カルダモンとはさわやかで上品な香りと様々な効能があるスパイスであり、「スパイスの女王」とも呼ばれるスパイス。
もっとも日本人はあまりスパイスを多用する料理をご家庭で作ると言う方は多くはないので、ほとんどの方はカルダモンの使い方も良く知らないでしょうし、香りが良いことは知っていてもその脳に影響を与えるほどの効果効能をご存知でない方が多いです。
またそこまで有名ではありませんが、過剰摂取による副作用や特定の症状をお持ちの方が摂取することで、特定の症状が出ると言うことはご存知でない方も多いです。
そこで今回はカルダモンと言う日本ではちょっとマイナーですがかなり特徴的なスパイスが「一体どんな物なのか?」から、その「オススメの使い方」や「効果効能」そして、「副作用について」などをご紹介させていただく『カルダモンとは?料理に使うとどんな効能と副作用があるの?おすすめの使い方!』 と言う記事を書かせていただきました。
最も古いスパイスのひとつ、カルダモンの使い方や効能、副作用に興味はございませんか?
カルダモンとは?
まずはそもそもカルダモンとは何かを簡単に説明させていただきます。
カルダモンとはショウガ科の多年草である植物の種を乾燥させたスパイスの名前でインドから中東地方にかけてはかなりメジャーなスパイス。
原産地は主にインド、スリランカ、マレーシアあたりでインドではもちろん、一説では古代ギリシアや古代ローマでも紀元前から使われていたとされるほど世界の広い範囲でかなり歴史があるスパイス。
最大の特徴は「高貴な香り」と表現されることが多いユーカリ系とレモン系の合わさったようなさわやかな感じの香りであり、その香りが料理に使う用のパウダーの香りでもアロマや香水に匹敵する程強い香りであること。
インドや中東地方では特に良く使われ、インドで言うならばガラムマサラなどのミックススパイスには必ず使われていますし、カレーやチャイといった代表的な料理にはかかせないスパイスのひとつとされ、中東地方ではコーヒーにカルダモンのエッセンシャルオイルやパウダーを混ぜた「カルダモンコーヒー」と言う飲み物がメジャーです。
また料理意外にも薬として古くから使われてきた歴史も長いスパイスでして、漢方薬などでは「白豆蒄あるいは小豆蒄(どちらもショウズク)」と言う名前で使われています。
では続いてそんな香りが特徴のカルダモンとは一体どのようにして料理に使っていくのがオススメなのかをもっと具体的にご紹介します。
カルダモンの料理への使い方
カルダモンの料理への使い方はやはりその香りを活かす使い方をします。
その為もちろん臭いを消したい肉料理や魚料理で使うのがオススメなのですが、一応生姜の仲間なのですが、使う部分が根っこの部分ではなく種の部分なので辛味を感じることは殆どなく、その香りを楽しむためにスイーツ類や飲み物に使うと言うのも非常に合います。
またカルダモンを料理に使う際の注意なのですが、本当に香りが強いため他のスパイスよりも少量でもかなり香りが出ることに気をつけてください。
かなり強い香りなので嫌う人もいますし、いくら香りが良くて味がそんなにないからといっても食欲をそそる系の匂いではなく、どちらかと言うと花の香りに近いアロマや香水向けの香りなのでそんな臭いが強過ぎると返っておいしくなく感じる人が大多数です。
具体的な料理としてどんな物にオススメなのかと言いますと、肉や魚をソテーやグリルのような味付けが複雑でなく、出来るだけ素材の旨味を単純に味わえるような料理する時に使うのがオススメで、そうした料理に香りのアクセントをつけるのに使うと良く栄えます。
スイーツで使う場合もクッキーやマフィン、シフォンケーキなど味が単純なものに使い、香りが立つようにするのがオススメで、ちょっと変わったところですとフィンランドでは定番の菓子パン「プッラ」などが基礎のレシピからしてカルダモンを使うスイーツの代表です。
温かい飲み物に使う場合の代表格は先程少し触れた「チャイ」と「カルダモンコーヒー」がその代表格でして、出来上がった飲み物にパウダー状のものを少量入れる方法でも良いのですが、ホール(種を乾燥させただけの物)の状態の物を水で煮出して香りをつけたお湯でコーヒーをドリップすると言うやり方もオススメです。
もちろんその場合、言うまでもなくカルダモンを入れすぎたり煮出し過ぎたりすると、カルダモンの香りが強すぎて美味しくなくなるので、カルダモンの分量と煮出し時間には注意し、香りが強くなりすぎたらお湯で割りましょう。
では続いてはそんな使い方をするカルダモンにはどんな効果や効能があるのかをご紹介させていただきます。
カルダモンの主な効果・効能
カルダモンとはどのようなものであり、どんな風にして使うのがオススメなのかを説明させていただいた所で、続いてはカルダモンにはどのような効果・効能があるのかをご紹介させていただきます。
主にどんな効果・効能を持つかと言いますと次の通り
- 口臭予防
- 消化器官の不調改善
- 精神安定効果
- 集中力向上作用
これ以外にも様々な効果効能があるとされていますが、主にこの4つがカルダモンが持つ効果効能として知られています。
一つずつどうしてこのような効果を持っているのかを説明させていただくと次の通り。
口臭予防
強い良い香りがするので臭いを誤魔化せると言うのもありますが、カルダモンに含まれるシオネールという成分が消臭効果を持っているためそうした意味でも悪臭を軽減する効果を持っています。
その消臭効果は非常に強いアルコール臭やニンニク臭も軽減するほどの物であり、後ほど「消化器官の不調改善」の項目で詳しく触れますが、消化器官への効果も持っているために胃から上がってくる臭いへの対応にもなります。
消化器官の不調改善
カルダモンは漢方では健胃作用があるとして使われ、唾液や胃液の分泌を促し消化吸収を助け、粘膜を鎮静させ胃酸過多や胃のむかつきの症状を緩和しますし、腸への効果もあり、腸内にたまったガスを排出させる作用もあるとされています。
また生姜の仲間であるために飲んだ後に微弱ながらも清涼感があり、食後の食べ過ぎから来る胃腸の不快感を緩和してくれる効果もあります。
精神安定効果
アロマとして炊くことによりかなりのストレス軽減効果が見受けられるとされているようにカルダモンの香りには精神を落ち着ける効果があるそうです。
この理由はカルダモンが含むテルピネオールとシネオールという香りの素となる成分にありまして、当然カルダモンを料理に使い体内に摂取することでもある程度この効果は得られます。
ベストな方法としてはイライラしたりした時にカルダモンのホール(種の状態)の物を口に含んで噛むこと。
香りが強く感じれますし、物を噛むと言うことによる効果も相まってかなり落ち着く効果が得られます。
集中力向上作用
まず「精神安定効果」の所でも触れたようにストレス軽減効果があることがその理由としてあげられます。
そしてそれだけでなくカルダモンを摂取すると脳の前頭葉の酸素消費量に変化が起こることがわかっており、その結果として脳が活性化することで集中力が増すと言われています。
この他にも体を温める作用や呼吸器系を正常化する作用などもあるとされており、カルダモンはかなり人体に有益なスパイスであると言えます。
しかしそんな体に有益な効果をいくつももたらしてくれるカルダモンですが、過剰摂取による副作用と言えるべき害もないことはなく、大量摂取は健康を害する恐れがあることも一応知っておいて欲しいです。
カルダモンの過剰摂取による副作用
一応カルダモンも過剰摂取することで害がないとは言えません。
とは言えカルダモンは非常に強い香りを持つスパイスですから大量に料理に使えばまず気持ち悪くて食べられませんので、通常の料理に使っている分にはまず過剰摂取を起こすことはないです。
しかし万が一エッセンシャルオイルを抽出した物を誤って飲み込んでしまった時や、匂いに慣れすぎて常にカルダモンのホール(種の状態)の物を口に含んで噛む生活をしていたりすると、粘膜を鎮静させ胃酸過多や胃のむかつきを抑える効果を持つ物なので、返って消化を阻害する恐れがあります。
特に基本的に小さな御子様などは許容量が少ないので普通の料理に使って食べる分には問題ありませんが、カルダモンのホール(種の状態)の物を口に含んで噛むのはあまりオススメできません。
また胆石、胆嚢疾患、胆管疾患がある場合はその痛みを軽減する効果をカルダモンは持っているのですが、痛みを軽減してしまうために返って危機感を失わせ悪化させてしまうこともあるとのことでそうした症状をお持ちの方も多量摂取につながるような使い方はオススメできません。