ひじきは栄養ない?効能や鉄分と食べ過ぎが良くない理由

「ひじきには実は栄養がなく、体に良くない」と言う話があることをご存知ですか?

昭和の頃は「栄養満点で食べれば長生きする」とか「不足しがちな鉄分が沢山含まれている」などと言われ学校給食の定番でもあったひじきですが、2015年の文部科学省が発表した「日本食品標準成分表」によると肝心の鉄分がなんと激減。

更にはWHO(世界保健機構)の2016年の発表によると「ひじきを食べると58分寿命が縮まる」として「余命損失」の食べ物認定されてしまっており、食べ過ぎればむしろ早死にするとまで言われています。

ですが「ひじきは本当はむしろ食べない方が良いもので、これまで私たちは騙されていたのか?」と言うとこれもまた少し違います。

実際にひじきには鉄分以外の栄養はちゃんとありますし、確かに体に良くないとされるものを含んではいるものの、それをかなりの量減らすことが簡単に出来、単純に「ひじきには栄養もなければ健康に良い効能もなく、むしろ食べ過ぎれば死ぬもの」と言うわけでもないのです。

そこで今回はひじきとは結局健康に良いものなのか、悪い物なのかを知っていただくため『ひじきは栄養ない?効能や鉄分と食べ過ぎが良くない理由』と言う記事を書かせていただきました。

一時期は散々体に良いと言われていたのに今度はいきなり良くないと言われ始めたひじきの実態に興味はございませんでしょうか?

ひじきが体に良くないと言われ始めた理由

まず始めにそもそもひじきがどうして体に良くないと言われ始めたのかをご紹介させていただきますと、その理由は大きく分けて「実は鉄分が殆ど含まれていない」と言うことと「無機ヒ素を多く含む」と言うことの2つにあります。

その理由について1つずつ詳しく解説させていただくと以下の通り。

ひじきには鉄分が実は含まれていない

人間が普通の食事の中で摂取しにくい必要な栄養の1つが鉄分であり、ひじきにはその鉄分が豊富に含まれていて「鉄分の王様」とまで言われ、健康に関心がある人だけでなく、プロの管理栄養士たちにもありがたがられる食品でした。

実際に2010年の段階の「日本食品標準成分表」では、ひじきの鉄分量は「100gあたりで55mg」と記載されており、鉄分豊富なイメージのあるレバーの5倍もあるとされ、1日に摂取が推奨される量を本当に小鉢で1つも食べればクリアできる正に鉄分を摂取するのに最適な食材であるように思えます。

しかし2015年の「日本食品標準成分表」では調理法により成分量が変わることが分かり、分類が細かく表記されるようになったら驚くべきことが発覚しました。

なんとひじきの鉄分量は「鉄釜で煮てから乾燥させたものが100gあたり58.2mg」であり、「ステンレス釜で煮てから乾燥させたものは6.2mg」でしかなく、ひじきに鉄分が豊富だったのは単純に調理過程で使う鉄の鍋の鉄分が流入していただけと言うことが分かったのです

そして残念なことに世の中にステンレス調理器具というのが出回ってからは鉄よりもステンレス製のものが使われており、現在の乾燥ひじきのほとんどは実は鉄分がそこまで多くは含まれてはいないそうです。

また実は鉄分はただ取れば良いと言うものでもなく、摂取した鉄分が以下に体に吸収されやすいかどうかが鍵であり、「吸収されやすいヘム鉄であるかどうか?」や「鉄分の吸収を助けるビタミンB6、ビタミンCなども一緒に含んでいるかどうか?」も大事なことなのですが、ひじきの鉄分は吸収されにくい鉄分であり、ひじきには鉄分の吸収を助けるような他の成分が含まれておりません

管理栄養士などのプロならばそうしたことは知っていて当然でメニュー全体のバランスをとることで帳尻を合わせるでしょうが、世間一般的にはそうした知識まではない人の方が多いわけであり、「鉄分が沢山含まれているから少し食べればOK」で終わってしまい実はあまり鉄分をひじきからは取れていなかったと言うのが実際の所のようです。

無機ヒ素を多く含む

「無機ヒ素」と言う成分をご存知でしょうか?

「ヒ素」と言う名前を聞いて毒物であると言うことはなんとなく想像できる人も多いかと思いますが、その通りでこの成分は大きく分けて2つに分けられるヒ素の中でもやや危険度の高いヒ素です。

具体的にはこの成分を1度に大量に摂取してしまうことで腹痛、下痢、嘔吐を起こしたり、中毒症状で死にいたるケースもある成分ですし、長期摂取で体内の含有量が多くなると神経や皮膚の障害、癌の発病を誘発する恐れもある成分でもあります。

他の海藻類を初めとする海老や貝などにも体内で殆ど無害化してしまう「有機ヒ素」ならば含まれているのですが、ひじきのものはまた別で特別注意され、2004年にはイギリスの食品規格庁が「ひじきは無機ヒ素を多く含むので食べないように」という勧告を出しています

そして更にその無機ヒ素が原因で2016年にWHO(世界保健機構)は「ひじきを食べると58分寿命が縮まる」として「余命損失」の食べ物認定をしています

これがどれほど危険なレベルとされているかと言いますと「喫煙が1本で12分、コーヒーなら1杯で20秒」とされるレベルであり、それら以上に寿命を縮める物だと言えば分かるでしょうか?

こうして日本では昔「長生きする食べ物」と言われていたのに、最新の世界の見解的にはその逆で「寿命を縮める食べ物」であるとひじきはされてしまったのです。

正確にはこの「損失余命」の見解は、ひじきに含まれるヒ素に注目しての結果であり、栄養による効果効能などは評価されてはいないそうです。

以上の二つから「ひじきは体に良くない」と言われ始めたのですが、実はこの2つの問題点、そのまま鵜呑みにするのも正しくありません。

そこで続いてはこの2つの問題点についての反論をご紹介します。

ひじきが体に良くないとされる理由ヘの反論

ひじきには「実は鉄分が殆ど含まれていない」と言うことと「無機ヒ素を多く含む」と言うことの2つから「ひじきは体に良くない」と言う話が出てきたのですが、この2つの話には全く逆の意見もあります。

そんなそれぞれの反論について解説させていただくと以下の通り。

ひじきに含まれている栄養成分は鉄分だけではない

ひじきには鉄分が実は多くないことが分かったわけですが、だからと言ってひじきに含まれる成分全てが多くなかったわけではなく、ちゃんと以下のような健康に良い成分などもひじきには含まれています。

  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 食物繊維

これらが含まれていることによりひじきには以下の効能があると言えます。

カルシウム

人体の中で最も多いミネラルであり、歯や骨などを構成する成分として有名なこの成分をひじきは実は牛乳の12倍もの量を含んでおり、他のカルシウムを多く含む食材と比べてもかなりの含有量を誇ります。

カルシウムは骨や歯を健康に保つ効能の他にもストレスを緩和したり、筋肉の収縮に大きく関与する力がありますので、そんなカルシウムを多く含むひじきには骨粗鬆症の予防やストレスの緩和、高血圧の予防などの効能があると言えます。

マグネシウム

カルシウムと共に骨や歯を構成している成分であり、とても吸収しにくいカルシウムが体に吸収されやすくなる働きを持ちます。

このマグネシウムはアーモンドに多く含まれていることで有名ですが、ひじきはその約2倍のマグネシウムを含んでいます。

マグネシウムはその他にも神経が興奮するのを抑えたり、エネルギーの代謝を促したりや血液の循環を良くするなどのかなり重要な役割を果たす成分でして、カルシウムと同じく骨粗鬆症や高血圧の予防はもちろんのこと、生活習慣病全般の予防やむくみや冷え性改善と言った効能もひじきにはあります

食物繊維

海藻類が多く含む水溶性の食物繊維を総重量の半分と言うかなりの比率でひじきは含んでおり、腸内環境を良くすることで便秘の改善をしてくれたりや体内のコレステロールの代謝を促し血流を良くし動脈硬化を予防したりする効能があります。

またひじきの持つカロリーは極端に少ないのでダイエットにとても有効な効能もあると言えます

その他にもカリウムなどのミネラルやβカロテンなども含んでおり、ひじきは実は鉄分が豊富でこそなかったもののそれ以外の栄養素も持っているため、ひじきは含む成分的に体に十分良いと言えるのです。

ひじきのヒ素は簡単に多く取り除ける

いくら鉄分以外の体に良い成分を含んでいるとは言え、ヒ素が含まれているとなればやはり避けたいと思う人も多いでしょうが、実はひじきに含まれているヒ素は簡単にしかもかなりの量が取り除けるのです。

どんな方法でどれほど取り除けるのかと言いますと以下の通り。

  1. 「水戻し」で約6割
    乾燥ひじきを1時間ほど水につけて水を捨てた後、ひじきの水をしっかりと切り、再度軽く洗って使う
  2. 「茹で戻し」で約8割
    乾燥ひじきをお湯で茹でながら戻し、沸騰したらお湯からあげ水を切り、再度軽く洗って使う
  3. 「茹でこぼし」で約9割
    乾燥ひじきを茹でながら戻し、沸騰してから5分ほど更に茹でた後、お湯を捨てて再度洗ってから使う

以上のことをするとヒ素の含有量が多いとされるひじきであってもかなりの量のヒ素は抜くことが出来、これらは普通に日本でひじきを調理する際には大概することで、最低でも水戻しした水は捨てますので敢えて意識しないでもやっている方も多いと思います。

その為ひじきを食べても世界基準で懸念されているほど大量のヒ素を摂取しているわけではないのだと言います。

以上二つがひじきが体に良くないという意見についての反論です。

では最後に結局それらをまとめてひじきは食べた方が良いものなのか、食べない方が良いものなのかについてご紹介します。

ひじきは食べた方が良いものなのか?食べない方が良いものなのか?

結論から先に言いますとひじきは一方的に健康を害する物であるとは言えませんが、過剰摂取のリスクは高いものであり、敢えては「食べない方が良い物」と言えます。

とは言え「食べてはいけない物」ではありませんので、余程大量に食べなければ問題はまずありません

それと言うのも成人した体重50kgの人が1日当たり4.7gまでの乾燥ひじきなら、毎日食べても全く問題ないという厚生労働省の発表があるからです。

4.7gの乾燥ひじきとはどのぐらいかと言いますと、戻して料理すると大体小鉢で少な目の1杯ほどになる量ですから普通に食べても問題はないと言った所です。

正し小さな御子様や妊娠中の方はこの量でもリスクがないとは言えませんのでご注意ください

成人した後と子供の時では体の解毒機能に大きな差があり、ボツリヌス菌のような大人では何と言うこともないものが子供には危険だと言うことがあるからです。

妊娠中の方に控えることをオススメする理由もここにあり、無機ヒ素は胎盤を通じて胎児に対して影響を与える物であり、催奇形性や妊娠障害を起こす作用が知られています。

もちろんどちらの場合も絶対に食べてはいけないと言う物ではありませんが、食べ過ぎた場合のリスクが大きく出来るだけ避けた方が良いことには違いありませんので、それだけは覚えておいて欲しいと思います。

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