「もやしには栄養がない」と言う話を聞いたことはありませんか?
他の野菜に比べて非常に安価であり、シャキシャキした歯ざわりが良く、味や臭いにもクセが少ないためどんな味付けの料理にも対応させることが出来るもやしですが、「ボリュームはあっても栄養素は含まれていない」とか「加熱したりする調理法次第では僅かにある効能さえもなくなる」なんて話もあります。
しかしそれは本当なのかと言いますと、実はそんなこともなく、もやしには人体に有用な栄養素が含まれており、火を通したとしてももやしに含まれている栄養素が全部なくなるということもありません。
ではどうしてもやしには栄養がないとか加熱してはいけないなどと言う話が存在しているのでしょうか?
今回はそんな以外と知られていないもやしについての本当のことをご紹介する『もやしが栄養ないと言われる理由とは?加熱などの調理法はNG?』と言う記事を書かせていただきました。
物凄く身近なのに意外と誤解されているもやしについての本当のことに興味はございませんでしょうか?
もやしに栄養がないと言われる理由
まず始めに「もやしには栄養がない」と言う話が本当なのかどうかについてご紹介します。
結論から言いまして、もやしには栄養がないなんてことはありません。
具体的にもやしにどんな栄養が含まれているかと言いますと次の通り。
- カルシウム
- カリウム
- マグネシウム
- リン
- ビタミンB1
- 葉酸
- ビタミンC
- 食物繊維
- モリブデン
- アスパラギン酸
御覧のようにもやしにも栄養素と呼ばれる物はちゃんと存在しております。
ではこれらの栄養の含有量が少ないのかと調べてみますと実は意外とそんなこともなく、栄養価のなさでギネスに乗るきゅうりと比べてももちろんのこと、健康のために食べることを良くおすすめされているキャベツと比べても「マグネシウム」・「リン」と言ったミネラル、「ビタミンB1」・「葉酸」と言ったビタミンB群そして「食物繊維」の含有量はもやしの方が同グラム数で上回っています。
このように確かに加熱すると失われやすい栄養素が多くはあるものの、もやしには確かに栄養はあるのです。
では何故もやしには栄養がないと言われているのかと言いますと、実は「もやしっ子」と言う言葉が原因のようです。
これがどういうことかを解説するにはまず「もやしっ子」とはどういう意味なのかを知ってもらう必要があります。
そもそも「もやしっ子」と言う表現が何故使われるようになったのかは諸説ありますし、厳密にどういう人を指す言葉なのかの定義ははっきりしたものではありませんが、一般的に「もやしっ子」とは、もやしの細長い見た目から連想した「細くて背が高い人物」とか、穀類の種子を光を当てずに発芽させると言う栽培方法からの「色白で体力のなさそうな人物」を指す言葉です。
当然これは侮蔑表現であり、主に相手を貶めるために使われる言葉でして、「もやしっ子=たいしたことがない相手」と言う意味合いがあり、更には「もやしっ子」と呼ばれる人の見た目の特徴から「栄養が足りていない」もしくは「健康状態が良くない」と言うことを連想し、「もやし=価値がない」と言う思い込みが生まれたようです。
この他にも「もやしっ子」が肉体が資本の現場で使われる際に「虚弱そうな人間が沢山いても一人分の価値がない」の意味を含んでおり、そこことが「嵩があっても安いもやしのようだ」と誤認されたり、もやしが安いことから「経済状態が悪い人が良く食べる物であり、栄養なんてたかが知れている」と言った悪い連想が働いていることも原因と考えることができます。
つまり単純に「もやしには栄養がない」と言うのは思い込みで始まった誤解であると言えるわけです。
そんな実は栄養素がちゃんと含まれているもやしですから、当然体に良い効果効能もあります。
もやしが持つ効果効能
ちゃんともやしにも栄養素が含まれていることが理解していただけたかと思いますので、こちらではもやしが持つ効果効能をご紹介します。
具体的なもやしの効果効能としては例えば以下のことがあげられます。
- 腸内環境の正常化
- 美肌効果
- 疲労回復効果
- 免疫力の向上
- 血流の正常化
- アンチエイジング
- ダイエット効果
どうしてこうしたことが言えるかと言いますと、まず食物繊維の働きである便秘の改善効果やコレステロールの吸収を抑制する効果、血糖値の上昇を緩やかにする効果が一番目を引きます。
その他にもデトックス効果で知られるカリウム、皮膚や粘膜を健康に保つ効果や免疫力の向上作用で知られるビタミンC、代謝や細胞の生まれ変わりに関わるビタミンB群も含まれているため、総合的に以上のような美容と健康への効果があると言えるわけです。
また一袋で大体35kcalで脂質0.2gと非常に低カロリー低脂肪ですし、タンパク質と炭水化物もそれぞれ4gと6gと食べた時のボリュームに反して非常に太り難いと言うのも魅力です。
ですが、もやしに含まれる栄養素からして、こうした健康への効果効能を得るためには調理方法に少々注意したい所があるので、続いてはそちらをご紹介させていただきます。
もやしのオススメ調理法
もやしは確かに栄養素を含んでおり、美容や健康に対しての効果効能がありますが、もやしの栄養素は調理法次第では失われやすいと言う弱点を持ちます。
その為もやしを調理する時は以下の点に注意することをおすすめします。
- ひげや豆などは取らない方が良い
- あまり長時間水に晒さない方が良い
- 加熱時間は短くした方が良い
1つずつ簡単にどうしてなのかを解説しますと以下のような理由があります。
ひげや豆などは取らない方が良い理由
もやしは美味しさを求めるだけならば、ひげと呼ばれる部分や大豆もやしなどの種類のものならば根元の部分にある豆など、所謂「もやしの本体」意外は取ってしまった方が食感も見た目もよくなるので、ちょっと高級なお店などでは調理する前に取ることもあります。
しかしこれらを完璧に取り除くには非常に時間がかかりますし、何よりこのひげや豆の部分にも栄養素が含まれており、この部分をとってしまうともやし本体に含まれている栄養素が外に出てしまいやすくなってしまうデメリットがあるのです。
美味しさの面で言えば取った方が良い所も大きいので絶対にとってはいけないと言うほどのことではありませんが、少しでももやしが持つ栄養素を活かす為にはとらないことをおすすめします。
あまり長時間水に晒さない方が良い理由
もやしに含まれる多くの栄養素はビタミンCを筆頭に水溶性のものが多く、もやし自体も中の栄養素を強固に守っているわけではないために、水に触れると栄養素が流出しやすい特徴がもやしにはあります。
とは言えもちろん買ってきたものを全く洗わないで使うと言うのは、いくらもやしが無農薬で水耕栽培されているからといってもあまりおすすめは出来ません。
水分量が多く、しっかりと密閉状態にある商品が殆どですから独特の臭いがもやしにはついてしまいますし、何より細菌が繁殖していれば食中毒を起こす要因にもなりかねないからです。
ですのでもやしはサッと洗って使うと言うのがベストです。
食感を保った状態で保存するため水を張って保存すると言う方法もありますが、栄養を活かす事を優先するならあまりしないほうが良いです。
加熱時間は短くした方が良い理由
もやしに含まれる栄養素は水溶性のものが多いだけでなく、熱で分解されてしまいやすいものが多く、加熱すればするほどにもやしの栄養素、そして効能は失われることになります。
そして何よりもやしは加熱しすぎれば折角の食感が失われてしまいますので、可能な限り火を通さずに食べるのがベスト。
実は生のままでも食べえないことはありませんので、茹でる時は30秒、油で炒めたりする時は1分以下を目安にするつもりで調理するのがオススメです。
これ以外にも栄養素を外に出すことなく調理する方法として電子レンジを使う方法もあります。
やり方も簡単で耐熱容器にもやし1袋を入れてラップをして500wで2・3分レンジアップするだけ。
茹でて食べるぐらいなら実はこちらの方が栄養が減らないので1度お試しいただきたいと思います。
実は栄養と健康に良い効果効能があるもやしですが、逆に以上のポイントをどれも守らなければ本当に何の栄養もない状態になってしまいますので、是非参考にしてみて下さい。