ナツメグと言うスパイスには危険性があると言うことをご存知ですか?
ナツメグは肉の臭み消しとして使うことが多い他にもお菓子作りの香り付けに使われたりもするものであり、子供が好むような料理に使われやすいことから、慣れ親しみでナツメグの香りが好きと言う人も結構いますし、その効果効能から漢方薬として使われることもあるのですが、実は過剰摂取には要注意。
ましてナツメグの副作用は大人よりもそうした副作用を起こすものの許容量が少ない子供がナツメグの香りを好みやすいと言う所もあり、お子様がいるご家庭では気にしたほうが良いと言えます。
むしろいっそ子供のためにと思ってハンバーグやお菓子にナツメグを沢山使うとそれが過剰摂取になる危険性もありえますから、出来ればナツメグの代用品を使いたいところです。
そこで今回は『ナツメグは代用しないと危険?子供の好きなハンバーグやお菓子作りは要注意』と言う記事を書かせていただきました。
ナツメグの特性やその代用品に興味はございませんか?
ナツメグとは何?
まずはナツメグとは何かをご説明させていただきます。
ナツメグとはモクレン目ニクズク科の木のことであり、一般的にスパイスの意味でナツメグといった場合は、この木の実の種の殻を割って取り出した中身を粉末状にしたものを指しています。
ちなみにこの種の表面の皮もスパイスとして使われ、こちらはメースと呼ばれます。
そんなナツメグは主に以下のような特徴があります。
ナツメグの特徴
- 甘い香りがする反面、味は殆どなくやや苦味がある程度
- 香りをつけるものであるため様々な料理に用いられる
- 効果効能が多く、漢方薬でも使われる
まずナツメグの最大の特徴と言ったらやはり「甘い香り」にあると言えます。
肉の臭い消しをすると同時にその香りで上書きする効果もあり、多少ある苦味も火を通すと殆ど感じなくなり味がつかないため、ひき肉を使うハンバーグのような料理にはだいたい昔から使うものとされてきましたし、下手に味がつかず香りがつくのでバニラエッセンスのようにクッキーのようなお菓子やパンなどにも香りをつけるために使われます。
しかもそれが持つ効果効能は漢方薬に使われるほど多彩であり、そこそこの効果を持っています。
こうして見ると物凄く有用なスパイスに見えることだと思いますし、実際副作用がなければ完璧であり、その欠点を考えても過剰摂取に気をつければ素晴らしく有能であり、積極的に色々と使って行きたいスパイスであると言えます。
そこでもう少し効果効能についてどんなものがあるかも説明させていただきます。
ナツメグの効果効能
ナツメグの主な効果効能は以下の通り。
ナツメグの効果効能
- 消化器官の不調を改善する
- 体温上昇効果
- 消臭効果
- 鎮痛作用
これらの効果をもたらしてくれる主な成分は以下の3つ。
【ミスチリン】
ナツメグには、ミスチリンと言う成分が含まれており、これが食欲増進と整腸作用があり、夏バテや食べ過ぎ飲みすぎの消化不良などの食欲不振に大きく効果を発揮し、腹痛や下痢、便秘などのお腹の調子が悪い時の改善効果があると言えます。
【ピネン】
ピネンも同じく消化器官に主に働きかける成分。先ほどご紹介したミスチリンが「腸」に働きが強い成分であるのに対し、ピネンは胃腸薬の成分としても使われるような「胃」の働きの正常化を促す効能が特徴です。
消化促進効果や消化を緩やかにすると言う効果ではなく、「通常の状態に戻す」と言う効果を持っているために、食べ過ぎや胃もたれだけでなく、ストレスによる胃の不調などにも効果を発揮してくれます。
またピネンには、体を温めて発汗させる作用や解熱効果もあるために、風邪を引いた時に体に総合的な回復効果があると言えるのです。
【オイゲノール】
バジルやローリエに含まれていることでも知られるオイゲノールをナツメグは実はかなり沢山含有しています。
このオイゲノールは殺菌・抗菌作用と消臭効果を持ち、ハンバーグを初めとする肉類のにおいを消すだけでなく、口臭の予防商品などに幅広く使われたり、結構強い鎮痛作用があり、歯の痛み止めとしてかなり古くから利用されたりもしてきました。
しかしこれらの成分は逆に副作用ももたらすのです。
ナツメグの持つ副作用
ナツメグの過剰摂取した場合に起こる可能性がある副作用として注意しておきたいことは特に以下のもの
ナツメグの副作用
- 下痢・吐き気
- 痙攣、眩暈、動悸などを起こす
- マリファナに似た幻覚を生じることがある
- 肝臓障害をひきおこすことがある
ぱっと見ただけでもかなり危険なことが分かるかと思います。
皮肉なことにこれらの事を起こすのは先ほどの効果効能でご紹介した「ミスチリン」「オイゲノール」の過剰摂取の副作用です。
その為同じくそれらを多く含むスパイスであるクローブなどにも過剰摂取には注意が必要です。
ちなみに過剰摂取とは約10g以上のことで、「大さじ」が約15gで、「小さじ」が5gですから、「大さじ2/3」または「小さじ2」ともなると過剰摂取になると思っておいてください。
もちろん普通に使えばまず1回でこんなに大量に使うことはないとは思いますが、この過剰摂取の基準に個人差はありますし、子供が食べると思ったらなんだか結局あまり使いたくないと言うこと人も多いと思います。
そこで続いて代用品についてをご紹介したいと思います。
ナツメグの代用品について
最後にナツメグの代用品についてご紹介したいと思います。
まず最初に断っておきますが、料理でのナツメグの役割とは臭い消しと香り付けなので、どの代用品もナツメグほどの万能性はないと言うことはご理解ください。
ナツメグの代用品の考察
- ハンバーグなど肉類に使う場合は黒コショウ、ローズマリー
- お菓子類に使う場合はバニラエッセンス、シナモン
以上の二通りがナツメグの代用品として同じような危険性がなく、味がつかないで臭いに作用するものだと言えます。
ちなみに肉類にバジルやローリエ、クローブを使うとナツメグと結局同じ過剰摂取への注意が必要になってきますし、にんにくやショウガでは臭いが主張しすぎて味もつきますが、臭い消し対策は出来ます。
お菓子類になら甘い香りだけつけたいと言うならそれこそもっと選択肢もあるのですが、ナツメグと違う成分でも結局過剰摂取で何かしらの問題を起こすので過剰摂取に気をつけるべき量が比較的ゆるい上の2つがオススメ。
どちらにせよナツメグは量に気をつけて使えば大丈夫なものですし、臭いに関わる物であるため代用品はなくてもいいとも言えるのですが、どうしてもと言う方は参考にしてみてください。
また結論としてそこまで高いものでもなく、意外と広い用途に使えるために買っておいておくのも一つの手だと思いますので検討してみてください。