、心筋梗塞、呼吸困難、腎不全になることもありえる成分です。

鯖缶の食べ過ぎだけでは過剰摂取はまず起こしませんが、他にセレンを含む食品かつおやマグロ、魚の卵や内臓、納豆などを沢山食べたり、サプリメントを摂取する方は注意した方がいいかもしれません

また青魚にアレルギーを持っている方は当然ですが鯖缶を食べない方が良いです。

青魚アレルギーはその脂の成分で症状を起こしますのでそれが大量に含まれている鯖缶はかなり危険です。

生でなければ大丈夫な軽度の方でも、一定期間継続的に摂取した場合アレルギーが悪化する方もいますので、ご注意ください。

鯖缶の健康のためになる適切な量とは?

結論から言いまして鯖缶を3日に一缶食べるぐらいが健康効果を狙うならばベターでしょう。

1ヶ月間ぐらいならば毎日1缶食べても問題が出る人はまずいないかと思いますが、毎日食べるのはどれほどレパートリーがあろうともかなり苦痛です。

特別味付けがされていないため調理方法である程度ごまかしは聞くのですが、味と食感まで変えられるわけではありませんし、劇的な健康効果をもたらすようなものではありませんから、飽きるでしょう。

その為ある程度長期戦を見越した上で出来るだけ食べようと思っている方には3日に一缶食べるぐらいをおすすめします。

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