料理を作るときに使う粉にはいろいろな種類がありまして、団子や餅類などの和菓子を作るときにはやはりお米の粉を用います。
しかしお米の粉と言っても米粉、白玉粉、上新粉とあり、まったく料理をしない人からしてみたら片栗粉やコーンスターチだって似たようなものに感じることもあるでしょう。
しかもお米の粉ってあんまり一般家庭に常備していることはないでしょうし、そもそも料理をしない方には「そもそもお米の粉って必要なものなの?」ということも疑問な人もいるでしょう。
実際のところどうなのかと言いますと、和菓子類を作ったりするのにはもちろんのこと、菓子類全般を作るのには米粉の仲間、特に上新粉はあるとうれしいものです。
そこで今回は『上新粉の代用は片栗粉・白玉粉・米粉どれが一番いいの?』という疑問にお答えするために上新粉についてや他のもので代用が可能なのかについてをご紹介したいと思います。
上新粉とはいったい何か?どんな特徴があって、どんなものなら代用できるかに興味ございませんか?
上新粉とは何か?
まず上新粉とは何かということをご説明させていただきます。
上新粉とは精白したうるち米を洗い、乾燥させた後に少量の水を加えて粉にした「米粉」の一種です。
そのため「上新粉の代わりに米粉を使う」というのは日本語が少しおかしいかもしれません。
ちなみにうるち米というのは炊いて食べる私たちにとっての「普通の米」のことであり、この「普通のお米の粉」を使う米粉が「新粉」と呼ばれる種類のもの。
この新粉を更に目の細かい順番に分類した種類が四つあり、目の粗い順に新粉・並新粉・上新粉・上用粉と分けられますから、そこそこ目の細かいものが上新粉であると言えるわけです。
簡単にまとめると以下の特徴があると言えます。
上新粉の特徴
- 原料はうるち米
- 米に少量の水を加え粉状にしたもの
- かなり細かい粉末
- 柔らかさ、滑らかさを作ったものに出る
以上の上新粉の特徴を踏まえた上で、上新粉の代わりにいったい何を使うのかを考えてみたものを次からはご紹介します。
上新粉の代わりに他の米粉を使ってみる場合
上新粉が米粉の一種であり、その中の新粉というカテゴリーの中のひとつですから作るものによっては同じ米粉の仲間ならば代用がききます。
完全に上新粉とは同じもので目の粗さだけが違いである「新粉」「並新粉」「上新粉」「上用粉」は特に問題なく使いまわせます。
強いて言うならばお団子や餅類を作るのには「新粉」「並新粉」はダマになりやすいというぐらいで、洋菓子やパンを作るときにはちゃんと篩(ふる)って使えば良いというぐらい。
製菓用米粉の中にはグルテンを混ぜたより粘り気が強くなるものが多いので、洋菓子を作る際は仕上がりに違いは出てきますが、失敗するというほどのことは余りありません。
しかし同じ米粉の中でも「うるち米」ではなく「もち米」を原料としているものは少し勝手が変わってきます。
どう変わるかということの詳しいことは以下の「白玉粉の特徴」のところをご覧ください。
上新粉の代わりに白玉粉を使ってみる場合
和菓子を作るのに使うお米の粉と言った時、最初に多くの人が思い浮かべるものと言えば白玉粉ではないかと思います。
では上新粉の代わりに同じ米粉の仲間である白玉粉を使ってみるとどうなるのかをご紹介させていただきます。
まず白玉粉の特徴を考えてみると以下のとおり
白玉粉の特徴
- 原料はもち米
- 米を完全に磨り潰し、水と合わせ液状にしたものの沈殿物を乾燥させて作る
- 粉状ではなくほとんどが数ミリ各の固形状
- もちもちした弾力を持つ物が作れる
ざっと見ていただいたら分かるように、「米が原料」ということ意外はまったく上新粉と一致することはありません。
そのためお団子や餅っぽいものを作ることができる、と言えば近いものではあるかもしれませんが、出来上がったものがかなり異なるようなものであることは間違いないと言えます。
一応白玉粉をすり鉢などで細かく砕き上新粉と同じぐらいの目の荒さにまでしたなら、「柏餅」や「すあま」といった和菓子ならそれっぽいものを作ることはできますが、あんまりお
勧めできません。
またここまでしてもパンを作るときなどには仕上がりに大きく違いが出てまったく変わりになりません。
そういうことから白玉粉はほぼ白玉を作る専用のものだと思って良いかと思います。
上新粉の代わりに片栗粉を使ってみる場合
上新粉の主な利用方法としてはお菓子、特に和菓子を作るときに使われますからその代用品としては同じ米粉を使うのが無難ですが、料理によってはとろみをつけるのに上新粉を使う場合に関しては片栗粉での代用が可能な場合があります。
片栗粉の特徴は以下のとおり
片栗粉の特徴
- 原料はほぼジャガイモ(本来の意味でのカタクリの物も稀にある)
- 完全に磨り潰し、水と合わせ液状にしたものの沈殿物を乾燥させて作る
- かなり目が細かいサラサラした粉
- とろみをつけることができる
以上のことからとろみをつける目的であるならば片栗粉の代用も不可能ではありません。
ただし片栗粉は温度が下がるととろみがなくなってしまう物ですし、上新粉でつけるとろみはやはり片栗粉でつけられるとろみとは違う物ですから、できないことはないというだけでお勧めできるというほどのことはありません。
またお菓子を作る上での性質に関してはまったく似通った点がなく、洋菓子を作る際にも和菓子を作る際にもまったく代用がききません。
上新粉の代用は何が一番良いのかまとめ
まとめると上新粉の代用は「米粉」の中でも上新粉と同じ分類の「新粉」の仲間を使うことがお勧めで、それ以外では代用するのはできないことはありませんが、お勧めはできません。
また逆に同じ米粉や白玉粉の代用にするには上新粉は不向きですし、性質がまったく違うので小麦粉の代わりにはなりません。
強いて言うならば片栗粉の代わりとして揚げ物につけたり、ベタベタくっつかないようにするために使うことはできますが、それなら片栗粉を買ったほうが良いと言えますから、結局上新粉は明確な目的なしに買うのはもったいないとも言えるものです。
以上のことを踏まえ、上新粉は買いおくのはもったいなく代用もしにくいので、おとなしく上新粉を使う料理を作るためには上新粉を買うことをお勧めします。