皆さんは麻婆豆腐やあんかけ料理などを作っている時に、片栗粉がなくて困ったことはありませんか?
片栗粉だけを買いに行くのも面倒ですし、夕飯の支度が遅くなってしまいます。
でもいくら美味しく作くっても、とろみのないシャバシャバな麻婆豆腐では、具材の豆腐と絡まないので、味の一体感が出ません。
こんな時、何か水溶き片栗粉の代用になる物があれば助かりますよね。ではどんな物が代用になるのでしょう?
まず、水溶き片栗粉がなぜとろみを付けられるのかを理解してから、代わりになる物を考えてみましょう。
なぜ片栗粉を“水溶き片栗粉”にして使うのか
元々片栗粉は「かたくり」というユリ科の植物の根茎から作られていましたが、現在ではほとんどジャガイモから作られています。
ジャガイモに含まれる澱粉は、加熱すると糊化する性質があり、それを利用してとろみを付けるのですが、片栗粉をそのまま料理に入れると調理の熱ですぐに糊化し、ダマになってしまいます。
そのため、予め水に溶かしてから料理に入れる必要があるのです。
それが水溶き片栗粉です。
澱粉がとろみを付ける働きをするのなら、澱粉を含む物だったら片栗粉の代用になりそうですよね。
次の項では、澱粉質を含む、水溶き片栗粉の代用になりそうな食材を考えてみましょう。
片栗粉の代用になる、とろみを付けられる食材は?
小麦粉:小麦から作られる小麦粉は、成分の8割がたを澱粉が占めます。
ですので片栗粉の代用が可能です。
小麦粉と水を1:1の割合で溶かしてご使用ください。
ただし小麦粉は片栗粉より粒子が細かく、タンパク質が含まれている分、水に溶け難く、使い過ぎると味に粉っぽさが残り、仕上がりは透明感に欠けます。
コーンスターチ:パン作りやケーキ作りに用いられるコーンスターチとは、とうもろこしから作られる澱粉のことです。
澱粉そのものなので、こちらも片栗粉の代用が可能です。
片栗粉とコーンスターチは同じ澱粉ではありますが、原料の違いから片栗粉の方が粘りが強く、コーンスターチのほうはあっさりとしたとろみになります。
コーンスターチと水を1:1の割合で溶かしてご使用ください。
葛粉:葛切りや葛餅などの和菓子や葛湯などの材料に使われる葛粉は、マメ科のつる性多年草の葛の根から澱粉を取り出して精製し、食用の粉にしたものです。
しかし葛粉100%のものは高価ですし、簡単には手に入りません。
そこで一般に葛粉として売られているものの多くは、ジャガイモやサツマイモ、コーンスターチを混ぜたものです。
ですのでこちらも片栗粉の代用は可能でしょう。
ただし葛粉は片栗粉より粘度は低めですが、冷えると固まるという特性があるので注意が必要です。
葛粉は製品によって葛の含有量が違いますので、葛粉と水の割合に決まりがありません。
ですのでとろみの様子を見ながら調節します。
しかし小麦粉はまだしも、コーンスターチや葛粉なんて、日頃から全く使わない!という方も多いでしょう。
ではいっそのこと、片栗粉の原料であるジャガイモを使ってみてはいかがでしょう?
ジャガイモをすりおろして料理に加えると、とろみを付けることができます。
おろしたジャガイモが、半透明の状態になってとろみが出るまで、充分に加熱してください。
更にこんな物も水溶き片栗粉の代用になる?
ここまでは澱粉のとろみ成分にこだわって来ましたが、とろみがあるのは何も澱粉を含んだ食材だけではありません。
たとえばオクラやモロヘイヤなどのネバネバは、ムチンという成分です。
このネバネバヌルヌル成分を利用すれば、水溶き片栗粉の代用になります。
例えばムチンを含んだ野菜であるレンコンは、すりおろして加熱するととろみが出ます。
ムチンを含む食材は他に、納豆、えのきだけ、なめこ、わかめ、こんぶなどがあり、どれも細かく刻んで料理に混ぜるととろみが出ます。
また山芋や里芋は、澱粉はもちろん、このムチンも含んでいて、刻んだりすりおろしたりして料理に加えると、片栗粉要らずのとろみが付きます。
色々とご紹介して来ましたが、片栗粉と比べると野菜や納豆はやはり粘り気が弱いですし、それぞれの素材が持っている味や風味がありますので、加える料理の質を変えてしまう恐れがあります。
ですので料理と合う組み合わせを考えて使う必要がありますね。
しかし怪我の功名とでもいいますか、意外に美味しくなる組み合わせが発見できるかもしれませんよ。