健康にとても良いことで知られるお酢ですが、実はお酢を飲むと胃が出血する危険があると言う話を聞いたことはありませんか?
お酢は確かに酸性を示す飲み物で、酸には物を溶かす働きがあると言うのは誰もがご存知の事でしょう。
しかし実際のところお酢を飲んで胃が出血するほどの危険があるかどうかと聞かれるとこれに対して即答できる人は多くないでしょう。
そこで今回は時たま耳にする事もある『お酢を飲むのは危険なのか?お酢の飲みすぎで胃が出血する危険はあるのか?』という事についてご説明させていただきます。
お酢を飲むことの危険と言う話が出来た理由
まず始めにお酢を飲むことに危険があるかどうかという事を説明していきます。
まずお酢については以下のような特徴がある事を知って下さい。
お酢の特徴
- 酢酸を含むため酸性である
- 酢酸臭とよばれる独特の酸っぱい臭いと酸味がある
- 原料は食べ物であり、発酵を利用して作られる
お酢には簡単に言って以上のような特徴がありますがこの特徴の1つ目と2つ目を作る『酢酸』と言うのがお酢の危険性が話しに上がる主な理由。
更に言うならこの酢酸が結構強めの酸性を持っているからお酢を飲むのが危険と言われるのです。
具体的に詳しく言うなら、小学校などで教わる酸性やアルカリ性の強さとして分かりやすいものに「pH(ピーエッチ/ペーハー)」と呼ばれる数値を使い、これが0に近ければ近いほど高い酸性を持つという方式があります。
これによると酢酸はph2と言う数字で、「弱酸性」ではなく「酸性」に分類されるのです。
恐らくこれが
「お酢は酢酸が入っている」
「酢酸は強い酸性」
「強い酸性は飲むと危険」
「お酢は飲むと危険」
となったのでしょう。
しかしこれだけの事で本当にお酢と言うのは飲むと危険だと言えるのでしょうか?
お酢を飲むことで胃が出血する危険性の考察
続いて本当にお酢を飲むのは危険なのか、より具体的にはお酢を飲むことで胃が出血する危険性についてをより詳しく説明します。
先ほどの事からお酢の酢酸に問題があると言えそうですが、酢酸には以下のような特徴があります。
酢酸の特徴
- 酢酸はお酢に4~5%含まれる、酸っぱさの元になる成分
- 2%水溶液でpH3の酸性を示す
- pHが高めのアルカリ性に近い水で中和可能
順番に見て行くと酢酸は強い酸性を持ち、純度が96~98%以上の「氷酢酸」と呼ばれる物は消防法により「危険物」指定されていますが、お酢に含まれているのは多くて5%です。
続く2%水溶液でpH2~3の酸性を示すという事も合わせて考えても、胃の中の胃液がpH1~2ととても強い酸性を持つことからそれ以上に強い酢酸をお酢を飲むことで摂取するのは殆ど現実的な量ではありません。
また通常は唾液がpH7であり、酸性中和効果が出てくると言われるph6の牛乳やお茶以上に高く、胃の粘膜機能がちゃんと働いているならお酢を飲むと言うよりも、大量に直接流し込まなければ胃がお酢で出血するほどの危険はまずありません。
以上の事から全く関係がないとまでは言えないのですが、お酢の飲みすぎで胃が出血するというのは直接の原因となることは滅多にないといえるでしょう。
お酢の飲みすぎで出血して胃に穴が開くと言う話についてのまとめ
最後にお酢の飲みすぎで出血して胃に穴が開くと言う話についてのまとめを書かせていただきます。
お酢の飲みすぎで出血して胃に穴が開くと言う話についてのまとめ
- お酢には酢酸が含まれている
- 酢酸は強い酸性のあるものだがお酢には5%ほどしか含まれてはいない
- お酢以上に出血して胃に穴が開く危険のある要因の方が多い
という事が言えます。
その為、お酢の飲みすぎで胃に穴が開く危険はあるのか?
と言う質問に対しては、『まずお酢の飲みすぎで胃が出血する危険はない』と言えます。
胃の出血に関して言うなら、お酢の飲みすぎ以上に胃の粘膜への影響のあるストレスや寝不足などの不規則な生活習慣、お酒の飲みすぎや極度の油の摂取などの食習慣にこそ気をつけましょう。