肉じゃがは一度で大量に作った方が美味しい料理ですが、常温保存ではもちろんのこと、冷蔵庫でもその保存期間は決して長いものではなくすぐダメになってしまうもの。
その為夏はもちろんのこと、春でも冬でも作ってそのまま鍋ごとコンロの上においておくのは危険ですし、お弁当に入れたりするのも実は危険なのです。
そのため肉じゃががかなり早くダメになると言うことと、日持ちさせる方法とダメになった時の特徴ぐらいは知っておいて貰いたい料理と言えます。
そこで今回は肉じゃがの保存方法についてのコツや保存方法別の保存期間についてなどまでを解説した『肉じゃがの保存方法と保存期間!日持ちさせる方法とは?』と言う記事を書かせていただきました。
意外と知らない人も多い肉じゃがの保存について興味はございませんでしょうか?
何故肉じゃがは日持ちしないのか?
まずは簡単に「肉じゃがはどうして日持ちしないのか?」ということから説明させていただきます。
肉じゃがが日持ちしない1番の原因は食中毒を引き起こすウェルシュ菌と言う菌が繁殖しやすいことです。
このウェルシュ菌と言う菌は土や水、あるいは生物の体の中にまで幅広く生息している細菌なのですが、少量ではたいした害を及ぼすこともありませんし、酸素に弱いため本来ならそこまで気をつけるべきものでもありません。
しかし根菜や肉を大量に使う煮込み料理などをした場合は、元々の菌の総量が多くなり、鍋の中の酸素濃度が著しく低下しますので繁殖しやすくなるわけです。
最もこれが顕著なのはカレーやシチューでして、日本ではこれらにじゃがいもや玉ねぎが溶けた時以外のとろみをつけるため更に鍋の中の酸素濃度は低下し、より菌が繁殖しやすくなります。
肉じゃがはそんなカレーやシチューに比べればとろみを付けることはまずないためまだマシですが、材料と調理法は似通っており、やはり1度で2人以上の人間で食べきれないぐらいに大量に作る場合は、ウェルシュ菌の繁殖に注意が必要であるために日持ちさせるのが難しいのです。
このウェルシュ菌対策は結構難しく、5時間加熱調理しても死滅しきらないこともある菌であるだけでなく、50℃あたりから20℃の温度と繁殖しやすい温度の幅が広く、この菌を繁殖させないためには10℃以下にするか、逆に55℃以上に保たなければなりません。
その為ちゃんとした保存方法をとらない場合は保存期間が半日以下でダメになる場合もあるのです。
肉じゃがの保存方法別の保存期間
続いて肉じゃがを常温・冷蔵・冷凍で保存するおすすめの方法と大体の保存期間をご紹介します。
- 常温では夏場で4時間、冬でも2日
- 冷蔵庫では最大で3日
- 冷凍庫では最大で1ヶ月
御覧の通り冷蔵庫でも3日が限度であり、2日目以降も安全に食べたいと言うのならば冷凍するしかありません。
しかし肉じゃがほど冷凍するのに不向きな材料を使う料理も珍しく、冷凍する場合は味・食感など全てが大幅に劣化してしまいますので、肉じゃがとして美味しく食べることはまず不可能です。
その為肉じゃがが美味しく且つ安全に食べられる期間は最適な保存方法で保存しても完成してから保存期間3日が限度だと思ってください。
では次はそうした特徴も踏まえ続いて、それぞれの保管方法について御説明します。
常温で保存する場合
可能な限り常温で保存する事は避けたほうが望ましいですが、状況によってはどうしても常温保存しなくてはいけない状況もあると思うので出来るだけ長持ちさせるポイントをここではご紹介させていただきます。
- こまめに(2時間に1度ぐらい)中までしっかりと加熱する
- 加熱しながら満遍なく空気に触れさせることを意識して混ぜる
- 放置する前はできるだけ急速に冷やす
(冷えたら出来れば蓋はせず少しでも空気に触れるようにする)
基本的にどれも先程「何故肉じゃがは日持ちしないのか?」でご紹介したウェルシュ菌対策でして、基本はどれだけ菌が繁殖するような温度にしないかです。
夏場は更に高温多湿となるためカビにも注意しないといけませんので常温保存する場合は、3~4時間程度で出来てそのまま放置すればダメになることも多いです。
そのため夏場に少しでも日持ちさせる方法として、完成したら直ぐに鍋ごと一気に冷やし、日の当たらないクーラーの効いた部屋でそのまま鍋に入れた状態で保存し、2時間に1度ぐらいは中までしっかりと火を通すようにするぐらいはした方が良いです。
もちろんこれだけしても次の日まで持つかどうか微妙なラインですので、お弁当に入れるのはかなり危険ですし、春であろうと冬であろうと上記の少しでも長持ちさせるためのポイントが守れなかった状態で保存した肉じゃがを日付を超えて食べるのはあまりオススメできません。
そのため常温保存しないといけないぐらいならば、1度で全部食べきれる量を作るようにするのが正しい選択ではあります。
冷蔵庫で保存する場合
冷蔵庫で保存する場合も菌が繁殖するような温度に如何にしないかが保存のコツであることは変わりないのですが、10℃以下の温度に保つことが簡単な分、常温保存する場合よりも日持ちさせる方法であると言えます。
ただし冷蔵庫で保存する場合でも完成したものを少し冷めるまでそのまま置いたり、出来立ての温かいものを直ぐ冷蔵庫に入れたりすれば、肉じゃがの温度が下がるまでの間に菌が繁殖し腐りやすくなることには変わりなく、以下の方法をとってから保存するのがオススメ。
- 完成したら冷たい水に鍋ごとつけて掻き混ぜる
- 水がぬるくなったらまた水を張り直し、素手で触っても平気な温度にする
- タッパーなど密閉できる容器に移し替え冷蔵庫で保存
- 食べなくても1日に1度は鍋に移して中までしっかりと加熱する
冷ます時に水につけずにうちわなどや扇風機で冷ますと言うことも可能ですが、量によっては時間がかかり具がぐちゃぐちゃになってしまうこともあります。
注意点としては加熱するときはレンジではなく、鍋に移して空気を全体に触れさせるように温めること。
これをしないと一見ダメになっていなさそうな肉じゃがで食中毒になってしまうこともあるので、作った当日のものでなければ出来るだけそのように温めて食べることをオススメします。
冷凍庫で保存する場合
1番肉じゃがを日持ちさせる方法は冷凍してしまうことなのですが、既にご紹介したように味の点から見ると最もオススメできない方法でもあり、あまりオススメは出来ません。
もしそれでもしてみようと思う方は以下の通りがオススメ。
- 完成したら出来るだけ素早く冷ます
- こんにゃくやしらたきは取り除く
- 煮汁と具は別々にジップロックに入れる
(煮汁は極少量で十分です) - 出来るだけ空気を抜き、平らになるように冷凍庫で保存
このようにした上で、食べる前日に冷蔵庫に移し低温解凍した後に、煮汁と合わせて鍋でじっくりと温めると一応はまだマシに肉じゃがを食べることが出来ます。
しかしここまでしても大幅に味が劣化することには変わりなく、冷凍してしまうのならばいっそのこと冷凍前に全て具材を潰してしまい、解凍してからコロッケなどのアレンジ料理にした方が良いかも知れません。
以上が肉じゃがの保存方法と大体の保存期です。
最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。
どうなったら悪くなっているのか?
悪くなったことが分かるポイントは以下の通り
- 常温で放置6時間以上
- 酸味のある臭いがする
- カビが生えている
- 具材を持ち上げた時に糸を引く
- 辛味のあるものを入れていないのに舌がピリッとする
肉じゃがが悪くなっていないかどうかは基本的に以上のことを上から順番に確認するようにしていただけたらと思います。
カビか臭いは流石に多くの人が気がつくと思うのですが、それ以前に冬であっても常温で完全に放置して6時間も経ってしまうと結構な危険領域なのも覚えておいて欲しいと思います。
そして見た目や臭いに異常がなくとも下の二つ「具材を持ち上げた時に糸を引く」と「辛味のあるものを入れていないのに舌がピリッとする」の異常を感じた場合はもう腐っているので絶対に食べないようにしてください。
肉じゃがは本当に日持ちしないため、結構な確立で高齢の方や御子様の食中毒の原因ともなる料理ですので、その保存方法と保存期間には気を使ってあげて欲しいと思います。