ニラは独特の臭いがあるものの食感が良く、高い栄養価を誇り、一年中手にはいる野菜でもありますが、乾燥にも水分にも弱い繊細な意外と保存が利かない野菜。
そんな弱い野菜ですから常温での保存はもちろん、冷蔵庫で保存するにしても長持ちさせるためにはちょっとしたコツを覚えておく必要がありますし、本気で長持ちさせたいのならば冷凍庫で保存するのが1番なのですが、美味しく食べるためにはこの場合も覚えておいて欲しい事があるのです。
そこで今回は、基礎的な保存方法と保存期間に加え、「ニラを美味しい状態にするためのコツ」などまでを解説した『ニラの保存方法と保存期間!日持ちさせる方法とは?』と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
ニラを長持ちさせる保存方法と保存期間
まずはニラの主な保存方法と保存期間をご紹介します。
- 常温で夏場で1日、冬場なら2日、冬場で処理をしても最大3日
- 冷蔵でそのままなら約3日、処理をすると最大10日
- 冷凍で最大1ヶ月
御覧の通り1週間以上の保存期間を期待できるのは冷蔵庫で適切な処理をした場合と冷凍庫で保存した場合です。
それはつまりそれだけ弱い野菜と言うことでして、買ったその次点で結構日数が経過している可能性も考慮し、冷凍庫での保存以外なら処理をしても出来るだけ早く食べることをオススメします。
また悪くなっているものに関しては、ほぼ確実といっても良いほどお腹を壊しますので、最後にご紹介します【どうなったら悪くなっているのか?】の部分を参考にして、他の野菜以上に少しでも異常を感じたら食べないようにしたほうが良いです。
そうした特徴も踏まえ続いて、詳しいそれぞれの保管方法について御説明します。
ニラを常温で保存する場合
ニラは冬が旬である野菜だけに最適な保存温度が0~5℃とかなり低く、乾燥にも弱いので、夏は温度の問題で、冬は湿度の問題で常温保存するのは極力控えたほうが良いです。
それでももしどうしても常温保存したいと言う場合には夏場・梅雨時以外なら以下の方法をしておくと多少は長持ちさせられます。
- 「茎」の部分をしっかりと湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包む
- ビニールやポリ袋に「立てて入れ」しっかりと密閉する
- 直射日光が当たらないような出来るだけ涼しい場所で保存
特に気にして欲しいのは出来るだけ冷暗所で保存することと葉っぱには余り水分をつけないようにすること。
これはニラに限ったことではなく、葉野菜全般に関して言えることなのですが、乾燥に弱いだけでなく過剰な水分にも弱く、葉の部分に水分が付着した状態ですと他のは野菜以上にすぐ変色し、葉が溶け出しやすくなりかえって寿命を早めるからです。
また立てて保存すると言うのもちょっとした延命のコツ。
これも葉野菜共通のことなのですが、寝かせておくと上に伸びようという植物所以の働きで、無駄に成長のために栄養を使い、無理な成長のさせ方が原因で傷み易くもなるので可能な限り立てて保存する方が望ましいです。
しかしこれだけ気をつけたとしても冷暗所で保存したとしても常温では3日以上はまず持ちませんのでやはりあまりニラの常温保存はオススメできません。
ニラを冷蔵庫で保存する場合
ニラの保存方法はやはり冷蔵庫が基本となります。
冷蔵庫で保存する時も【常温で保存する場合】と同じ方法で大体3~5日の保存が可能になります。
それよりも若干延命効果は落ちますがより簡単なのは、完全密封状態にして立てて保存する方法。
完全密封状態にすることで酸素が減り、二酸化炭素の量が増え、ニラの呼吸が抑制されある程度新鮮な状態に保てるそうです。
とは言えこれらではまず1週間は持ちませんから、これ以上の保存期間を冷蔵庫での保存で確保するなら次の方法がオススメ。
- ニラを洗い、3等分ぐらいの長さに切る
- タッパーや瓶、またはジップ付きの袋に入れる
- その中に水をひたひたになるくらいまで入れ、密封する
- 2日に1度中の水を交換する
この方法ならば最大で10日間の保存期間が確保できます。
とは言えこの方法ですとニラが悪くなることは防げますが、水溶性のビタミンなどが水に解けて流れて出て言ってしまうデメリットはあります。
その為やはりニラをある程度異常保存するためには冷凍保存をするのが一番です。
ニラを冷凍で保存する場合
ニラを1週間以上美味しく食べられるように保存するなら冷凍庫での保存1択です。
ニラを冷凍保存する方法は以下の通りで簡単に出来ます。
- 水洗いして水気をキッチンペーパーなどでしっかりと取る
- 使いやすい大きさにカット
- フリーザーバッグに入れ、出来るだけ空気を抜いて保存
事前に火を通したりなどの処理は殆どなく、ただ水分をしっかりと取るのがポイントなので他の葉野菜を美味しく冷凍保存する方法に比べて簡単です。
注意点としては解凍しないで使うこと。
ニラは不溶性の食物繊維が非常に多く、他の葉野菜よりも冷凍した時に食感が落ちにくいとは言え、解凍する時に細胞が壊れ水分が大量に出てしまうのには変わりなく、解凍した後で火を通そうとするとベシャベシャになってしまいます。
また解凍無しで使うために冷凍する前の水分は本当にしっかりととるようにしないと、余計な水分を一緒に料理に入れることになりますし、冷凍している間に洗った時の水でニラとニラがくっついてしまうので、満遍なく火を入れる頃にはニラがベシャベシャの残骸みたいになりますので注意。
炒めるにしても、煮込むにしても冷凍したものを美味しく使うのにはここが本当に大事ですので覚えておいてください。
以上がニラのそれぞれの基本的な保存方法のコツと保存期間です。
では主な保存方法と保存期間のご紹介を終えたところで、次はそれ以外の保存に関わることついてご紹介させていただきます。
ニラを美味しい状態にするためのポイント
ニラを美味しい状態にするためのポイントをここではご紹介していくのですが、先に具体的に何を持ってこの記事で「美味しい状態」と言うのかをご紹介します。
それが以下の3つ
- 臭いがきつすぎない(ニラの臭いが周りに付かない)
- 食感がシャキシャキしている
- 栄養価が高い(旨味成分が多い)
なので、このそれぞれの状態にするために効果的なポイントご紹介して行きます。
臭いがきつすぎない状態にするための保存方法のコツ
ニラの臭いの元は「アリシン」と言うものでして、臭いを抑制したいならこの成分をどうにかする必要があります。
これに効果的なのは酢酸やクエン酸、つまりお酢やレモン汁です。
その為保存する前に水に少量のお酢やレモン汁を混ぜたものに暫く付けたり、これにつけた状態で冷蔵庫で保存するとある程度の臭いの抑制が出来ます。
お酢については食品の保存期間を伸ばすためにも良く使われてもおり、変色を防ぐ効果もあるので尚オススメです。
食感がシャキシャキしている状態にするための保存方法のコツ
ニラの美味しさの1つである食感が良いこと。
この特徴は、ニラの食物繊維が豊富なことだけでなく、中に閉じ込めている水分の量にもその理由があり、この水分が保存している間になくなるのが食感が失われる理由でもあります。
詳しく説明しますと、基本的に野菜の中に水分があればあるほど細胞がパンパンになっており、これに歯が当たり、細胞の壁を破る感触が歯ざわりとなるので、水分がたくさん含まれている状態が食感が良く感じるわけです。
その為ニラの中の水分を保つことが食感を良くし続けるためにも大事なのですが、逆の発想で中に水分を入れて食感を戻すと言う方法もあります。
その方法は50℃前後のお湯に暫くつけること。
これをすると細胞の壁にある水分が出て行く穴を広げ、逆に中に水分を送り込むことが出来、食感を取り戻せると言うわけです。
なので50℃前後のお湯に暫く付けてから保存したり、保存したニラを50℃前後のお湯に暫く付けてから調理することでニラの食感がある程度良くできると言うわけです。
ニラを栄養価が高い状態にするための保存方法のコツ
ニラは栄養価が高いことで知られていますが、ニラの栄養価はβカロテン、ビタミンCなどの水溶性ビタミンやカルシウム、カリウムなどの水に溶けやすい成分が多いのです。
それはつまり、ここまでニラの保存方法で紹介してきた中の多くの方法ではニラの栄養素が結構失われてしまうと言うことで、栄養や旨味の観点から見ると殆どの保存方法は適していないとも言えるのです。
しかし冷凍庫での保存でしたら大丈夫。
冷蔵庫での保存の場合確かに保存することで細胞が壊れ、中の水分と一緒に栄養が出て行ってしまいやすくはありますが、その水分ごと料理するので無駄になることがなく、すぐ火が入る関係もあり中の水分を逃がしにくくもあるからです。
その為栄養価や臭い、旨味を保ちつつ保存するなら、冷凍保存こそをオススメします。
最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。
ニラはどうなったら悪くなっているのか?
悪くなったことが分かるポイント
- 葉っぱが黄色っぽくなる、萎びてくる
- 濡れていないのに全体的に触ると湿っぽい
- 葉が溶けている
- ニラの臭いが非常に強くなっている
しかしこれ以上進んで濡らしていない部分も湿っぽいと感じたらもうすぐに葉が溶け始める段階。
葉が溶け始めたり、ニラ独特のあの臭いが密封されているのにしてきたらもう食べないほうがいいです。