【管理栄養士監修】びわの長持ち保存方法と保存期間!日持ちさせる方法とは?

びわは初夏の比較的短い時期だけ生の美味しさが味わえる果物であり、中々その美味しさを長持ちさせるのが難しい果物です。

しかしその一方で冷蔵庫や冷凍庫がなかった時代から長持ちさせる保存方法が確立していた果物でもあり、保存方法の工夫次第では美味しく保存食にもすることが出来る果物でもあり、長持ちさせるコツを知ればその美味しさを保つことが出来る果物でもあるのです。

とは言えびわはりんごやみかんなどに比べればもちろんのこと、数ある古くから日本にある果物の中でもそこまでメジャーなものでもなく、そうした美味しさを保つ保存方法のコツについて知らない人も今では多いかと思います。

そこで今回はそんなびわの保存について多くの方に知ってもらいたいと思い、基礎的な保存方法と保存期間に加え「保存食として保存する場合」や「どうなったら悪くなっているのか?」などまでを解説した 『びわの長持ち保存方法と保存期間!日持ちさせる方法とは?』 と言う記事を書かせていただきました。

少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。

びわを長持ちさせる保存方法と保存期間

まずはびわの主な保存方法と保存期間をご紹介します。

  • 常温で最短で半日、最長で5日
  • 冷蔵庫で最短で1日、最長で5日
  • 冷凍庫で大体1ヶ月

御覧のようにびわは冷蔵庫で保存しても常温保存した場合と同じぐらいしか長持ちしませんし、更には冷蔵庫で保存した場合は味が大きく劣化してしまう特性があり、冷凍する以外では調理なしには長持ちさせるのは難しいです

しかしそれでも長持ちするびわの見分け方や、長持ちさせる保存方法のコツを知っているのと知らないのとでは、2日近く保存出来る期間に違いが出るので少しでも美味しく長持ちさせるためにびわの保存についてのポイントを抑えておいたほうが良いです。

長持ちするびわの見分け方については後ほどご紹介する「どうなったら悪くなっているのか?」の所で一緒にご紹介させていただきます。

そんなびわの詳しいそれぞれの保存方法のこつや大体の保存期間については以下の通りです。

常温保存する場合

びわの旬の時期は基本的には5月中旬から6月下旬に旬を迎える果物で、夏に旬を迎える野菜や果物に比べ最適保存温度は5℃から15℃とやや低めであり、最適な湿度が90%とかなり高い果物

現在では品種改良された早生種のものやハウス栽培のものなどもあるので今では実際の所、3月中旬から7月半ばぐらいでも手に入れることは可能です。

そのため基本的に生で美味しく食べたいのなら常温保存が基本的におすすめです

とは言え現在のびわの旬を迎える時期の日本の平均気温を考えると温度が高過ぎるところがありますし、びわの果肉が非常に弱いことからただ常温でおいておけば長持ちすると言うこともなく、以下のような保存方法をしなければ最短で半日ほどで悪くなってしまうこともあります。

  1. 強く掴んだり、ぶつけたりして変色した場所がないかチェック
  2. なければ一つ一つ新聞紙やキッチンペーパーで弛めに包む
  3. 霧吹きなどで軽く湿らせ冷暗所で保存

びわの保存において注意するべきは冷えと乾燥、直射日光など色々ありますが、まずは傷む原因に最もなりやすいぶつけたりして出来た凹みや変色などをチェックしてください。

この次点で少しでも傷やへこみ、変色などがあるものは半日持たずその部分からダメになることもあるので、そうしたものは直ぐに食べてしまうか後ほどご紹介する冷凍保存か保存食用に加工してしまうほうが得策です。

また高い湿度が保てるほうが長持ちする果物ではありますが、直接びわを濡らしてしまうとそれはそれで傷みやすくなる原因なので、このように間接的に周辺の湿度を保つことをおすすめします。

とは言えここまでしなくともただ冷暗所で買ってきたまま保存するだけでも20℃ぐらいの温度の中でなら大体2日ほど長持ちすることはありますので、ここまでするのはめんどくさいという方は傷やへこみ、変色などのチェックをしたらそのまま冷暗所で保存するのでも構いません

また基本的に熟しきった状態でびわは販売されていて、ぶつけたり落としたりだけでなく指で少し強めに押したり、強めに掴んだだけでもその部分から傷みやすくなるので、取り扱う時に出来るだけ優しく扱うことも大事です。

しかしどうしても室内の温度が高過ぎるなどで家の中にどこにも常温でびわを保存するのに適した冷暗所がなかったりした場合は、味は落ちますが次にご紹介する冷蔵庫の方が保存場所としてはオススメです。

冷蔵庫で保管する場合

10℃ぐらいでも低温障害を起こし早く傷んでしまう程冷気に弱く、乾燥することで水分と一緒に旨みや風味が損なわれてしまう関係上、冷蔵庫で保存するのはあまりおすすめできないのですが、平均気温が20℃を超えてしまうような状況では流石に冷蔵庫での保存をおすすめします

気温が高過ぎるわけではないが、冷たいびわが食べたいと言う場合も本当に冷蔵庫で保存すると味がかなり劣化するので出来れば食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やすことをおすすめします。

そんな冷蔵庫で保存する場合のおすすめの方法は以下の通り

  1. 水分の付着やぶつけたりで変色した場所がないかチェック
  2. なければ一つ一つ新聞紙に優しく包む
  3. ビニールやポリ袋、あるいはラップで外気に触れないように包む
  4. 出来るだけ他の物と当たらないように野菜室で保存

基本的には上記の【常温保存する場合】のおすすめの保存方法と同じなのですが、冷蔵庫の方が冷えて乾燥しやすく、狭いので常温保存よりも注意するポイントが若干増えます。

とは言えこれだけのことに気を使っても長持ちして保存期間5日で食べられなくなることが多く、2日もすれば冷やしすぎにより味はかなり落ちてしまっていますので冷蔵庫で保存する場合は基本的にあまりおすすめできません

あくまで常温保存するには家の中全体が暑すぎるとか、何らかの常温保存したくない場合の手段だと思ってください。

冷凍庫で保管する場合

どうしても1週間以上の長期保存をしたい場合は生の時と同じようには食べられなくなってしまいますが、冷凍保存するのがおすすめ。

その場合の具体的な保存期間は大体1ヶ月と言った所です。

冷凍保存する場合はとても簡単で以下のようにすれば大丈夫です。

  1. びわを洗い表面についた水分を出来るだけ拭き取る
  2. ジップロックに入れ出来るだけ空気を抜く
  3. 冷凍庫で保存

食べる時は完全解凍してしまうと皮を剥いた時に中の果肉がぐちゃぐちゃになってしまいますので、半解凍状態でシャーベットのように食べる形になります

これ以外にも最初からジャムやジュース、あるいはゼリーの具などのように原型を留めないような調理をする場合でしたら皮を向いて種をとり、フリーザーバッグに入れた後、上から空気を抜きながら押し潰してから冷凍保存すると言う方法もあります。

どちらにしても生の時と同じようには食べられなくなりはしますが、駄目にしてしまって食べられなくなるよりは余程いいのでもし大量に手に入ったときなどはお試しください。

以上が主な保存方法と保存期間について言えることです。

それでは次はそれ以外のびわの保存についての知っておいていただきたいことをご紹介させていただきます。

保存食として保存する場合

びわの保存方法として保存食に加工して保存すると言う方法もあり、ジャムやコンポートならば冷蔵庫でも味を落とすことなく1週間、冷凍庫ならば1ヶ月間安心して保存しておくことが可能です

また冷凍することは不可能ですが、それ以外にもびわをゼリーで固めてしまっても冷蔵庫で1週間ほど保存することが出来ますし、梅酒の梅のように焼酎などのアルコール漬けにする保存方法だと常温でも1ヶ月ほど長持ちさせることが出来ます。

そんないくつかあるびわの保存食にする方法の中でも特におすすめなのは、1番簡単で保存期間が比較的長いシロップ漬け

作り方は簡単で以下の通り。

  1. 耐熱容器に水、砂糖とレモン汁を入れレンジで温め混ぜて溶かす
  2. びわの皮を向き、半分に切って種を出す
  3. 先程用意した耐熱容器の中に入れラップをかけて5分レンジアップ
  4. ラップを外し、湯気が全くでなくなるまでしっかりと冷ます
  5. 瓶などのしっかりと密閉できる煮沸消毒した容器に汁ごと入れて保存

分量の基本としましては水が大体びわと同量、びわ10個に対し砂糖大さじ2、レモン汁小さじ1程度ですが、好みに合わせて白ワインやはちみつを入れる方もいますし、砂糖やレモン汁の量もあくまで目安なので厳密に量を計ったりする必要はありません。

また剥くのに手間取ったり強く握りすぎると変色してしまうので注意です。

注意して欲しいポイントとしてはその他にカビ等の菌対策と酸化することでの腐敗対策で、しっかりと冷まし湯気を抜いたから保存しないといけないことと、保存容器を煮沸消毒することなどに気をつけてくだされば平均で冷蔵庫で1週間、冷凍庫でなら最大2ヶ月長持ちさせることが出来ます

そこまで大量にびわを手に入れない限りはわざわざ1週間を超えて長持ちさせようとはしないかもしれませんが、このシロップ漬けはシロップ漬けで美味しいので一度は少量でも作ってみてお試しいただきたいと思います。

それでは最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。

どうなったら悪くなっているのか?

悪くなったことが分かるポイントは以下の通り

  • 産毛が取れてしまう
  • ヘタの部分が軽く触って動くほど柔らかい
  • 萎びている
  • 茶色く変色

逆に言うと産毛とヘタの部分がしっかりとしていて、実にハリがあり、色が鮮やかで変色箇所が見られないものが長持ちします。

「萎びている」までの段階ならば食べられないことはないのですが、既にかなり味は落ちてしまって甘味も風味もなくなってしまっていることが多いです。一部分が茶色く変色しているだけならその部分だけ取り除いて食べることができますが、ぶつけたり強く圧迫したりしたわけでもなくその状態になってきたら腐り始めている証拠です。

この段階を超え、食べた時に酸味や渋みを強く感じたり、異臭がしたり、カビが表面や種の周辺に生えたらアウトですので絶対に食べないようにしてください。

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