一口にローリエと言っても、人によっては「ローレルじゃない?」「ベイリーブスとも言うよ」という人がいたり、お店によって「ローリエ」と書いてあるもの「ローレル」とも書いてあったり…。
いざ料理に使おうとして買いに行ったはいいもののすっかりわからなくなってしまい混乱してしまったということはありませんか?
でも、大丈夫です。そんなあなたの疑問にお答えしたいと思います。
ローリエとローレルは同じもの
「月桂樹の葉を乾かしたもの」をフランス語ではローリエ、スペイン語ではローレルと外国語の違いによって言い方が変わるため名前が違うのであって同じもののことです。英語ではベイリーブスという情報がありますが、これはどうやら違うようです。
月桂樹とは?
クスノキ科の常緑高木で、地中海沿岸産。雌雄異株。葉に芳香があり古代から用いられていました。
古代ギリシャやローマ時代からアポロンの聖樹として神聖な木として崇められていました。
古代ギリシャでは葉のついた若枝を編んで「月桂冠」として、勝利と栄光のシンボルとして勝者や優秀な人達の頭に冠としてかぶせました。
日本に入ってきたのは明治時代で、庭木としても全国に広まっていきました。
食品会社による表記の違いについて
スパイスを販売しているので有名な会社はいくつかありますが、日本で販売されいる代表的な二つのメーカーの表記に違いがあります。
- ハウス食品→ローリエ
- SB食品→ローレル
として販売されています。使用されているのはどちらも月桂樹の葉です。
ローリエ・ローレルとは違うベイリーフ
よくローリエ・ローレルと同じように思われているベイリーフというのは違うものですので注意が必要です。
ベイリーフ
葉脈が縦になっています。主にインド産で「カシア」という樹の葉を乾燥させたもの。
インド料理に使用され、クミンとの相性が良い。油に香りをつける「テンパリング」に主に使用します。油で炒めたあとはそのまま最後まで入れたままで煮込むことが多いです。
スープや煮込み料理にはミスマッチです。
ローリエ・ローレル
葉脈は枝分かれになっています。いわゆる普通の葉っぱです。
主にトルコ産で月桂樹の葉を乾燥させたもの。
スープや煮込み料理、肉や魚の臭い消し、あるいは料理の香りづけに使用されトマト料理との相性が良いと言われておりイタリア料理をはじめいろいろな料理に幅広く使用されています。
パウダータイプに加工されたものは、ロールキャベツやハンバーグのひき肉に少量ねりこんで使用してください。
このような特徴から、ローリエ・ローレルはベイリーフの代わりとして使用してもOKなのですが、ベイリーフをローリエ・ローレルのかわりに使用するには少々主張が強くて向かないと言われています。
同じローリエ・ローレルなのに違う?
前記しましたように、ベイリーフとローリエ・ローレルはもともとの使用されている葉からして違うものなのですが、メーカーによっては表記の混乱がいまだにあるようです。
実際にネットの情報でもローリエの英語表記がベイリーフだと書かれているところが多いですよね…。
その香りは「別物?」とまで感じる場合もあるようですので、そんな時はベイリーフの表記をローリエ・ローレルとなって売られている可能性が高いので実際に目で見て「葉脈」の違いをチェックしてみてくださいね。
おわりに
ローリエとローレルは言葉の違いだけで、月桂樹の葉を乾燥させたものを指すこと、月桂樹は日本語名だということなどおわかりいただけたでしょうか?
ベイリーフに関してはこの記事を書くために詳しく調べるまではローリエや月桂樹の英語読みだと思い込んでいました。
違いをきちんと知って使用するとお料理の美味しさがさらに引き出されますよね。