ナツメと言う果物をご存知ですか?
ナツメは日本ではその名前を知らない人もいるぐらいの果物であり、見かけるとすれば本格的な中華料理屋か韓国料理屋の料理に使われているものか、中華食材の売り場にあるドライフルーツの状態で売られているものぐらいで、それ以外に見るとしても地方によっては稀にシロップ漬けや甘露煮になっているものを見かけるぐらいでしょう。
しかも中華料理を作る時にもそんなに良く使うと言うものではなく、存在そのものは知っていても戻さずそのまま食べられるものなのかやどんな食べ方をするものなのかは知らない人も少なくないでしょう。
しかしこのナツメは、薬膳料理などにも利用されるものであり、中国では古くから健康に良い効能があるとされてきた食材でもあり、最近では老化防止の効能に特に優れ、美容にも効果が高いとも言われている食材であり、近年女性を中心に少し注目され始めている食材でもあるのです。
ですがこのナツメ食べれば食べるだけ良いと言うものでもなく、高い効能を持つ反面で食べ過ぎによる副作用とも言えるようなことも起こるもので、美容や健康のためにはしっかりと効能と副作用を把握した上で適量食べることが必要なものでもあります。
そこで今回はそんなナツメについての「そもそもナツメとは?」や「ナツメの効果効能」、「ナツメの食べ方」そして「一日何個までが適量と言えるのか?」までをご紹介する『ナツメの効能と食べ方!食べ過ぎると副作用はあるの?』と言う記事を書かせていただきました。
中国由来の「古くて新しい健康食品」ナツメについて興味があったりはしませんか?
ナツメとは?
まずはそもそもナツメとはなんなのかを知らない人も多いと思いますので、一体どんなものなのかを簡単に説明させていただきます。
ナツメとはクロウメモドキ科の日本では主に庭園樹として使われる落葉樹の3~4cmぐらいの木の実です。
その名前は「ナツメヤシ」に似ていますし、英語では「Chinese-date(チャイニーズデーツ)」とも言い同じものと思われがちですがナツメヤシの実であるデーツとはまた違うものでしてドライフルーツになったものは見た目こそ似ていますが成分も異なります。
原産国は中国北部から西アジアにかけてであり、主に完熟した実をドライフルーツにして食べることが多いですが、生でそのまま食べてもシャクシャクとした食感と酸味と仄かな甘味がある「調理前提の品種であるりんごや梨」に似たような味が楽しめますし、甘露煮やシロップ漬けと言う食べ方をされている地方もあります。
日本でも実は飛騨地方(岐阜県の一部)では比較的良く食べられており、まだ青い状態の果実を砂糖と醤油で甘露煮にしたものがおかずとして食卓に並ぶこともあるそうです。
そんなナツメですが、「では美味しいのか?」と聞かれると正直生で食べるにしても調理して食べるにしても、今では似たような味・香り・食感であるもっと美味しい果物が沢山あり、敢えて食べたいと思う人は余程昔から食べなれてきたような人ぐらいのものと言ったところ。
ですがナツメの真価はそこではなく、含まれる成分とその成分による美容と健康ヘの効果効能こそに価値があります。
具体的にどんな成分が含まれており、そんな効果効能があるかと言いますと次の通り。
ナツメの成分と効果効能
ナツメに含まれている栄養の中で主なものとして挙げることができるのは以下のもの。
- カリウム
- 葉酸
- ビタミンB2
- 亜鉛
- マグネシウム
- カルシウム
- 鉄分
- 食物繊維
この中でも特に「カリウム」と「葉酸」が多く含まれており、その他にもサポニンやパントテン酸、リン、ナイアシンなども含んでいます。
こうした成分を含んでいることからナツメは血液と肌に対する健康への効果効能が高いとされており、最近の研究では女性には特に嬉しいアンチエイジング効果も比較的高いとも言われています。
より具体的な効果効能としては以下のようなものがあると言われています。
- デトックス効果
- 血液(赤血球)や細胞を作り出す効能
- 冷え性・むくみ・肩こりなどの予防・改善
- 基礎代謝の向上
- 美肌効果
- 免疫力の向上
- 疲労回復力の向上
- 消化器官の正常化
御覧のように主な効果効能としては血液と血流の正常化に伴う効能によるもので、比較的多くの美容と健康への効果が微量ではありますが色々な所にあると言う感じです。
この他にも「オレアミド」と言う成分による睡眠の質向上や精神の安定化効果があるとも言われていますし、「サポニン」という成分がコレステロールや中性脂肪を減らす効果や、脂肪とブドウ糖が結合してしまわないようにすることで脂肪が蓄積されるのを抑制する効果があり、ダイエット効果も期待できると言われています。
こうしたことから抗酸化作用を持つ成分が特別多いと言う訳でこそありませんが、老化することで起こりやすい血行不良や肌の劣化、免疫力や回復力の低下を緩やかにしてくれることからアンチエイジング効果があると言えるのです。
ナツメのオススメの食べ方
さて、ここまででナツメがなぜオススメされているのかは理解していただけたかと思うのですが、「良し、では食べてみよう!」となっても昔から良く食べていたと言う方ならばともかく、ナツメをこれから美容や健康のために食べようと言う方には1つ問題が発生します。
それはどうやって食べたら良いのか良く分からないという問題。
最も簡単なのはもちろんそのまま食べること。
極々普通と言った味のドライフルーツですからお茶請けやお酒のつまみには悪くありません。
料理に使う場合はレーズンなどのドラフルーツのようにパンやお菓子類に混ぜて使うか、中華料理や韓国料理の一部で見られるようにトッピングとして1つ2つ使うのが定番です。
しかし美容と健康のために食べるともなれば話は別。
何せ殆どの日本で普通に手に入るナツメはドライフルーツであり、稀に甘露煮やシロップ漬けがある程度でどう考えてもナツメによる美容や健康への効果効能を得る以上に糖分の過剰摂取の悪影響を受けそうだからです。
そこでオススメしたいのはナツメ茶。
作り方は簡単で以下の通り
- ドライフルーツのナツメを10~20個ほど約4時間50℃ぐらいの水に浸ける
- 水200cc(ml)、戻したナツメ、はちみつ(大さじ1)、酒(大さじ1)を鍋に入れ強火で煮る
- 沸騰したら弱火にして30程煮る
ちょっと作るのに時間はかかりますが、こうするとドライフルーツの問題点である大量の添加されている糖分をある程度抑え、ナツメをそこそこの量食べることが出来ます。
作り方では美容と健康への効果効能や味の相性的にハチミツがオススメですが、ないと言う場合は水の量を減らし、ドライフルーツを戻した時の水が砂糖水状態になっているのでそれを加えても構いません。
カフェインレスはもちろんのこと、ナツメには精神安定や疲労回復力の向上、睡眠の質向上効果もありますから温かい状態で夜に飲むのが特にオススメ。
注意点としては煮だしたナツメも普通に食べて欲しいことと味も香りもそこまで強くはないので紅茶やコーヒーのようには飲めないことぐらいなので特に気にすることもありません。
ナツメは一日何個までが適量と言えるのか?
最後にナツメの食べ過ぎや副作用についてをご紹介させていただきます。
まず知っておいて欲しいのは生のナツメですとまず食べ過ぎの心配はしなくて良いです。
食べ過ぎが問題となるのはドライフルーツやシロップ漬けや甘露煮。
大前提としてかなりの砂糖を使うので当たり目ですがまず糖分の取り過ぎで体を壊します。
糖分の量を考えると一日の適量は5粒、10粒以上は食べ過ぎとも言われているため覚えておいてください。
また純粋に糖分を抜きにして考えても実は過剰摂取で他のドライフルーツ同様食物繊維は多いので普通にお腹を壊すことはありえますし、その外にも以下のような症状を起こす人もいるそうです。
- 喉の腫れ
- 口内炎
- 腹痛
- 吐き気
- 肌荒れ
ですがこれらを起こす具体的な量は特に明記されておらず、それこそ一日に50粒とか毎日30粒必ず食べると言った量を食べなければ特に問題はないようですが、ナツメを食べていて万が一このような症状が出た場合は医師に相談するようにしてください。