そら豆は日本の初夏の代表的な味覚の1つで4月から6月にかけてスーパーなどでも良く目にする食材の1つ。
ですがご存知の方も多いかと思いますが、このそら豆と言う食べ物は保存方法や茹で方が意外と難しい食べ物でして、美味しく食べるためには、「コツ」と「慣れ」が必要です。
なにせ物凄く足の早い食べ物であり、収穫直後からすぐ味が落ち始めますし、さやから出せば直ぐに変色も始まるもので「新鮮だった物でもどんな保存方法をしても3日もすれば全く別物」と言われるほどの食べ物ですし、火が通りやすいのに火を通しすぎると味や香り、見た目などが悲惨なことになる食べ物です。
その為保存方法はもちろんのこと、茹で方やゆで時間についても知識がなければ、そら豆と言うのは「あんまり美味しくない食べ物」だと思いこんでしまっている人も意外といるのです。
そこで今回はそんなそら豆を美味しく食べるためについての「常温・冷蔵庫・冷凍庫のどの保存方法が良いのか?」と「そら豆を茹でる時のポイント」を解説した『そら豆の保存方法は冷凍がベスト!最高の茹で方とゆで時間とは?』と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
そら豆を長持ちさせる保存方法と保存期間
こちらではそら豆を常温・冷蔵庫・冷凍庫それぞれで保存した時の大体の保存期間とそれぞれの環境での保存するコツを簡単にご紹介します。
まずそれぞれの保存期間についてを先にまとめますと以下の通り。
- 常温だと最短で1日、最長で3日
- 冷蔵庫だと最短で1日、最長で5日
- 冷凍庫で最大1ヶ月
御覧のようにそら豆は常温保存ではもちろんのこと、冷蔵庫で保存したとしても決して長持ちするとは言えません。
また更に保存している間に劣化するのが非常に早く、例え1日食べるのが遅くなっただけで味や香り、食感などが大幅に悪くなることも多く、そもそも収穫後に保存するのに向いてはいません。
その為1週間以上長持ちさせたい場合、あるいは少しでも美味しい状態を長持ちさせたいと言うのであればそら豆の保存は冷凍庫ですることをおすすめします。
しかし冷凍庫で保存できないような時だってあるでしょうし、それ以外の環境で少しでも長持ちさせられる保存方法が全くないと言うわけでもございませんのでここから先はそうした特徴も踏まえ、詳しいそれぞれの保存方法についてのコツを御説明します。
そら豆を常温で保存する場合
そら豆を常温保存すると言うのは基本的にはおすすめ出来ません。
それと言うのもそら豆の最適な保存温度は0℃と初夏に旬を迎える野菜の中では圧倒的に低い温度であるからでして、手に入る時期からして常温保存ではこの点がまずクリアできないからです。
しかしどうしても常温保存しないといけない場合でしたら以下の方法をとることで僅かながら長持ちさせることが出来ます。
- 新聞紙やキッチンペーパーでさやごと包む
- ビニールやポリ袋などに入れ口を軽く縛る
- 風通しの良い冷暗所にて保存
そら豆は直射日光はもちろんのこと、乾燥にも湿気にも弱く、このように出来るだけ涼しいところで外気に触れないようにしてあげるのが長持ちさせるためのせめてもの対応策です。
以上の保存方法で保存してもそら豆は常温では収穫してから大体3日、買ってくると大体既に1日以上は経過しておりますので、手に入ってからは2日ぐらいしか持ちません。
その為繰り返しになりますが、そら豆の常温保存は基本的におすすめできません。
そら豆を冷蔵庫で保存する場合
そら豆を冷凍せずに保存するならば冷蔵庫で保存した方がいくらかはマシです。
とは言え冷蔵庫で保存しても長持ちして5日と言ったところであり、常温保存と同じく保存期間が長くなればなるほど劣化するために、やはりベストな保存方法とは言えません。
しかしそれでも当然常温保存するよりは圧倒的にマシなので、冷凍庫で保存することが出来ない時に冷蔵庫で保存する時は以下の方法をお試しください。
- 新聞紙やキッチンペーパーでさやごと包む
- ジップロックなど密閉できる容器に入れる
- 周囲の物で圧迫されないように冷蔵庫で保存
最適保存温度の関係上、冷蔵庫ですと常温よりも多少は長持ちしますが、冷蔵庫の中はかなり乾燥しやすい環境ですので乾燥対策はしっかりとした上で保存してください。
またそら豆自体はそこまでやわらかいものでこそありませんが、さやに切れ込みや傷が入るとそこから早く劣化してしまうので、冷蔵庫に入れる時は他に一緒に入れる内容物で潰れてしまったり圧迫で傷がつかないようにだけは注意してください。
以上のことに気をつけまして冷蔵庫で保存してもそら豆は長持ちしても5日と言ったところですし、当然長く保存すればするほど美味しくなくなってしまいます。
その為冷蔵庫で保存した場合でもせめて2・3日以内には食べてしまうことをおすすめします。
そら豆を冷凍で保存する場合
豆類は冷凍してしまうと食感や香りが悪くなってしまうため本来はあまり冷凍保存はおすすめされないのですが、そら豆に関しては劣化が極端に早いので直ぐ食べないのであれば冷凍保存こそがおすすめです。
とは言え買ってきたものをただ冷凍庫に入れれば良いというものでもなく、少しでも美味しい状態で食べるためには以下のように冷凍する必要があります。
まず生のまま保存するならば以下の方法がオススメ。
- 1つづつさやごとアルミホイルで巻く
- 重ならないようにジップロックに入れる
- 出来るだけ空気を抜いて冷凍庫で保存
如何に急速に冷やし凍らせることができるかと、乾燥や冷凍焼けなどを防ぐ為直接外気に触れないようにするかが重要でして、このように保存するのがオススメ。
この冷凍方法の場合はある程度自然解凍させてから、やや火を通す時間を短めにするつもりで調理して使ってください。
生ではなく、茹でたものを冷凍する場合は以下の方法がオススメ。
- 水1リットルに対し、塩大さじ2、酒100ccを鍋に入れお湯を沸かす
(そら豆の茹でる量にもよりますが、大体豆に対して倍の量のお湯を沸かすことをおすすめします) - さやから豆を取り出し、皮に切り目を入れる
(これをしておかないと解凍する時に電子レンジを使うので破裂する恐れがあります) - 沸騰したお湯にそら豆を入れ1分茹でる
- ざるで水をしっかりと切り、ペーパーでふき取り、うちわなどで軽く乾かしながら粗熱をとる
- ジップロックに入れ出来るだけ空気を抜いて冷凍
こちらの場合は電子レンジで解凍し、そのまま食べることが出来ます。
ただ茹でたものをおやつやおつまみに食べると言うのならばこちらのほうが解凍する時間も早く、調理もいらないのでオススメですが、食べる時にやや水っぽくなってしまうデメリットがあります。
では続いてはそら豆を美味しく食べるためのもうひとつのポイントである茹で方やゆで時間についてをご紹介させていただきます。
そら豆を茹でる時のポイント
こちらではそら豆をおいしく食べるためのもうひとつのポイントである茹で方やゆで時間についてをご紹介させていただきます。
まずそら豆を茹でる時の最初の分岐点は「さやごと茹でるか」、「さやから出して茹でるか」にあります。
この違いがどうでてくるのかと言いますと以下の通りです。
さやごと茹でる場合
メリット
- 香りや旨味などが逃げない
- 豆にしわがよりにくい
- 大量に茹でる時でも慌てて茹でる必要がない
デメリット
- 茹でるにはかなり大きな鍋が必要
- 茹で時間がやや長い
さやから出して茹でる場合
メリット
- そこまで大きな鍋は必要ない
- 茹で時間が早く済む
デメリット
- 豆にしわがよりやすい
- 茹で時間が少しでも長いと不味くなりやすい
- 茹でる前の下拵えが多く、沢山茹でる時はさやから出したあとの豆の変色がありえる
それぞれ御覧のようなメリット・デメリットがあり、もちろんさやごと茹でる方が基本的にオススメですが、どちらでも駄目と言うことはありませんので、ご家庭の都合に合わせて調理していただけたらと思います。
具体的なそれぞれのおすすめ調理方法は以下の通り
さやごと茹でる場合
- 水1リットルに対し、塩大さじ3、酒100ccを鍋に入れお湯を沸かす
(そら豆の茹でる量にもよりますが、大体豆に対して倍の量のお湯を沸かすことをおすすめします) - さやごと豆を投入
- 2分ほど茹で、火を消してそのまま鍋の中に5分ほど放置
- 5分後鍋から引き上げてザルやかごにおいて粗熱をとる
- 食べる直前にさやから出し、軽く塩を振る
さやから出して茹でる場合
- 水1リットルに対し、塩大さじ2、酒100ccを鍋に入れお湯を沸かす
(そら豆の茹でる量にもよりますが、大体豆に対して倍の量のお湯を沸かすことをおすすめします) - さやから豆を取り出し、黒い筋に沿い切り目を入れる
- 沸騰したお湯にそら豆を入れ2~3分茹でる
- ざるで水をしっかりと切り、うちわなどで軽く乾かしながら粗熱をとる
豆だけを茹でた場合については特にそうなのですが、茹で過ぎたり茹で上がった後水に晒してしまったりすると水っぽくなり色も悪くなってしまいやすいので、茹で時間と冷ます時は注意です。