おからは栄養価が高く、美容と健康に良い様々な効果があると言うことをご存知ですか?
近年では食事として食卓に並ぶこともかなり少なくなったおからですが、その半面でおからの持つ栄養やそのカロリーが注目され、美容や健康のためになる食べ物と言う話が多く聞かれるようにもなりました。
有名な所だととてもダイエット効果が高いと言うことぐらいは聞いたこともあるかと思いますし、アンチエイジング効果があるとか貧血や骨粗しょう症予防、または腸内環境の改善効果があると言うことを聞いたことがある人だっているでしょう。
そんな多岐にわたる美容と健康への効果を持つため、おからパウダーなどのおからを使った健康食品なども最近はそれなりの数登場してきており、今おからはその存在が見直されているとも言えるのです。
しかしおからなんて一度も食べたことがないと言う人も今の日本にはいるでしょうし、美味しい食べ方が分からないとか料理への使い方が分からないと言う方は珍しくないでしょう。
ましてやおからに「どんな栄養素が含まれていて、どんな健康効果があるのか?」や「食べ過ぎた場合に起こる腹痛や下痢は何故起こるのか?」などについては知っている人の方が少ないでしょう。
そこで今回はそんな最近見直されているおからについて、「おからとはどんな物なのか?」から「食べ過ぎるとどうなるのか?」などについてまでをご紹介させていただく『おからの栄養や効果やカロリーとは?食べ過ぎには注意!』と言う記事を書かせていただきました。
古くからあるものの近年になってその魅力が知られ始めたおからについて興味があったりはしませんか?
おからとは?
まず始めにそもそもおからとはどんな物なのかをご紹介させていただきます。
一言で申しますとおからとは大豆から豆乳を抽出した後に残った部分。
主に豆腐を製造する過程でできる為、昔はお豆腐屋さん等で安価で売られていたり、場合によってはただでもらえたりするようなものでもありました。
名前の由来は欲しいものを取り出した後に残ることから、そば殻や卵の殻などの「殻」に丁寧語の「御」がつけられたものであり、余り良い印象の言葉ではないとして、おからの他にも見た目が白いこともあり関東方面では「卯の花(うのはな)」とも呼ばれますし、料理をする時に切らずにそのまま使えることから関西方面や東北では「雪花菜(きらず)」とも呼ばれていて、それらの名前をおからを使った料理名だと思われやすくもあるのですが、実はおからそのものの別名です。
旨味成分の殆どを抽出してしまっておりますし、しっかりと水分を飛ばしきらないと品質の劣化が早く日持ちがしないため、その殆どが捨てられてしまっているのですが、ほんのりとした甘味以外の味も特になく、臭いもやはりほんのりと豆腐のような香りがする程度でクセがなく、そこが好きと言う方や調理で美味しさが大きく変わるため、モノによっては好きと言う方も結構いらっしゃいます。
また日本独自のものだと思っている方も多いのですが、豆乳を作ると必ずできるものですから同じく豆腐を食べる文化を持つ中国や韓国にも古くからありまして、それらの国の精進料理や家庭料理にも使われています。
その他にも味や香りの主張が強くない長所から実はかなり色々な料理に混ぜ込むことで使えまして、クッキーやケーキ、ハンバーグやマッシュポテトなどの料理にかさましすると同時に独特の風味と舌触りを持たせるのに使えたりとメインとして使う以外にも色々と活躍します。
特にここ近年は水分を完全に飛ばして日持ちもするし、色々な料理に使いやすくしたおからパウダーなどの登場で、誰でも手軽に色々な料理に使えるようになったのでレシピも増えておからの使い道はかなり増えました。
そしておから最大の特徴としまして「見た目や味付け以上にお腹が膨れる」と言うことが言えます。
この特徴は詳しいことは後ほど【おからに含まれる栄養】の所でご紹介しますが、おからはかなり多くの食物繊維を含んでおり、これが胃の中で水分と合わさり膨らむからで、これがダイエット効果が高いとされる1つの理由です。
おからに含まれる栄養
おからが大体どんなものかを知ってもらえたところで、続いてはおからにはどんな栄養があるのかをご紹介します。
おからに含まれている主な栄養素としましては以下の通り。
- 食物繊維
- タンパク質
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- ビタミンB6
- 葉酸
- ビタミンE
- ビタミンK
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄分
- 亜鉛
- 銅
御覧のようにおからは言葉は悪いですが、大豆そのものの搾りかすであるために、その殆どが量こそ少ないものの大豆由来の栄養素を大体含んでおります。
例外として豊富に含んでいるのは搾り出せるものではなく、むしろ絞った後に残るものである食物繊維。
その他ですと絞りきれないようなタンパク質、カリウム、カルシウム、鉄分、銅、ビタミンB1あたりがやや多めと言ったところです。
そして当然こうした成分を含んでいることからおからには美容と健康に良い効果があるわけです。
おからが持つ効果効能
上記のような成分が含まれていることからおからには以下のような効果効能があると言えます。
- ダイエット効果・生活習慣病の予防
- 腸内環境改善
- 健康な体作り
何故このような効果効能があるのかと言うと以下の通り。
ダイエット効果・生活習慣病の予防
おからの持つ美容と健康への効果効能として最も高いのがこれ。
まず食物繊維が100gあたり11.5gと豊富ですから食べた後に胃の中で水分と合わさりかなり膨らみますし、不溶性の食物繊維が多めなので消化に時間がかかるため腹持ちも良く、食事で食べられる量が無理なく少なく出来ます。
そして後ほど詳しく触れますが、食物繊維の効果で腸内環境を良くしてくれ、基礎代謝の向上や便秘の改善効果もありますし、カロリーや糖質、脂質も高くなく肥満の原因になりそうな成分も控えめです。
またそんなに量が含まれているわけでもないのですが「レシチン」と言う成分が含まれているのもポイント。
この成分は血管についたコレステロールを溶かす働きを持ち、その他にも肝臓についた脂肪を減らして脂肪肝を予防する効果や代謝効率を上げる効果などがあり、これもダイエット効果があると言われる理由の1つです。
腸内環境改善
先程も触れましたがおからには不溶性の食物繊維が豊富であり、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らむため腸を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便通を促進しますから便秘の解消効果が高く、腸内環境改善効果があります。
その他にも多く含まれているわけではありませんが、水溶性の食物繊維が大腸内で発酵・分解されるとビフィズス菌などが増えますし、近年では大腸がんの予防効果もあると言われており、お腹に非常に良い食べ物と言えます。
またこうした腸内環境の改善が、上記でご紹介したような基礎代謝の向上効果の他にも、肌荒れやニキビなどを防ぐことで美肌効果をもたらしたり、免疫力向上・アレルギー性疾患の緩和効果をもたらしてくれますので、おからは総合的に美容と健康への効果があるとも言われています。
健康な体作り
おからに含まれている栄養素は実は体を作るために必要な栄養素が多く、おからには健康な体を作る効果があるとも言えます。
例えば筋肉の主成分になるだけでなく、内臓や骨などを構成するのにも必要とされるタンパク質。
おからも元は大豆ですから良質なタンパク質を含んでおり、更には脂質や糖質は大豆に比べ含んでいないと言う利点があります。
その他にも歯や骨を構成する成分として知られるカルシウム、健康な血液を作るために必要となる鉄分なども含まれており、おからを日常的に食べると健康的な体を作る効果が得られると言えるのです。
おからのカロリーや糖質
おからがもたらす効果として最も有名なものダイエット効果がありますが、ダイエット効果が高いと言われていても実はカロリーや糖質が高い食べ物と言うのは結構ありまして、おからも栄養豊富と言われているだけあり、カロリーや糖質が気になる方も多いかと思います。
では実際におからのカロリーや糖質はどんなものかと言いますと、
おから100gあたりで
- カロリー:111kcal
- 糖質 :2.3g
乾燥させたりパウダー状になっているものですと100gあたりで
- カロリー:340kcal
- 糖質 :8.7g
ぐらいです。
数字だけ見てもわかりにくいと思いますので、比較対象として同じ大豆製品を挙げてみますと
絹ごし豆腐でカロリー:56kcal、糖質 :1.7g
木綿豆腐でカロリー:72kcal、糖質 :1.2g
油揚げでカロリー:385kcal、糖質 :1.4g
なので低いような気がしない人も多いでしょうが、そもそも一度でそんなに食べるものではありませんし、この数字でも十分に低カロリー、低糖質と呼ばれるレベル。
そして何より大量に含まれている食物繊維のおかげで食べた量以上にお腹が膨れるため、ダイエット効果はかなりあります。
おからの食べ過ぎに注意!
美容にも健康にも良いのに太りにくい、むしろダイエット効果もあるなんて聞いたら思わず沢山食べてしまう人も少なくないでしょうが、おからは不溶性食物繊維を大量に含んでいるため、食べ過ぎてしまうとかえって胃腸に負担がかかるようになったり、消化器官を疲れさせてしまったりするので腹痛や下痢と言った症状を起こす人もいらっしゃいます。
特に水分と水溶性の食物繊維を余り普段から取らない人は要注意。
おからに含まれている不溶性食物繊維はかなり多く、乾燥させて濃縮されたおからパウダーともなると摂取しすぎれば相当便の嵩が増すために、かえって代腸内で詰まってしまい、大腸内に長時間とどまった便が腸に水分を吸収されて硬くなり更に詰まる、と言う負の連鎖を起こし、苦しんだと言う人も結構いらっしゃいます。
このように水分と食物繊維の水溶性と不溶性のバランスが取れていないとかえって腸内環境に悪影響がありますので、おからなどのダイエットや腸内環境に良いと言われるものでも、その理由を把握せず沢山食べるのはオススメできません。
生のおからならばそんなに量を食べることはまず出来ないでしょうし、おからパウダーも摂取量の目安が商品ごとに大体書いてありますが、特に不味いものでもなく体に良いと言われているだけに食べ過ぎには特に注意してください。