じゃがいもは夏でも冬でも基本的には保存期間を気にせず使いきれるぐらいには長持ちする野菜ですが、大量に買ったりもらったりすると保存方法に気を配らないとダメにしてしまう事もある野菜。
しかも大概の野菜と違い冷蔵庫や冷凍庫に入れるよりも常温のほうが長持ちすることや、切った後のじゃがいもの長持ちさせられる保存方法を知らない人もいるでしょう。
まして農家の方ならともかく、芽が出た次点でどれほどダメになっているのか?土つきのほうが良いのか?新聞紙で包んでから袋に入れたほうが良いのか?などに至っては知らない人の方が多いでしょう。
そこで今回は、基礎的な保存方法と保存期間に加え、「切ってしまったじゃがいもの保存方法について」や「火を通したじゃがいもの保存について」などまでを解説した 『じゃがいもの保存方法と保存期間!日持ちさせる方法とは?』 と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
じゃがいもを長持ちさせる保存方法と保存期間
まずはじゃがいもの主な保存方法と保存期間をご紹介します。
- 常温でそのままなら夏場で2週間、冬場で3週間、保存方法によっては1ヶ月
- 冷蔵庫でそのままなら2・3日、処理をして最大3週間
- きちんと下処理をすれば冷凍で最大1ヶ月
御覧の通りじゃがいもは常温保存がベストです。
詳しいことは後ほど書かせていただきますが、寒さに強い野菜で暑さにもある程度耐えられますが、乾燥と水気には弱く、冷蔵庫と言う環境が合わないからです。
また冷凍するにしても下処理をしていなければ、解凍した時とても食べれたものではなくなってしまいますし、行う下処理のせいで調理に使える幅が極端に狭くなってしまう野菜ですから冷凍もオススメできません。
そうした特徴の説明もかねて続いて、詳しいそれぞれの保管方法について御説明します。
じゃがいもを常温で保存する場合
繰り返しになりますがやはりじゃがいもは常温保存がベストです。
その理由の1つはじゃがいもの最適保存温度が5~15℃とかなり幅広く、真夏でもなければ温度管理でダメにしてしまうことがないこと。
低温の維持が難しいから冷蔵庫は存在するわけで、そもそも低温で保存する必要がなければ冷蔵庫に入れる必要もないわけです。
またこの特徴は良いとも悪いとも言えるので詳しいことは下記の【冷蔵庫で保管する場合】で説明しますが、じゃがいものは5℃を下回ると含まれるデンプンが糖分へと変わり味と色が変わってしまうのも理由の1つ。
保存期間を長くしたり、栄養を維持する方法として冷凍したり乾燥させたりも他の野菜ですと有効なのですが、そうせずともあまり変わらず、料理に使える幅だけ減ることも理由として挙げられます。
他にもいくつか理由はあるのですが、じゃがいもはとにかく「常温保存で十分」だから常温保存がオススメなのです。
常温保存で十分と言われても万全を期しておきたいという方は以下のことを試してみてください
- しっかりと土をはらう
- 3つ・4つぐらいまとめて新聞紙で包む
- 紙袋に入れしっかりと口を縛り冷暗所で保存
どれもそこまで難しいことではないと思いますが、一応それぞれ説明させていただきます。
まず土をしっかりと払う理由は湿気対策にあります。
温度変化に弱いような野菜ですと土はついている方が良いぐらいなのですが、土は湿気を吸着し維持する土がついているとジャガイモは湿気に晒されやすく、腐りやすくなってしまうのでよく土をはらい保存しましょう。
「洗う」ではなく、「はらう」なのも同じくこの湿気対策です。
しかし新聞紙で包むのもこの湿気や逆に乾燥しすぎることを防ぐためにすることですからキッチリ1つ1つ包む必要はありませんし、紙袋でなくとも。ダンボール箱や麻袋などある程度通気性の良い入れ物にまとめて入れておけるのならばそれで大丈夫。
他に気をつけることは日光に当たっていると芽が出てきやすくなるので、日光が直接当たらないように気をつけることぐらいです。
このように他の野菜とは違って「長持ちさせる処理」と言うほどのことは特にありませんが、たったこれだけのことに注意するだけでも結構違うので覚えておいてください。
じゃがいもを冷蔵庫で保存する場合
冷蔵庫での保存にも、じゃがいもを5℃を下回る温度で保存していると含まれるデンプンが糖分へと変わり、甘くなると言うメリットはあります。
もちろんこの変化はじゃがいもが身を守るための変化であり、保存期間は短くなりますし、ホクホク感も薄れしっとりするので調理方法しだいではマイナスです。
むしろこのメリットを活かす為には調理方法を決め、2・3日前に冷蔵庫に常温から、袋に使う分だけ入れて口を開けた状態で入れる必要があるわけで、この期間が長すぎるとしわしわになり、美味しくなくなるのですからデメリットのほうが目立つかもしれません。
なので冷蔵庫で保存する時は、冷蔵庫で冷え過ぎないようにする事と乾燥対策が大事です。
それらを加味した冷蔵庫でじゃがいもを保存するオススメの方法が以下の通り
- 水洗いして1つ1つ新聞紙で包む
- 3・4個まとめてビニール袋に入れるか、ラップで包む
- それらを更にまとめてビニール袋などにいれ口を軽く結ぶ
- 3日に1度ぐらい様子を見て、乾いていたらしっかり目に水洗いして1つ1つ新聞紙で包む
はっきり言って常温で保存する場合に比べて冷蔵庫で長持ちさせる保存方法は手間で、更に湿らせ加減が過剰ですと今度は腐る危険性もあり、適度なところを見つけるまでに慣れがいります。
しかし日本の夏は食品を常温保存するのに温度よりも湿度が大敵ですから、あまりにも家の中の湿度が高くなるご家庭ですと冷蔵庫での保存の必要性が出てくると思いますので覚えておいて損はないです。
じゃがいもを冷凍庫で保存する場合
冷凍庫で保存するのは、じゃがいもが他の保存方法でも長持ちする野菜であるためにほぼメリットがありません。
むしろじゃがいもは冷凍することで含まれる多くの水分が凍ってしまい、解凍すると相当スカスカになってしまい、0℃以下で保存すると主成分のデンプンが破壊されるので食感、味が大きく落ちてしまいます。
これは生でも茹でた物でも同じでして、これらのデメリットを解決するにはじゃがいもを茹でた上で細かく潰してマッシュポテトにしてしまうしかありません。
そんな冷凍保存するための方法はこちら
- 竹串がすんなり通るまで茹でるもしくはレンジアップ
- 皮をむき、熱いうちにマッシャーなどでつぶす
- 粗熱をとって塊があれば出来るだけ潰す
- ジップ付の袋に入れるか、ラップで空気が入らないように包み、冷凍庫で保存
これならもう既にマッシュポテトになってしまっているために殆ど劣化しませんし、用途のほとんどがポテトサラダやコロッケに使うため、他の食材から出る水分や油と混ざってあまり気になりません。
以上のことがじゃがいものそれぞれの基本的な保存方法のコツと保存期間です。
では主な保存方法と保存期間のご紹介を終えたところで、次はそれ以外の保存に関わることついてご紹介させていただきます。
切ってしまったじゃがいもの保存方法について
じゃがいもは酸化しやすい野菜で、空気に触れると黒くなっていき、皮をむいただけでもあまり良くないのに、切ってしまうとなお保存期間が短くなります。
その為その酸化を少しでも遅らせることが重要です。
酸化させないようするに方法としてはラップでキッチリ包むことがまず思い浮かぶかと思いますが、じゃがいもの酸化はそれでは抑えられません。
ではどうしたら良いのかと言うと以下の方法がオススメです。
- 切ったじゃがいもをボールかタッパーに入れる
- ひたひたぐらいに水を張る
- 空気に触れないようにラップをしたり蓋をする
一応この状態ですと夏場でもなければ常温でもしばらくは大丈夫ですが、2日以上置くなら冷蔵庫に入れることをオススメします。
しかし水につけている間じゃがいもの栄養はどんどん水に流れでていってしまうため、食べるだけなら目安として4日、美味しさと栄養を考えると当日に食べることをオススメします。
火を通したじゃがいもの保存について
じゃがいもは国によっては主食にされるほどに結構なボリュームがある食べ物ですから火を通した後、特にある程度まとめて茹でてしまった後、多かったことに気がつくこともあるかと思います。
気にして欲しいのは火を通したじゃがいもの場合はただ切っただけものとは違い、見た目で劣化が分かりにくいのですが火を通すことでデンプンが壊れ、劣化する速度がかなり早くなっていること。
基本的にただ茹でただけでも冷蔵保存でおよそ4日、美味しく食べるのであれば当日~翌日と言ったところで、皮を向いてしまうと更に劣化が激しく、まずその日に食べるか、上記で紹介した冷凍してしまうのが無難です。
最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。
じゃがいもが悪くなった事が分かるポイント
- 芽が出てきた
- ところどころ緑色になっている
- 表面がシワシワになっている
- 中身が黒く変色している
芽が出てきたら、取り除くことで食べられますが、芽にはソラニンと言う熱を通しても壊れない意外と強めの毒が含まれていますので、じゃがいもを食べる際は、芽の部分はしっかりと取り除いてください。
またじゃがいもの緑色に変色した部分はこれから芽が出てくるところであり、芽と同じ毒がありますので食べる際は変色しているところを厚めに皮を剥いて使ってください。
当然こうした芽が出始めて来ると当然じゃがいもはそちらに栄養がとられていきますから、枯れてシワシワになっていきます。こうなってきたらもう美味しくないですし、じゃがいもの毒の成分のある所も誤って食べる可能性が高いので食べないほうが良いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。