スキムミルク、または脱脂粉乳が子供に与える離乳食として危険だと言う話を聞いたことはありませんか?
保存性が高く、栄養価が牛乳よりも高いとされるスキムミルクですが、一部ではその安全性を疑問視したり、はっきりと危険だと言う声もあり、子供を持つ親からするとちょっと不安だと思う方もいると言います。
しかしその安全性に問題があるとされている理由は実はあまりちゃんと理解されていないことが多く、見当違いの代用品や警戒しなくても良いことを警戒していると言う人も中にはいるとのことです。
そこで今回はスキムミルクの安全性や危険性について色々と解説させていただく 『スキムミルクが危険と言われている理由とは?』 と言う記事を書かせていただきました。
意外と知らない人も多いスキムミルクの安全性や危険性について興味があったりはしませんか?
スキムミルクとは?
まずはそもそもスキムミルクとはどんなものなのかを簡単に説明させていただきます。
日本で言うスキムミルクとは所謂「脱脂粉乳」のことを指しており、「スキム」ミルクと言う名前の通り牛乳を放置しておくと上に浮いてくる脂肪分を牛乳から掬い取り、更にほとんど全ての水分まで除去して粉末状にしたもの。
その為当然保存性は非常に高く、脂肪分以外の栄養価も牛乳と同等かそれ以上のもので健康のためにこれを摂取していると言う方も結構います。
値段は比較的安価であり、牛乳以上ほど味と臭いにクセがないため、牛乳が苦手な方でもこれなら大丈夫と言う方も実は結構いらっしゃいますし、牛乳よりもこちらの方が口にあると言う方もいます。
またスキムミルクは牛乳から生成される過程で脂質を殆ど0にしているのに、「カルシウム」や「タンパク質」など体の基礎を作る栄養は豊富なのでダイエット中の方や筋力をつけたい方が愛飲していることもある栄養補給するための手段としては中々優秀な物です。
こうして聞くとスキムミルクは健康に気をつけている人や、これから体が出来てくる子供にオススメの物のように思えます。
では一体何故このスキムミルクは健康に良くないと言われているのでしょうか?
スキムミルクが危険と言われる理由
牛乳以上に体に良さそうなスキムミルクですが、安全性に疑問の声が上がっているのが現状です。
その理由は大きく分けると以下の2つ
- 原料自体の危険性
- 加工過程上での危険性
に分けることが出来ます。
「原料自体の危険性」と言うのはもっとはっきり言ってしまうと「牛乳の段階で安全性が確保できていない」と言う話であり、「加工過程上での危険性」と言うのは脂肪分・水分を除去する濃縮する過程で危険性が発生すると言う話です。
具体的にはどんな危険性があると言われているのかを詳しく説明すると以下の通り。
原料自体の危険性
スキムミルクは牛乳の加工品であるため、牛乳の安全性に問題があれば当然スキムミルクの安全性にも問題が出てくることになります。
では一体牛乳の何が問題なのかと言うと以下の3つの危険性が考えられると言われています。
- 飼料
- ホルモン剤
- 抗生物質
最初は飼料の危険性からご説明させていただきます。
牛乳を出す牛の飼料には乳牛を生育する上で最もベターである飼料とされる「アルファルファ」というものが大抵使われているのですが、このほとんどはアメリカの大規模農場で作られた遺伝子組み換え作物です。
しかも飼料にされるものは最初から人が食べるための物としては作られていないため、人が食べる物よりも管理が甘く、農薬や人工肥料もかなり使われているとまで言われていまして、それを食べた牛が出した牛乳がスキムミルクの原料となっているのです。
ましてや商品自体の値段を比べてみればすぐ分かるように、スキムミルクの原料となる牛乳は「そのまま飲むための牛乳」よりも安価で売買される「加工して使うこと前提の牛乳」であり、生産者も出来るだけ安くしようとしているために飼料についてまでこだわっていると言うケースは非常に稀で、スキムミルクの原料にその影響が出る可能性はないとは言えないと言われているのです。
続いての危険性としてあげたホルモン剤は牛が出す牛乳の量を増やすために使われる物であり、飼料以上に直接的に牛乳の危険性に関わってくる物です。
このホルモン剤は使うことで1頭の牛あたり最大で4割ほどの搾乳量の違いが出ると言うことで牛乳を大量生産する際には欠かせない物です。
しかし日本で認可されている物も実はEUのフランス、デンマークなどの酪農の品質に拘りが強い国では禁止されているのだそうです。
なぜならこのホルモン剤を継続的に使用することにより牛が感染症になり、結果乳房に炎症を起こし膿が出たりすることもありますし、乳がんや大腸がんのリスクを高める危険性もあります。
当然そうした牛からとった牛乳を飲みたいと思う人はまずいないわけであり、最後の危険性としてあげた抗生物質が使われるのです。
確かに抗生物質を打つことにより感染症を防いだりは出来るのですが、当然ホルモン剤を投与する限り継続的に投与しなくてはいけないのが問題で、大量に抗生物質を牛に使うことで牛乳に抗生物質の健康な体には良くない成分が混入したりすることもありますし、抗生物質を大量に使うことでそれに頼った体へと変化して行き免疫反応が弱まり、免疫力自体は低下していくとのことです。
以上の3つが原料自体の危険性があるとされる理由です。
加工過程上での危険性
加工過程上での危険性は大きく分けて以下の2つ。
1つは「牛乳に含まれた危険な物質を濃縮して摂取している」と言うこと。
スキムミルクは牛乳の構成成分から水分を殆ど飛ばして精製されているために、栄養分が濃縮され牛乳以上の栄養価があるのですが、それは「原料自体の危険性」でご紹介したような良くない成分などが含まれている場合、良くない成分も濃縮されているため多く摂取してしまうことになるのです。
そしてもう1つは「廃棄物と言っても良い様な物を使っている場合」が挙げられます。
前半の方でも軽く触れましたが、戦後から暫く日本で主に飲まれていたような他の加工品を作った後の残りのものを使って作られたスキムミルクと言うのは非常に美味しくないです。
とは言えマズイだけならば害とは言えません。
問題なのはバターや生クリームなどの牛乳を加工して作る他の食品を作っている側の人たちからすればこの残り物と言うのは言ってしまえば「廃棄物」なためかなり雑に扱われることが多く、品質管理が徹底されていないことがあるわけです。
私たちが「リサイクルするゴミ」と分かっていてもゴミはゴミだと思うように、自分たちが食品を作っていると言う高い意識がある人でも、それを「作った後の残るもの」にまでは同じだけの高い意識は持てないというのも仕方のないことです。
こうした理由からスキムミルクは加工過程上でも危険性があると言われてしまっているのです。
結局スキムミルクはどれほど危険な物なのか?
最後に記事のまとめとして結局スキムミルクは危険なのかどうかについて意見を述べさせていただきます。
結論としては「スキムミルクは同量飲んだ場合に関しては牛乳よりかはやや体を害するリスクが高い」と言うことが出来ます。
もちろんこれは継続して長期間飲み続けているとか、スキムミルクを毎日10リットル飲んでいるとか、お子様への離乳食として毎日毎食使うような場合になってくると今回ご紹介したような危険性から体を害する可能性は出てくると言う話です。
そもそもスキムミルクの危険性として挙げられる要因のうちいくつかは牛乳においても同じことが言えますし、「体への害」と総合的に見るならばスキムミルク以上に体に悪い食べ物や飲み物なんて世の中には結構あります。
正し「健康のために出来るだけたくさん飲むんだ」とか、小さなお子様に「体に良いから飲め」と言ったり「離乳食には毎回使う」と言うのはあまり良くない考え方ですので、こうしたリスクもスキムミルクにはあるのだとご理解していただければと思います。