料理に酸味を加え、殺菌作用もあるお酢。スーパーの棚にもいろいろな種類のお酢が並んでいます。
米酢、りんご酢、黒酢など、どのお酢をどのように使えばいいのか迷ってしまいますね。
そんな方のために『酢の種類の違いとは?』使い分けについてなど、ご紹介していきたいと思います。
さまざまなお酢の種類によってそれぞれ風味に違いがあるんですよ。どのお酢でも同じでしょ?なんて思っていた方は是非チェックしてみてくださいね。
お酢の種類にはどんなものがあるの?
ひとくちにお酢、といってもいろいろな種類のお酢があります。
お酢の原料や、作り方で種類が規格によって決められているんです。
穀物酢
主に穀物を原料として作られるお酢の種類です。米を原料にして作られる米酢や黒酢、麦やコーンなどの穀物を原料にした穀物酢などがあります。
果実酢
主に果物を原料として作られるお酢の種類です。りんごから作られるりんご酢、ぶどうを原料として作られるワインビネガーやバルサミコ酢などがあります。
この2種類が、醸造酢と呼ばれるもので、ほとんどのお酢がこの中に含まれます。
そのほかには沖縄県で使われる、酢酸を水で薄めて砂糖などで味を調えた合成酢、というものもあります。
お酢は種類によって味や香りが違いますが、これだけ原料に違いがあるからなんですね。
それぞれのお酢の違い
「ウチの冷蔵庫には、すし酢が入っているけどこれは醸造酢ではないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
すし酢は、米酢などの穀物酢に砂糖などで味を調えてあるお酢で、ご飯に混ぜるだけでカンタンにすし飯を作れるようにしてあるものなんです。
すし酢は調味酢、合わせ酢などと呼ばれる調味料のひとつです。合わせ酢には二杯酢、三杯酢、土佐酢や甘酢などがあります。
どれもお酢に砂糖や醤油などで用途に合わせて味を調えて作られるもので、自分で合わせ酢を作ることもできます。
お酢に醤油や砂糖などで味を調えた二杯酢や三杯酢は主に酢の物の味付けとして、お酢に砂糖や塩を加えた甘酢は野菜を漬けて甘酢漬けを作るのに使われることが多いです。
お酢を使い分けよう
三杯酢や甘酢などの合わせ酢は、それぞれ味を整えて使い分けられていますが、米酢やりんご酢などはどう使い分ければ良いのでしょうか。
穀物酢の使い分け
米酢はほかの穀物で作られた穀物酢よりも、お米の甘味で風味がまろやかなのが特徴で、すし酢や三杯酢など合わせ酢を作るときのベースにもよく使われるお酢です。
同じお米から作られるお酢でも黒酢は甘味とコクが強いので、酢豚など黒酢の風味を生かした料理の味付けに使われます。
最近は黒酢に多く含まれるアミノ酸などの健康効果を狙って、ヨーグルトなどで割ってドリンクにする方も多いかもしれませんね。
麦やコーンなどから作られた穀物酢はさっぱりとした風味で、値段も安く手に入りやすいので、和洋いろいろな料理の味付けなどに使えます。
果実酢の使い分け
りんご酢などのフルーツで作られた果実酢はやはり原料が持つフルーティーな風味が特徴です。
りんご酢はドレッシングにしたり野菜を漬けてピクルスにすると、りんごのさわやかな風味が引き立ちますよ。
ワインビネガーは、ぶどうから醸造したワインをさらにお酢にしたもので、赤ワインビネガーと白ワインビネガーに分かれます。
赤ワインビネガーは赤みがかった色あいでコクがあり煮込み料理などの隠し味やソースに、白ワインビネガーはさっぱりとした独特の酸味が特徴でドレッシングなどによく使われます。
最後にバルサミコ酢は、ぶどうから作られたお酢を熟成させて作られる濃い茶色のお酢で、独特の風味と香りをもちます。
イタリア料理に使われることが多く、サラダのドレッシングや肉料理のソースをはじめ、デザートに用いられることもあります。
バルサミコ酢をバニラアイスに少しかけるだけでも、独特の風味がバニラアイスをワンランク上の味にしてくれるので一度試してみてくださいね。
また、ワインビネガーが手元にないときの代用としてはほとんどの場合穀物酢でもOKですが、逆に穀物酢がないときの代用にりんご酢やワインビネガーなどの果実酢を使う場合は、独特のフルーティーさが料理の味の邪魔にならないかを考えてから使うことをオススメします。