レシピ本や、お料理のサイトなとを見ていると、調味料の1つとして必ず存在する「酒」。
お料理をする際には、欠かせない調味料の1つとも言えますよね。
そこでふと思ったことがあります。
『料理酒と日本酒の違いは何だろう?』
『そして料理酒は日本酒のように飲むことに問題はないのだろうか?』
この気になる2点について、詳しくご説明させていただきますね。
料理酒と日本酒の違い
まず、料理酒とは料理にコクや旨味を加えるためのもので、そもそもお酒ではありません。なので、酒税がかからず、安価で購入することができます。
また、お酒ではないので、酒類販売免許を持たないお店(スーパー)などでの販売も可能になります。製造者の記載義務も当然ありません。
料理酒には、塩や酢、甘味料などが加えられている場合があります。
これは、料理の味を調えるためであることが理由の1つであり、もう1つは塩や、甘味料などを加えることで酒税法の日本酒の領域外の商品として販売することが可能な点にあります。
そして、料理酒に使われている原料のお米は、飲用の日本酒に比べて磨きが足りないこともあります。
料理酒としてのアルコール値にするために、アルコールを抑えられている点や、最近では宗教的にお酒が飲めない方々のために作られているアルコールなしの料理酒もあるようです。
そして、日本酒とは、米・麹・水を主な原料としている『お酒』です。
飲用を目的として作られているため、酸味や雑味が抑えられて作られています。
料理酒は飲むと美味しいの?
料理酒を飲むことは、問題はありません。
しかし、美味しくはありません。
そして、塩気が強いので、場合によっては体にも良いものではありません。
そもそも製造する際の目的が、料理酒は飲用ではないので、飲用して美味しくなるようには作られてはいないようです。
料理酒は調味料として
『魚などの生臭みを消す効果に優れている』
生臭みを消す有機酸が日本酒に比べて約20%多く含まれています。
『旨味成分が豊富』
深いコクと旨味を与えるコハク酸が日本酒に比べて約2倍多く含まれています。
それに対し、高級な飲用の日本酒は、生産の過程で、お米をたくさん削る工程があります。
これをすることによって、飲用としては雑味のない上品な味わいになります。
しかし料理用として使用する際に関しては、お米に含まれている“旨味成分”までも削られてしまっているため、不向きです。
一方、料理には『料理酒を使わなければならない』というわけでもないのです。
更にいうと、一般的に料理のレシピ本やサイトに記載されている『酒』というのは、料理酒のことではないです。
ではなにを指しているのか?それは、料理酒ではなく、『日本酒(清酒)』です。
なので、料理酒をレシピやサイトに載っている分量のまま使用すると、塩辛くなってしまうことがあります。
塩加減の調整が必要になってきます。
では、料理に使用する際におすすめの酒はなんでしょう?
それは、ずばり『料理用清酒』というものです。
料理用の清酒は、料理を美味しくすることにこだわって製造されたものです。
料理用清酒の使う際のポイントとは
調味料である、料理酒の効果にもあるように、素材の生臭みを消してくれる他、独特の甘み、コクを出してくれる効果が料理用の清酒にもあります。
例えばシンプルに、お吸い物を作る際、うどんの出汁を作る際などに、小さじ1程度の量の料理用清酒を入れてあげることにより、味が格段と変化します。
清酒がカツオの香りを抑えながらコクを出してくれたり、昆布のグルタミン酸の味を一層より引き立てる効果があるとされています。
そして、なによりおすすめなのが、炊き込みご飯に清酒を入れることです。
変にアルコール臭は全くせず、コク、そしてツヤを出してくれるのです。
量は先ほどと同じで小さじ1程度で十分です。
今度、ぜひ清酒を入れるのと、入れないのとで食べ比べをしてみてはいかがですか?
シンプルなものほど、違いがよく分かるようです。
さいごに
今回調べてみて、意外と知らないことだらけだった『酒』の種類、違い。
そして、目的のために製造方法が違い、『料理酒』『日本酒』共に、全く違うものなので、
お互い、少しの代用としては使用することができても、それぞれの良さがあることが改めて分かりました。