料理の「さしすせそ」聞いたことはあっても正しく覚えている人は案外少ないかもしれませんね。
料理(特に和食)の味付けになる5つの調味料の種類を、またそれらを使う時の順序をおぼえるための語呂合わせのことです。
「さしすせそ」の順番で調味料を加えて料理をつくることでおいしくなると言われているのですが、それにはちゃんと科学的根拠や意味があるのでまとめてみたいと思います。
さしすせその意味
- 砂糖(さとう)
- 塩(しお)
- 酢(す)
- 醤油(せうゆ 正しい字音仮名遣いは「しゃうゆ」)
- 味噌(み「そ」)
となっています。さしす…まではなんとなく言える人でも「せ」が醤油「そ」が味噌というのはおぼろげだったりしませんか?
では順番に説明していきたいと思います。
砂糖
甘い味は分子が大きくて浸透するのに時間がかかるので砂糖は※浸透圧が低いということから先に入れた方が良いのです。
もし、塩や醤油を先にいれてしまうと食材に甘みが付きにくくなってしまいます。
※ちなみに浸透圧とはここでは調味料の具材へのしみこみやすさを指しています。
塩
分子が小さいため浸透圧が高く、食材から水分を呼び出すため、煮汁の味を決める初期に入れます。
砂糖の前に入れると砂糖の味が食材に入らなくなりますので砂糖の後に入れましょう。
酢
酢は早く入れすぎると酸味が飛んでしまいます。調理進行を見計らって入れましょう。
塩以上に食材に味がしみいるのを妨害するため、塩よりもあとに入れましょう。
醤油・味噌
醤油も味噌も「風味を楽しむもの」ですので料理の仕上がりに入れてください。
せっかくの香りを飛ばさないように一番最後か数回に分けていれるのも良いでしょう。
酒はいつ入れるのか?
料理には酒も欠かせない調味料ですのでいつ入れるのか?という疑問も多いと思います。
また、さしすせその「さ」は酒の「さ」としてとらえても良いそうです。
アルコールによる臭み消しと食材の味付けを促進させることから、料理酒、本みりんなどの酒類を入れる場合は砂糖よりも早く最初に入れ、「みりん風調味料」は酒ではないので味噌や醤油より遅い最後に入れてください。
照りを付けたい場合には醤油と同じくらいのタイミングで入れると効果が出ます。
さしすせその化学的な意味と効能
砂糖
- 素材を柔らかくする。
- 材料に甘みを付ける
- 照りを出す
- 臭みを取る
- 酸化・腐敗を防ぐ
(糖分や塩分の高い食品が腐敗しにくいのは、浸透圧によるものです。
細菌が取り付いて繁殖しようとしても、自信の細胞から水分が追い出され、死滅してしまったり非常に遅い速度でしか繁殖できないからです。)
塩
- ミネラル補給
- 余分な水分が抜けてうまみが凝縮する
- 臭みを取る
酢
- 殺菌効果
- アクを取る
- 血液をサラサラにする効果があります。
- 酸性に傾いた血液をアルカリ性に改善。血液浄化作用。クエン酸サイクル。
- 消化を助ける
醤油
- 食欲増進
- 殺菌効果
うまみ成分であるアミノ酸と糖は空気に触れると化学反応を起こし黒っぽくなったり香がなくなったりするので収納庫やシンク下などには保管せず冷蔵庫に入れましょう。
味噌
- 体内の酸化予防
- がん予防
- 疲労回復
- 腸内環境の改善
おわりに
調味料のさしすせそについて意味や順番についておわかりいただけたでしょうか?
料理の「さしすせそ」はあくまでも原則としてです。
魚などの生臭さを取るために味噌や醤油で煮込んだり、炒め物では合わせ調味料にして最後にさっと絡めたりと調理や素材しだいで調味料の使い方も変わります。
格調味料それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
また、これは余談になりますが「家事のさしすせそ」というのもありまして「裁縫・躾・炊事・洗濯・掃除」だそうです。