マンゴーは南国フルーツの中でも比較的メジャーな物であり、手ごろな値段で手に入る物から高級品まで色々な種類が最近は簡単に手に入るようになった果物。
しかし流石に同じ南国のフルーツであるバナナやパイナップルほど日本の一般的な家庭で食べられる歴史がなく、大体の置いておける保存期間や長持ちさせるための保存方法のコツ、最適な保存温度などを知っている人はまだまだ多くないでしょう。
更に言うならば中には生のフルーツだからと言って常温ではなく、冷蔵庫で保存してしまう人もいるでしょうし、冷凍するとどうなるのかを知らない人だって沢山いることでしょう。
ですがマンゴーは食べる時期や保存の仕方1つで美味しさが大きく変わる果物でして、こうしたことを知らないでいると折角手に入ったマンゴーが勿体無いことになることも多いのです。
そこで今回はマンゴーの保存についての「美味しい状態にするための保存と長持ちさせるための保存の違い」や「常温・冷蔵庫・冷凍庫のどの保存方法が良いのか?」から「切ったマンゴーは保存できるのか?」などまでを解説した『マンゴーの保存方法と保存期間!日持ちさせる方法とは?』と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
美味しい状態にするための保存と長持ちさせるための保存の違い
まず最初にマンゴーの保存に関して知っておいて欲しいこととして「マンゴーは基本的にまだ食べごろではない状態で出荷される」と言うことが挙げられます。
これは食べごろである熟しきった状態からではマンゴーは2日もてば長持ちしたと言えるほどに足が早く、とても売り物として扱いにくいからであり、基本的に熟しきる前に収穫されるからです。
そのため殆どのマンゴーは買って来て直ぐ食べてもあまり美味しくないことが多く、20℃~24℃ぐらいの温度で新聞紙に包み、日の当たらない場所で追熟させた方が遥かに美味しく食べることができるので買って来たら直ぐ冷蔵庫と言うのはNG。
まず買ってきたマンゴーは以下のような状態になるまで追熟させることをおすすめします。
- 皮の色が濃くなってきた
- 傍にあるだけで甘い香りがする
- 表面に艶が出てきて、触ると少々ペタペタする
- 軽く圧すと凹みそうなほど柔らかい
(実際に凹ませようとするほど圧すとそこから傷むので注意)
しかしこの追熟させるのに適した温度が長持ちさせるのに適した温度であるかと言うと、それはまた違います。
では一体最適な長持ちさせるための保存温度は何度なのかと言いますと、追熟させるのに適した温度よりかなり下がって10~15℃。
多くの野菜や果物が保存に適した温度が10℃以下ですからそれに比べるとまだまだ高いのですが、追熟に適した温度よりは低いことに変わりなく、熟しきってからも暫く保存したいのならば、保存方法を変える必要があるのでこのことは忘れないようにしましょう。
以上のことを踏まえた上で、では長持ちさせるのに適した保存方法は何かや、一般家庭においての基本的な保存環境と言えます常温・冷蔵庫・冷凍庫それぞれでを保存する時のコツをご紹介していきます。
マンゴーの主な保存方法のコツと保存期間
こちらではマンゴーの常温・冷蔵庫・冷凍庫それぞれでの保存方法のコツと保存期間を簡単にご紹介します。
まずそれぞれの保存期間についてを先にまとめますと以下の通り。
- 常温だと最短で2日、最長で10日
- 冷蔵庫だと最短で3日、最長で6日
- 冷凍庫で最大1ヶ月
御覧のようにマンゴーの保存可能な期間の最短と最長の間にはかなり開きがあります。
これは基本的にマンゴーは熟しきっていない状態で収穫されることが多いのですが、国内産の物の中にはすでに熟した状態で販売されているものがあるからでして、追熟させるだけの期間が必要ないものがあるからです。
その為買ってきたマンゴーがもし上記にあるような熟しきった特徴がある場合は最短の保存期間を参考にしてください。
また既にご紹介しましたように最適な長持ちさせるための保存温度は10~15℃であるため、冷蔵庫に入れると冷えすぎてしまう上に乾燥しているのでかえって長持ちしませんし、追熟させることが出来ないだけでなく、低温障害・冷蔵やけを起こす可能性もあり、冷たくして食べたい場合でも冷蔵庫に長時間入れておくのはあまりおすすめできません。
そして冷凍する場合は長持ちさせることは可能ですが、元の状態で食べることは不可能になると言う大きなデメリットがあるのでこの点も覚えて置いてください。
そうした特徴も踏まえ、続いて詳しいそれぞれの保存方法についてのコツを御説明します。
マンゴーを常温で保存する場合
マンゴーを保存するなら基本的には常温保存をおすすめします。
既に詳しいことは上記の文章でご紹介しているようにマンゴーは買ってきたらまず追熟させた方が良いですし、保存温度も冷蔵庫の中では低過ぎるからです。
ですがそんな常温保存する時も追熟させたいのか、長持ちさせたいのかで最適な保存方法が若干変わります。
まず追熟させる時の場合は以下の点に注意。
- 最適保存温度は20℃から24℃
- 直射日光は避ける
- 風通しの良い場所に置く
- くしゃくしゃにした新聞紙で包む
意外と大事なこととして覚えておいて欲しいのはくしゃくしゃにした新聞紙で包むこと。
乾燥や過剰な湿気対策のためでもありますが、熟し始めてくるとマンゴーは非常に柔らかくなり自重でつぶれて傷むことがあるのですが、こうしておくとクッションの役割も果たしてくれるので傷みにくくすることができます。
長持ちさせたい時の場合は以下の点に注意。
- 最適保存温度は10~15℃
- 直射日光は避ける
- くしゃくしゃにした新聞紙で包む
- ビニールやポリ袋に入れる
追熟させる時と変わるのは保存温度と保湿対策でして、長持ちさせたい場合には意識的に「涼しい場所」で保存することとなるべく外気に触れないようにすることを意識することをおすすめします。
追熟が終わってこのポイントに気を使って保存しますとだいたい3・4日長持ちさせることが出来ます。
その為追熟させる期間と合わせ、買ってきたマンゴーは常温保存で最大10日ほど保存することが可能です。
マンゴーを冷蔵庫で保存する場合
基本的に南国のフルーツであるマンゴーは最適保存温度の関係上冷蔵庫での保存はおすすめできません。
それと言うのも7℃以下で保存した場合はその後常温保存に戻しても追熟させることが出来ないだけでなく、低温障害・冷蔵やけを起こしますし、マンゴーがとても乾燥に弱いことから常温保存以上に長持ちしなくなることもあるからです。
しかし夏場や梅雨時など常温保存では長持ちさせるポイントを抑え切れない時期であれば、熟しきってしまったものを保存する時に限り確りとポイントを抑えれば、常温よりも数日長く保存することができますので、冷蔵庫で保存する時のポイントも一応ご紹介させていただきます。
冷蔵庫で保存する場合のポイントは以下の通り。
- 軽く湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包む
- ビニールやポリ袋に入れる
- 袋に入れたものを更にくしゃくしゃにした新聞紙で包む
- 野菜室で保存
御覧のように乾燥対策と冷え過ぎ対策が一番重要です。
またその他にも熟して柔らかくなったマンゴーを野菜室に入れる関係上、他の中身で潰れないように注意も必要ですし、臭い移りや植物の成長を早めるエチレンガスにも注意しないと長持ちさせることは出来ません。
その為余程熟した後少しでも長持ちさせたいと言うのでなければ、冷たいマンゴーが食べたい場合でも食べる2・3時間前に冷蔵庫に入れることをおすすめします。
マンゴーを冷凍で保存する場合
殆どどんな果物でも野菜でも長持ちさせたい時には冷凍してしまうのが1番ですが、マンゴーの場合一度冷凍してしまうと保存期間は1ヶ月ほど安心ですが、元の状態で食べることは不可能になると言う大きなデメリットがあります。
その為冷凍したマンゴーは原型を留めなくなってしまっても使えるようなジュースやスムージーにして食べるか、ほぼ凍ったままの状態でシャーベットとして食べるかしかなくなりますので予めそのつもりで冷凍してください。
それでも冷凍保存するという方は以下の方法をお試しください。
- 皮をむいて種を取る
- 果肉をサイコロ状などの一口大にカット
- ジップロックなど密閉できるものにできるだけ平たくして入れる
- 空気をできるだけ抜き冷凍庫で保存
以上が主な保存方法と保存期間について言えることです。
それでは次はそれ以外のマンゴーの保存についての知っておいていただきたいことをご紹介させていただきます。
切ったマンゴーの保存について
マンゴーはそこまで大きな果物でないため思わず切りすぎてしまうということは少ないかもしれませんが、一応こちらでは切った後のマンゴーはどのくらいの保存期間まで食べられるのかをご紹介させていただきます。
まず半分に切ったぐらいでしたら潰さないようにラップで包み、ジップロックやタッパーにいれ冷蔵庫で保存することで1・2日は持たせる事ができます。
正しあまり切れない包丁で切ったり種をとるのに失敗したりして切り口が潰れてしまった場合には半日でダメになることもありますので注意です。
しかしサイコロ状などの一口大にカットしたマンゴーはジップロックで密閉して冷蔵保存しても1日持たないことが多く、ここまで小さくしてしまったマンゴーは長持ちさせたいなら冷凍するかシロップ漬けや砂糖や水飴で煮込んでジャムにしてしまうしかありませんのでご注意ください。
では最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。
マンゴーはどうなったら悪くなっているのか?
悪くなったことが分かるポイント
- 皮の表面に黒い斑点やシワができる
- 種の周りが黒ずんでいる
- 果肉が茶色、または黒っぽく変色
- 異臭がする
またマンゴーも水分が多いフルーツなので熟しきった果肉が液状化する品種もありますが、この状態で味にまだ苦味や酸味がない場合はギリギリ食べることは可能です。
その状態を超えて果肉の変色、味や臭いの異常、あるいはカビが表面や種の周辺に生えたら完全にアウトですので絶対に食べないようにしてください。