醤油の種類の違いと特徴!塩分濃度や用途ごとの使い分けとは?

醤油は日本を代表する調味料であり、日本人なら使ったことがないと言う方はいないでしょうし、どんなご家庭にもほぼ必ずあると言って良い調味料。

ですが醤油の種類ごとの塩分濃度を初めとするそれぞれの特徴や、どんな用途に使うならどの醤油が良いなどの種類の違いによる使い分けまでとなると日本人でもあまり詳しい人は多いと言えません。

例えば醤油はその特徴や製法から実は5つも種類があると言うことご存知でしょうか?

そんなそれぞれの種類が違う醤油は具体的には一体何が違うのかや、どんな用途にどの種類が適しているかをご存知でしょうか?

ここまで来ると「普通に料理は毎日している!」と言う方でもまず知らない方が多いでしょうし、むしろほとんどの方は同じ醤油をどんな時にも使い分けることなく使っているものです。

ですが、ありふれていて一般的な調味料である醤油だからこそ、それぞれの特徴とその違いを把握し、用途による使い分けをすることで料理の美味しさを1段上げる要因となるものでして、醤油の使い分けを出来るかどうか1つで意外と違いが出るものです。

そこで今回は『醤油の種類の違いと特徴!塩分濃度や用途ごとの使い分けとは?』と言う記事を書かせていただきました。

日本人にとって身近過ぎるぐらいの醤油と言う調味料についての種類の違いと特徴について興味はございませんでしょうか?

醤油の特徴で分けた分類

まず始めに醤油の種類にはどんなものがあるのか御紹介させていただきます。

  • 濃口醤油(こいくちしょうゆ)
  •  淡口醤油(うすくちしょうゆ)
  • 再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)
  • 溜醤油(たまりしょうゆ)
  • 白醤油(しろしょうゆ)

基本的に上記の5つに醤油はjas規格により分けられていて、それぞれが異なる特徴を持っています。

それぞれの醤油の特徴については以下の通り。

濃口醤油

生産される全醤油の80%以上を占めている醤油であり、所謂「普通の醤油」と言われる醤油。

その為当然全国各地で生産されていますし、調理する時にも完成した料理にかける時にも汎用的に使える万能性があります。

色、香り、塩分濃度などどれもやはりこの醤油こそがスタンダードな物とされており、他の醤油の特徴は基本的にこの「濃口醤油と比べて」と言う形で表現されます

淡口醤油

全体の生産量の13%ほどを占める醤油で色や香りが抑えてあるのが特徴です。

名前からして誤解されがちですが色を淡くするために塩分濃度を高くして発酵を抑えたり、火入れ温度を低くするなどの工夫により生産されているので実は「薄口」とは言うものの塩分濃度は濃口醤油よりも高いです

主に関西地方で多く使われていた醤油であり、まだ比較的汎用的に使える方の醤油ですからこの醤油をどんな時にも使うというご家庭もあるでしょう。

しかしより正確に特徴を活かそうとするならば素材の持ち味を生かす調理との相性が良く、濃口醤油よりも色がつくのを抑えたい炊き込む料理や煮物に適していますが、香りも濃口醤油と比べると少なく、青魚や脂身の多い肉など臭いの強い物、油の強い物などのクセを中和する力は劣ります

その他にも焼けた醤油の香りがしてこそ美味しいと感じやすい焼き物、濃い色合いの見た目が良いという甘味を主とした味付けの煮物などにはあまり相性が良くなく、汁物や野菜類だけの調理の時などさっぱりした料理を作る時には濃口醤油よりも相性が良いです。

再仕込み醤油

全体の生産量で言うと1%ほどの醤油であり、地域によっては「甘露醤油」や「さしみ醤油」と呼ばれている濃口醤油と比べても更に濃厚なのが特徴の醤油。

このあたりから濃口醤油の代わりとして使うと料理を失敗させてしまうこともあるので使う量に注意です

塩分濃度こそそこまで変わらないのですが色、味、香りは濃口醤油以上に濃厚で醤油独特のクセも強く、一度出来上がった生醤油に、再び麹をいれて二度仕込んだ醸造法で作られるため、その分原料と時間のかかるのでややお高め。

調理する時の味付けで使うと醤油単体の旨味が強すぎて素材の旨味が生かしにくく、素材を活かしたい料理のと相性があんまり良くありませんし、かなり色が濃いために彩(いろどり)を鮮やかにしたい料理とも相性が良くはありません

しかし油の強い肉や魚との相性が良く、生に近い状態の肉や魚、あるいは揚げ物を食べる時につけたりかけたりする時などに真価を発揮します

ある程度人の好みにもよりますが、ケチャップでは甘すぎる、ウスターソースでは酸味がありすぎると思うような時に代わりとして料理に使うのに適しており、カレーやデミグラスソースを使うような料理の隠し味などにも向いています。

溜醤油

再仕込み醤油よりは全体の生産量で言うなら割合が高く2%ほどの割合を占める醤油なのですが、全国的な消費量では劣ると言うちょっと変わった醤油。

それと言うのもこの醤油は東海地域を中心につくられており、その地域の方にとっては一般的ではあるものの、他の地方では見たこともないと言うことも多い醤油だからです。

特徴としては色が濃く、とろ味があって非常にうま味が強く、独特な香りがあることがあげられまして、醤油をベースにした別のソースのように感じる人もいるほど。

普段の醤油が濃口醤油や淡口醤油である人ならば代用として使うにはかなり量の加減が必要で、別の調味料として扱った方が良いほどです

とにかく味も香りも濃厚ですから味噌と同じぐらいに素材の臭いや味のクセがあるものを中和する力があり、更に加熱すると赤みがかった綺麗な色がつくので、照り焼きや肉の煮込み料理、佃煮などの濃い色と香りが食欲をそそる料理に使うのに向いた醤油です

生卵や納豆といった「単体でご飯を食べる食品」との相性も良く、白米をガッツリと食べるのが大好きだと言う方には1度試していただきたいです。

白醤油

全体の生産量では最も少なく1%を切っているのですが、最近は醤油の一種としてではなく出汁を加えて別の調味料として売り出されていることが多く、目にする機会も増えた醤油。

その名の通り白いと言うか、琥珀(こはく)色の透明な色こそが最も特徴的であり、一見しても醤油だとは思えない見た目をしております。

また味や香りも他の醤油とはかなり異なり、大豆ではなく小麦が主原料と言う特徴から他の醤油とは全く違う非常に淡白な味と香りも特徴

ですが旨味や香りが非常に少ないため、淡口醤油以上に青魚や脂身の多い肉など臭いの強い物、油の強い物などのクセを中和する力は劣りますし、醤油特有の焼けた時の香ばしい独特の香りもほぼないです

極端な話をすると「液体の塩」と思って使うと使いやすく、色の淡さと独特の香りを生かした吸い物や茶碗蒸しなどの料理におすすめの他、水で薄めただけのものに麺類をつけて物凄くさっぱりと食べたりすることも出来ます。

以上が5種類の醤油それぞれの特徴であり、おすすめの使い方です。

もちろんそれ以外の使い方をしてはいけないと言うこともありませんが、それぞれの醤油の特徴を抑えてあわせた使い方をすることでより料理を美味しくすることが出来ますので参考にしてみて下さい。

醤油それぞれの塩分濃度

健康のために塩分を気にする方にとっては醤油は意外と危険な物で、醤油の塩分濃度について誤解している人は意外と多いです。

そこでここではそれぞれの醤油の塩分濃度に関してご紹介させていただきます。

格醤油の塩分濃度は以下の通り。

  • 濃口醤油(こいくちしょうゆ)
    16~17%
  • 淡口醤油(うすくちしょうゆ)
    17~19%
  • 再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)
    14~16%
  • 溜醤油(たまりしょうゆ)
    15~17%
  • 白醤油(しろしょうゆ)
    17~18%

御覧のように一般的に塩分濃度が最も高いのは淡口醤油で、意外なことに再仕込み醤油が最も平均的に塩分濃度が低いです。

とは言えこれはあくまでも含有する塩分濃度の話であり、どれが一番しょっぱいか?の話となるとまた少々異なってきます

それと言うのも醤油にはうま味や甘味、苦味、酸味など様々な他の味を感じる要素含まれており、何より見た目による先入観が働きますので、塩味だけを舌が感じとるわけではないからです。

その為総合的に多くの人が「味が濃い」と感じやすいのはやはり溜醤油であり、塩分濃度は低いのに淡口醤油よりもしょっぱいように感じる人も多いです。

どの醤油も実は結構塩分濃度は高いのですが、その中でも淡口醤油、白醤油は高めですので健康に気を使う方は特に注意してください。

逆に見た目が薄いから、味がさっぱりしているからと言うだけで塩分濃度が低いわけではないということでもありまして、思わず塩分を取りすぎてしまうこともありえると言うこと。殆どの人が体に悪いと思うほどしょっぱい海水でも塩分濃度は実は約3.5%しかなく、醤油はその4倍以上も高い塩分濃度があると言うことは知っておいて欲しいと思います。

醤油の種類ごとのおすすめ用途別早見表

最後に醤油の種類ごとのおすすめの用途別の一覧表を載せさせていただきます。

出来上がった料理にかけるのにおすすめ

  • 濃口醤油
  • 淡口醤油
  • 再仕込み醤油

刺身など生で肉や魚を食べるのにおすすめ

  • 濃口醤油
  •  再仕込み醤油
  •  溜醤油

濃い目の味付けの煮物を作る時の味付けにおすすめ

  • 濃口醤油
  • 再仕込み醤油

素材の味を生かす煮物、炊き込みにおすすめ

  • 淡口醤油
  • 白醤油

臭いや油の強い物を中和するのにおすすめ

  • 濃口醤油
  • 再仕込み醤油
  • 溜醤油

和風の焼き物を作るのにおすすめ

  • 濃口醤油
  • 再仕込み醤油
  • 溜醤油

汁物を作る時におすすめ

  • 濃口醤油
  • 淡口醤油
  • 白醤油

洋風の料理に合わせるのにおすすめ

  • 淡口醤油
  • 再仕込み醤油
  • 白醤油

繰り返しになってしまいますが、ここでご紹介している醤油以外の種類の醤油を使ってはいけないと言うことはありませんし、個人の好みに合う合わないはあると思いますが、それぞれの醤油の特徴を活かす使い方として参考にしていただければ幸いです。

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