パセリは昔は日本では「飾り付けの物であり、食べる物ではない」とまで言われていた野菜ですが、パセリの持つ健康に良い効果が知られるにつれて今では彩(いろどり)のため意外でパセリを購入している方もいると言う野菜。
しかし、そもそも古くからあまり家庭で買って使うような野菜ではなかったがために、保存期間を長持ちさせるための保存方法や保存する時の注意などを知らない人はいまだ多いです。
具体的には「自宅で水分を飛ばして乾燥保存することはできるのか?」や「生のパセリを冷凍した場合どうなるのか?」などをご存知の方は多くありませんし、もっと突っ込んだ「パセリを瑞々しい状態で保存するための最適な保存環境は?」などについては知っている人は殆どいないでしょう。
そこで今回はパセリの保存についての「パセリってそもそも食べるなのか?」から「常温・冷蔵庫・冷凍庫のどの保存方法が良いのか?」、「パセリの乾燥させての保存」などまでを解説した『パセリの長持ち保存方法と保存期間!乾燥や冷凍はどうなの?』と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
パセリってそもそも食べる物なのか?
まず最初にパセリの保存についての話をする前に、「パセリの主な用途は飾りつけなのだし家庭で買う必要があるのか?」と思っている方もまだ多いので、実はそうでもないと言う話からさせていただきます。
このパセリは春の七草のひとつである芹(セリ)の仲間でして、西洋では古くからその香りを楽しむための小さく千切るか刻んでサラダの具にされたりする野菜であり、煮込み料理の風味付けのために使われる香草類を数種類束ねた「ブーケガルニ」に使われたり、バターに刻んで入れ「パセリバター」にしたりするハーブの一種でして実は古くから食用として栽培されてきた物です。
またハーブとしてならともかく、野菜として食べるとなるとあの苦味や臭いこそがダメと言う人もいるかと思いますが、料理方法も中東地域の料理などですとかなりパセリを使ったレシピも色々あり、炒めたり煮たりするとあのパセリ特有のクセも穏やかになり意外と食べやすくなるので、思ったよりも野菜としても食べられます。
そして何よりパセリは実は野菜の中でも屈指の栄養素の種類と量とを持っているので、「健康のためにも実は食べた方が良いもの」であると言うことが言えます。
以上のことがパセリには言えますので、是非試しにご家庭でも購入してみて欲しいと思います。
しかしいざ買っても乾燥させた物ならばともかく、生のパセリは結構な量がまとまって売られているため、「どういう保存方法ならば一体どのくらいの保存期間おいて置ける物なのか?」が分からないと無駄にしてしまうこともあるでしょう。
と言うことで次からはパセリの保存についてのことをご紹介させていただきます。
パセリを長持ちさせる保存方法と保存期間
こちらではパセリの常温・冷蔵庫・冷凍庫それぞれでの保存方法のコツと保存期間を簡単にご紹介します。
まずそれぞれの保存期間についてを先にまとめますと以下の通り。
- 常温だと最短で2日、最長で5日
- 冷蔵庫だと最短4日、最長で2週間
- 冷凍庫で最大2ヶ月
御覧のように最短と最長でかなり開きはあるものの、概ね冷たい場所で保存した方が長持ちします。
なのでパセリは時期によっては常温でも保存できないこともないのですが、基本的には冷蔵庫で保存し、1ヶ月以上長持ちさせたい場合は冷凍庫で保存するのが1番です。
また保存する時は温度以外にもパセリの見た目を気にするならば水分の調整についても意外と大事であり、乾燥や湿らせ方次第でもキレイな状態で保存できる保存期間に違いが出ます。
しかしパセリは他の葉野菜とは違って冷凍庫で冷凍してみてもあまり変化がないメリットがあるので、純粋に食べる野菜として考えれば最初から冷凍してしまうと言うのも一つの手です。
そうした特徴も踏まえ、続いて詳しいそれぞれの保存方法についてのコツを御説明します。
パセリを常温で保存する場合
パセリは実は最適保存温度が低く0℃前後でないとあまり長持ちしない野菜であり、冬ならばともかくそれ以外の季節ですと常温保存では温かすぎるので、常温保存するよりは冷蔵庫に保存した方が良い野菜。
しかし最もパセリが弱いのは乾燥ぐらいであり、以下のような方法で乾燥対策さえすれば余程暑い中ではなければ2~3日は保存することは可能です。
パセリを常温で長持ちさせる保存方法
- 洗わずに新聞紙に包む
- 葉の部分が濡れないように茎の先だけを湿らせた新聞紙、またはキッチンペーパーで巻く
- ビニールかポリ袋に入れる
- 口をしっかりと閉じる
- 出来るだけ温度の低い冷暗所で保存
常温で保存する際には以上のようにすれば夏以外でしたら買ってきたパセリの鮮度にも寄りますが、最長で5日ぐらいは長持ちさせることが出来ます。
しかしとは言え最低でも毎日湿らせた新聞紙、またはキッチンペーパーを交換してやる必要がありますし、これだけの手間をかけるだけの効果のほどを考えるとやはりパセリは冷蔵庫で保存した方が良いでしょう。
パセリを冷蔵庫で保存する場合
パセリは乾燥に弱い野菜ですから冷蔵庫で保管する場合最短4日程でダメになってしまいますが、最適保存温度の0℃により近い温度で保存できるため、乾燥対策さえしっかり出来ていれば2週間ほど保存期間をおいても問題なく使えます。
またパセリは基本的に野菜室で保存する方が殆どだと思いますが、実は野菜室よりも冷蔵庫の方が冷えるのでそちらで保存したほうがより長持ちすることを覚えておくとパセリを無駄にしてしまうことがかなり減らせます。
冷蔵庫でパセリを長持ちさせる保存方法
- パセリの茎の根元を出来るだけ鋭い刃物で切る
- ペットボトルやコップにパセリの茎の先端部分だけつかるぐらいの水を入れる
- パセリの葉の部分に水がつかないように用意した容器に挿す
- 容器ごとビニール袋で覆い冷蔵庫で保存
- 2~3日に1度パセリの茎を切りなおし、更に水を交換
基本的には花を長持ちさせるための方法と似ていて、感覚的には「パセリの一輪挿し」を袋に入れて冷蔵庫に入れる感じです。
流石に乾燥に弱いとは言え濡らしすぎて葉の部分までびしょびしょに濡れてしまうとそこから腐ってしまうこともありますし、葉の部分からの水分の吸収は行えませんからそこまで過剰な水分は必要ありません。
もちろんパセリの葉に多少水分がついたからと言っても直ぐ腐るわけでもないので、そこまで気にしなくともいいのですが、敢えて濡らさないでもいいぐらいに思っておくと良いです。
一応鮮度がよければ2週間以上経ってもまだキレイな緑色を保てることもありますが、この方法でも基本的に2週間ほどでダメになることが多いですので、それ以上の保存期間を必要とする方は次の冷凍保存する方法を参考にしてください。
パセリを冷凍で保存する場合
パセリをそのまま野菜として食べるならともかく、彩としてやハーブとして利用するならば使いやすさ、安心して使える保存期間共に冷凍するのが1番です。
そんな冷凍するのにオススメの方法は以下の方法。
パセリを冷凍で長持ちさせる保存方法
- 洗ってから、水気を取る
- ジップロックに入れ「空気を抜かず」冷凍庫へ
- 凍ったら袋から一回出して小分けにする
- 小分けにしたら改めてタッパーやジップロックに入れる
- 出来るだけ「空気を抜いて」冷凍で保存
彩として使うにしても必ず振りかけて使うと言うのならば、小分けにすることなく再冷凍前に粉々に袋の上から手で砕いてから茎を抜き取り、再冷凍すると言う方法でも良いかと思います。
正しその場合立体的な盛り付けに使うことが出来なくなったり、野菜としては食べることが出来なくなるので、それは予め御了承ください。
以上が主な保存方法と保存期間について言えることです。
それでは次はそれ以外のパセリの保存についての知っておいていただきたいことをご紹介させていただきます。
パセリを乾燥させての保存方法
野菜として食べたりすることは出来なくなりますし、飾りつけとしても利用できなくはなりますが、パセリを単に彩として使うだけなら乾燥させて保存すると言う方法もあります。
そんな乾燥させてパセリを保存するやり方は以下の方法がオススメ。
- パセリを洗いしっかりと水気をふき取る
- 電子レンジにキッチンペーパーを敷く
- その上にパセリの葉を摘み取り出来るだけ重ならないように並べる
- 500wで3分程加熱
- 一度全体を混ぜ合わせ、ペーパーを交換し再び2分程加熱
- まだ乾ききっていないと感じたら湿り気を感じなくなるまで1分ずつ加熱する
- ある程度乾燥したら出来るだけ茎を取り外す
- ある程度の大きさまで砕くつもりで解し、キッチンペーパーで包む
- キッチンペーパーごと密閉できる入れ物や袋に入れ保存
ポイントはレンジアップし過ぎても酷いことになるので小刻みに加熱し水分を飛ばすようにすること。
ある程度ならば湿り気が残っていても冷蔵庫か冷凍庫で保存するならば大丈夫ですが、常温でおいておきたい場合はしっかりと乾燥させきったほうが長持ちします。
平均的に大丈夫な保存期間は常温で保存するならば5日、冷蔵庫で3週間、冷凍庫でなら3ヶ月と言った所です。
パセリはどうなったら悪くなっているのか?
最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。
悪くなったことが分かるポイント
- 黄色っぽく変色しぺしゃっとする
- パサパサして茶色い
- ぬめりがある
- 異臭がする
これ以降の変化であり「ぬめりがある」とかパセリ特有の臭いが強くなりすぎて「異臭がする」のじょうたいであったり、カビが生えたら絶対に食べないようにしましょう。