ピーマンは嫌いな人も結構いますが栄養価が高く、色鮮やかで調理する側としてはあると便利な野菜。しかしこの野菜は保存方法にいくつか注意点があり、それに注意しないと保存期間が極端に短くなる野菜でもありますし、ピーマンの栄養価や美味しさを保つためには抑えないといけないポイントと言うのがいくつかあります。
しかしあんまりピーマンの保存方法についてどうしたら良いのか、例えば乾燥と多湿だったらどっちが悪いのかとか、常温ではなく冷蔵庫の保存が必要なのかとか、冷凍したらダメなのかとか、あんまり知らない人も多いかと思います。
そこで今回は、基礎的な保存方法と保存期間に加えピーマンの持つ栄養価から見た最適な保存方法や、切ったピーマンの保存について、そしてちょっと斬新な保存方法である乾燥ピーマンと言う形についてなどまで含めた『ピーマンの長持ち保存方法と保存期間!悪くなった事が分かるポイント』 と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
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ピーマンを長持ちさせる保存方法と保存期間
まずはピーマンの主な保存方法と保存期間をご紹介します。
ピーマンの主な保存方法と保存期間
- 常温だと夏場で3日、冬場で最大1週間
- 冷蔵庫で1週間、ちゃんと処理をして最大で2週間
- 冷凍庫でなら1ヶ月
ピーマンは意外と強い野菜でして、そのままでも保存期間の短い野菜ではありません。
大体の最適保存温度10℃でさえあり、かつ水分に触れていなければ上に表記させてもらった長さぐらいは味も栄養価もあまり落ちません。
しかもこれ以降栄養価はどんどん落ちていくものの「食べられる」と言う意味なら常温で1週間、冷蔵庫で3週間、冷凍庫で2ヶ月もの間長持ちすると言う保存期間に関しても優秀な野菜です。
ただし水分に弱く、湿度が高いところでの保存が危険であると言うことと、ピーマンの保存温度が5℃より低いと低温障害が出てきますのでその辺に関してはちょっと意識しておいたほうが良いです。
続いてそれぞれの保管方法についてより詳しいことを説明します。
ピーマンを常温で保存する場合
ピーマンの最適保存温度は先ほども少し触れましたが5~10℃で基本的には野菜室での保存がオススメなのですが、冬場ですと湿度も高くなく、温度も低い日が続くので場所を考えれば常温での保存が十分可能です。
ただし夏場は温度はともかくとして湿度の問題で一気に保存が利かなくなるのでピーマンの旬の時期にあたる夏場の常温での保存はあまりオススメできません。
しかしそれでも常温保存する場合は以下のようにしてみてください。
ピーマンを常温で長持ちさせる工夫の仕方
- 湿気から守るためキッチンペーパーや新聞紙で包む
- あまり温度が高くならないような場所で、出来れば日光も当たらないような場所で保存する
- 少しでも傷や痛みがみられるものはそうしたものがないものとは一緒にしないようにする
もう少し詳しいことを説明させていただきますと、水分・湿度対策や温度対策についてはいまさら説明するまでもないのですが、ピーマンは傷んだものがあると、それが移って他のピーマンも傷み出すと言う性質が高い野菜ですので、出来れば一つづつキッチンペーパーや新聞紙で包むようにして、傷や痛みがあるものの影響を受けないようにしたほうが良いです。
もちろんそうした傷や痛みがあるピーマンは保存も利きませんので早めにお召し上がりください。
ピーマンを冷蔵庫で保存する場合
ピーマンを冷蔵庫で保存する時に注意して欲しいポイントは常温での保存とはまた違ったポイントがありますので、まずは冷蔵庫用のピーマンを長持ちさせる工夫についてをみてください。
ピーマンを冷蔵で長持ちさせる工夫の仕方
- 湿気から守るためしっかりと水気を取り、キッチンペーパーや新聞紙で包む
- ビニール袋やジップ付の袋に入れて出来るだけしっかりと密閉する
- 温度が下がり過ぎないように必ず野菜室に入れ、低温障害を起こしたものは必ず取り除く
御覧のように常温保存の場合と同じ水分以外にも、冷蔵庫の場合は密封することと温度が低くなりすぎないようにすること、そして低温障害の確認が注意して欲しいポイントです。
冷蔵庫での保存方法の場合どうして密封すること拘るのかと言いますと、ピーマンは植物の成長を促進させる「エチレンガス」を多く分泌する野菜であるからでして、既にもう食べられる野菜を成長させ過ぎる事でダメにしやすく、そのダメになり始めた野菜の影響をピーマンも受けやすいからです。
そのため出来るだけ密封できるような保存方法で冷蔵庫に入れておくのがベスト。
低温障害の確認も結構重要でして一部のピーマンの変色や妙なくぼみができるという所謂「痛んだ状態」になったピーマンは他のピーマンを痛みやすくしますから注意しておかなくてはなりません。
ピーマンを冷凍庫で保存する場合
ピーマンは冷凍することも出来ますが、やはり野菜である以上冷凍することである程度は食感が失われますし、ちょっとした下処理をしておかないと色も味も悪くなりやすいです。
そんなピーマンを冷凍する時にマシにするための方法はこちら
ピーマンを冷凍した時マシにする方法
- ピーマンの種とワタを取出す
- 30秒ほどサッと下茹でして水気をしっかりと取る
- 使う料理に最適な大きさに切り、ジップ付のフリーザーパックに入れてしっかりと密封する
これをしておくと大体1ヶ月はそこそこマシな状態でピーマンを冷凍庫で保存することが出来ます。とは言えあくまで「マシ」と言うだけで味、色の低下を完全には避けられませんし、食感の低下はどうしても避けられません。
また冷凍したものを食べる時は解凍はせずそのまま使ってください。冷凍する前にサッと火を通してありますし、冷凍することで生の青臭さや苦味は低下します。なによりただでさえ冷凍したことで細胞が壊れていますのでレンジで解凍したりするとグズグズになってしまいます。
オススメは炒め物や汁物の具、後は常温で半解凍して肉詰めに使うとピーマンにしっかりと肉汁が染み込んだ美味しい物が作れますので参考にしてみてください。
以上のことがピーマンのそれぞれの基本的な保存方法のコツと保存期間です。
ではピーマンの主な保存方法と保存期間のご紹介を終えたところで、次はそれ以外のピーマンの保存に関わることついてご紹介させていただきます。
ピーマンの持つ栄養価から見た最適な保存方法
ピーマンの魅力と言えば見た目や保存法期間の長さもそうなのですが、やはりその高い栄養素にあると言えます。
そしてそんなピーマンの栄養素が一番ベストな状態で保てる保存方法は何かと言うとやはり生のまま冷蔵庫で保存すると言う方法。
これはピーマンの一番めぼしい栄養素がビタミンCを初めとするビタミン類であるからでして、出来るだけ生で調理し、出た汁ごと食べることが沢山の栄養を1番摂取できるからです。
常温保存では温度変化や湿度が一定にしきれないため、そうしたビタミン類がピーマンの状態維持に使われてしまいやすいですし、冷凍すると苦味や臭いが押さえられると言うのはピーマンが持つ栄養素が低下している状態だから起こることなので、そう言えるわけですね。
そこまで厳密に拘るほどの変化ではないのですが、健康のためを最も重視してピーマンを買っているのでしたら覚えて置いてください。
切ったピーマンの保存について
ピーマンは生のまま丸ごと保存しないといけないのかと言いますと、もちろん切ってしまうことで早く悪くなりやすく、栄養価も落ちやすくはなりますが保存期間がその日中になると言うほどのものではありません。
切ったピーマンの保存方法は切ったピーマンは、タッパーやジップ付き袋に入れて軽く水気を取り、湿らせたキッチンペーパーを一緒にいれ冷蔵庫での保存をすれば3・4日は十分美味しく食べられます。
これ以上となると冷凍してしまったほうがいいのですが、食べられると言う基準でしたら冷蔵庫での保存でも1週間は持ちますのでサラダなんかに生ピーマンを使う方はこちらの方がオススメです。
乾燥ピーマンと言う保存方法
あんまり馴染みがないことですが、ピーマンは乾燥させることで長持ちさせることが出来るだけでなく、甘味が増して栄養価も高くなる野菜で乾燥させてしまうと言う保存方法もありです。
乾燥ピーマンの作り方は以下の通り。
乾燥ピーマンの作り方
- 5cmぐらいに切ったピーマンを干しカゴやザルに並べる
- 日中は日陰で干して、夜間は室内に取りこむ
- 2~3日これを繰り返して完成
- 完成したものはタッパーなどにいれ、風通しのいい場所で保管する
基本的にこれだけで2週間は持つようになりますし、食べられると言う範囲であればもう少し長持ちします。注意点としてはやはり湿気に弱く、干しっぱなしにすると昼夜の気温差によって水分が付着し、乾燥しきる前に傷むということ。当然湿気の多い時期は乾燥しにくくダメになりやすいので注意です。
また直射日光に当てると保存温度が高くなりすぎることにより、乾燥しきる前にダメになることもありますので注意です。
最後に万が一悪くなってきた時の見分け方をご紹介します。
ピ-マンはどうなったら悪くなっているのか?
悪くなったことが分かるポイント
- 色が黄色くなったり赤くなったりする
- 萎びてハリがなくなってくる
- 茶色くなる
- 濡れていないはずなのに触るとぺたぺたする
ピーマンの危険ラインは実は茶色くなってからです。ピーマンは実は熟すと黄色くなって赤くなる野菜でして、収穫後に熟させる「追熟」と言う現象により黄色くなったり赤くなったりします。
味も普通にパプリカぐらい甘くなるものもありますのでこの状態ではまだ全然普通に食べられます。
萎びてハリがなくなり始めても実はまだ「食べられる」状態でして、栄養価も味もかなり損なわれますが食べれないことはないぐらいです。もちろんあまりにも萎びているとか、凄く柔らかいと言った酷い場合は食べないほうが良いです。
しかしこれ以上はアウトです。
変色具合が茶色っぽい時には既に異臭やぬめり、溶けかけと言った状態であることが殆どですが、結構カビも生えやすいので長持ちする野菜だからとあまり放って置き過ぎないようにして食べてください。