れんこんの皮には栄養があり、体に良い効能があると言うことを聞いたことはありませんか?
生で食べない野菜は基本的に皮をむくものであるのが常識とされていましたが、近年では「健康のためには皮むかない方が良い」とか「皮にこそ体に良い栄養が多い」と言うことが言われ始めており、れんこんもまたそうした皮むかない方が良い野菜であると言われています。
しかしれんこんは美味しく食べるためにはアク抜きをしっかりするものであり、皮はきっちりむくと言う人の方が圧倒的に多いでしょうし、その見た目から調理したことがなく正しい皮むきかたすら分からないと言う人であっても皮をむいて食べた方が良さそうに見えるものですから「皮むかない方が良いよ」と言われても「じゃあ、むきません」とすんなり受け入れられる人は多くないでしょう。
そこで今回はレンコンに含まれる栄養素や効果効能などをご紹介することで、れんこんの皮むかない方が良いと言うのがなぜなのかをご紹介します『れんこんは皮むかない方が栄養がある?皮ごと食べるメリット』と言う記事を書かせていただきました。
れんこんは本当に皮をむかない方が良いのかどうか?あるいはどれだけ皮むかない方が良いものなのかにについて興味があったりはしませんか?
れんこんに含まれている栄養素
日本人なられんこんがどんなものかを知らない人は多くないとは思いますし、健康に良いものであると聞いたことがある人も少なくはないと思いますが、一体どんな成栄養を含んでいる食べ物なのかは知らない人も多いでしょう。
そこでまず初めにれんこんに含まれている栄養素にはどんなものがあるのかをご紹介させていただきます。
ざっと上げますとれんこんに含まれている主な成分は以下の通り。
- ビタミンC
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
- 食物繊維
- タンニン
これらの成分の中でも特に注目してほしい成分はビタミンC、食物繊維、タンニンでして、れんこんを食べることで得られると言われる効果効能の多くはこれらの成分による働きです。
食物繊維が多いと言うのはシャキシャキした歯ごたえのものが多いことから想像できる人は少なくないと思いますが、ビタミンCが多いと言うのは意外に思う人もいることでしょう。
しかしれんこんは大体同じ重さのレモン汁と同等のビタミンCを含んでおり、更にはビタミンCは熱に弱いのですが、れんこんは根菜の仲間ですからデンプンが多いため、加熱してもかなりの量のビタミンCが残る特徴もあり、ビタミンCを摂取するのに向いている野菜でもあるのです。
タンニンは聞いたことがない成分である人も多いかと思うのですが、これがどんなものかと言いますと実は切り口の変色を起こしたり、苦味の元である所謂「アク」と呼ばれるものです。
この成分は確かに料理の味や見た目で言うならない方が好ましい特徴が多いのですが、健康効果として見るのならばポリフェノールの仲間ですから活性酸素の働きを抑える抗酸化作用、殺菌や消臭作用があると言えます。
こうした栄養素がれんこんには含まれていて、これらの栄養素を守り、同じ量を食べた時より多く摂取するために重要なのが、皮の部分なのです。
れんこんの皮がなぜ重要なのか?
れんこんの成分が体に良いと言うことは分かっていただけたかと思うのですが、ではそうした栄養素が皮に多く含まれているから皮むかない方が良いのかと言うとちょっと違います。
何せ確かに皮の部分にこそ多く栄養が含まれているとは言え、普通に食べる身の部分とはそもそもの量が圧倒的に違うのですから違いがあると言ってもトータルで見れば微々たる差でしかないのですから。
ではなぜ皮ごと食べたほうが良いのかと言いますと、皮をむかないで調理した方がビタミンCやタンニンが流出していってしまうのを防げるからです。
そもそも野菜の皮と言うのは内部の水分が外に出にくくするための防壁であり、これをむいてしまうと熱に弱い栄養素は熱で壊れてしまいやすくなり、水に溶けて存在する栄養素は水分が抜けるのと一緒に外に出ていきやすくなってしまうからです。
その為生で食べるならともかくとして、アク抜きなどの下拵えをするにしても、調理するにしても皮つきのまま行った方が、ある程度熱に弱かったり水溶性だったりする栄養素を残しておけやすく、結果的に体に良い効果効能を得やすくできると言うのがれんこんの皮が重要な理由なのです。
れんこんの持つ効果効能
れんこんは皮つきの方が体によさそうだとご理解していただけたところで、続いて具体的にはれんこんを食べることで得られる効果効能をご紹介させていただきます。
箇条書きにいたしますとれんこんを食べることで得られる効果効能は以下の通り。
- 腸内環境改善
- 免疫力の向上
- 美肌効果
- 血圧・血流の正常化
- アンチエイジング効果
どうしてこのような効果があるのかと言いますと以下の通り。
腸内環境改善
れんこんには不溶性食物繊維も水溶性食物繊維も両方含まれており、腸を刺激して排便を促進したり、体内の善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌の割合を増やす効果があり、腸内環境を整えてくれる効果があります。
またそれだけでなく、れんこんに含まれるタンニンが下痢などを緩和・改善する効果がありますし、後に紹介する血流の正常化効果もあり基礎体温の向上などの効果から消化器官全般の働きを良くする効果もあると言えます。
免疫力の向上
ビタミンCが豊富に含まれていることから白血球の働きを強化してウイルスの侵入を防いだり、ウイルスの増殖を抑制する「インターフェロン」の生成が活発になる効果がれんこんにはありますし、上記でご紹介したように腸内環境の改善効果もありますから免疫力を向上させる効能があります。
美肌効果
この効果も食物繊維とビタミンCが多く含まれていることによりあると言える効果効能。
便秘や血行不良は肌荒れの基となるため食物繊維で腸内環境や血流の正常化がなされることはもちろんのこと、ビタミンCにはコラーゲンの生成、細胞間脂質セラミドの合成などを促進し、肌の保水とキメを整えたりシミの原因となるメラニン色素が生成されるのを阻害することでのシミやくすみの予防改善効果や、皮脂抑制作用によるニキビ、ニキビ跡の改善効果もあります。
血圧・血流の正常化
こちらは主にカリウムの持つデトックス作用によるものです。
カリウムは体内の過剰な塩分を排泄する作用で特に知られており、この効果から血圧の上昇を緩やかにし高血圧やむくみを予防する効能があるとされていますし、毒素や老廃物を排出させる成分でもあり、ドロドロの血をサラサラにして血流を良くしたり、花粉症などのアレルギー症状の改善にも効果がある成分でもあるとされています。
アンチエイジング効果
ビタミンCやタンニンなどの抗酸化作用が高い成分がれんこんには含まれておりますし、これまでご紹介してきたような効果効能があるため、如何に健康に過ごせるかを決める内臓年齢、若々しさに直結する肌年齢を下げる効能があるとされています。
れんこんの皮をむかずに食べる場合の注意点
皮をむかずに食べる方が健康に良いと言う話をこれまでしてまいりましたが、皆様が皮をむかないでれんこんを食べる前にぜひ知っておいてもらいたい、皮つきで調理するデメリットについても最後にご紹介させていただきます。
まず皮をむかずに調理する場合色合いがどうしても悪くなります。
これは皮自体の色自体もさることながら、ポリフェノールの一種であるタンニンが空気に触れることで濃い紫色に変色して黒ずんだ見た目にしてしまうからです。
また同じようにタンニンが多く残ることで味も悪くなる問題点もあります。
既にご紹介しましたようにタンニンはアクの主な成分であり、これが多く残っているほど確かに健康には良いのですが、苦みや独特の匂いが強くなる傾向もあります。
どちらも料理の上ではとても大事なことですから、皮をしっかりむいてしまいたい人も少なくないとは思いますが、れんこんの皮は食べられないものではありませんし、「栄養的には皮をむかない方がちょっと良いものらしい」と言うことぐらいは覚えておいて欲しいと思います。