柿は日本で昔から秋の味覚の一つとして楽しまれてきた非常にポピュラーな果物であり、安く大量に手に入りますし、保存方法次第では保存食になるほどのとても長持ちさせることが出来る果物ですが、その熟し具合により大きく好みが分かれるような果物。
その為好みの状態の柿を楽しむためにはどんな保存方法で、どれぐらいの保存期間置いたものがどうなるのかを知っておいた方が良いというもの。
そこで今回は常温、冷蔵庫、冷凍庫それぞれで柿を保存した場合の保存期間などや切った柿の保存方法についてや保存食にもされてきた干し柿と言う保存方法などについてまでまとめた『柿の長持ち保存方法と保存期間!【常温・冷蔵庫・冷凍】切った柿は密封が大切』と言う記事を書かせていただきました。
少々長めの記事になりますが、その分色々なことまでしっかりと解説させていただきますので是非御覧下さい。
柿の主な保存方法と保存期間
まずは柿の主な保存方法と保存期間を簡単にご紹介します。
- 常温では熟していない柿が最大で10日、熟した柿は4日
- 冷蔵庫で熟していない柿が最大で1ヶ月、熟した柿は2週間
- 冷凍庫でなら熟していても、いなくても最大2ヶ月
御覧のように熟しているかどうかと保存温度でかなり柿は保存期間に差が出ます。
しかし保存に適した温度と熟しやすくなる温度はまた別で、好みの状態が固い柿なのか柔らかい柿なのかで買ってきた柿をどの温度で保存した方が良いのかが変わります。
また食感について言うならば冷凍庫で保存した場合も大きく変化するので冷凍保存する場合はそのことにも注意です。
そうした特徴も踏まえ続いて、詳しいそれぞれの保管方法について御説明します。
常温保存する場合
まずは熟していない柿がお好みの方のための保存方法についてご紹介します。
基本的には柿は高い温度と乾燥に弱い特徴があるため常温で保存するにしても冷暗所がオススメの場所。
しかし柿の旬の時期には空気が乾燥していることも多く、更に柿がかなり大量にエチレンガスを発生させるため、冷暗所で保存するだけでは十分に熟す速度は落とせないので3日もあれば柿が熟しきるので悪くなってしまう速度も大して変わりません。
なので長持ちさせるためには柿の乾燥とエチレンガスの発生を少しでも抑えるためにヘタの部分を湿らせておく処理が必要です。
その為以下の方法で常温保存するのがオススメ。
- 柿のヘタの部分だけに当たるように濡らしたキッチンペーパーを折りたたみあてる
- ヘタが下に来るように皿やトレーの上に乗せる
- 冷暗所で保存
- 毎日キッチンペーパーを交換
こうすることで最大10日長持ちさせられて、1週間ぐらいシャキシャキした食感のまま柿が常温保存することが出来ます。
しかしヘタが乾燥すれば直ぐに熟してしまいますのでその点だけには注意です。
続いて熟した柿がお好みの方のための保存方法についてですが、買って来た段階で好みの固さに熟しているのでなければまずは特に何もせず好みの固さになるまで置いておくことからスタートします。
するとどんなに遅くとも3日で熟してきますので、その後上記の方法と同じ保存方法をお試しください。
その場合の最大保存期間は熟し具合にも寄りますが、所謂本来の食べごろである形は保っているけれども簡単に口の中で解ける状態で4日、更に進んで皮を向けばどろどろになると言う一歩手前で2日ぐらいです。
冷蔵庫で保存する場合
冷蔵庫で保存する場合は柿の状態変化が起きにくくなるので長持ちするのですが、熟すのが遅くなりますし、美味しくならず柔らかくなる場合もあるデメリットがあります。
その為冷蔵庫で保存するのは「好みの固さになった柿」だと思っておくといいかもしれません。
冷蔵庫で保存する場合のおすすめの具体的な方法は以下の通り。
- 柿のヘタの部分だけに当たるように濡らしたキッチンペーパーを折りたたみあてる
- ビニール袋やジップロックに1つずつ入れ、しっかりと空気を抜き口を閉じる
- ヘタが下に来るように野菜室で保存
- 3日に1度くらいの頻度でキッチンペーパーを交換
基本は常温保存する場合と同じなのですが、常温保存する時以上に冷蔵庫で保存する時は乾燥しやすいですし、密室になるため柿が出すエチレンガスの影響が回りにでやすく、他の食材が早くダメになってしまいやすいので密封することが重要です。
この方法で保存した場合、平均的な食べられる保存期間が熟していない柿が最大で1ヶ月、熟した柿は2週間ぐらいになります。
既にこれだけ長持ちさせられれば十分だと言う人も多いかと思いますが、本当に大量にあるのでもっと長持ちさせたいと言う場合は、冷凍保存するしかありません。
冷凍で保存する場合
柿は冷凍保存すれば最大で2ヶ月以上長持ちさせることも出来ますが、シャキシャキした食感の固い柿が好きだと言う方には冷凍すると柔らかくなってしまうためオススメはできません。
また本来の食べごろである「形は保っているけれども簡単に口の中で解ける状態」を越えた熟した柿も、冷凍すればほぼ原形を留めていないピューレ状態になるので熟した柿がお好みの方も注意してください。
それでも冷凍保存してみたいという方は柿の熟し具合に合わせて以下の方法で冷凍するのがオススメ。
シャキシャキした熟しきっていない柿の場合にオススメ、柿を普段食べる形に切り冷凍
- 皮を剥き、櫛型などの一口大に切る
- ラップを敷いた金属バットやアルミホイルを敷いた皿などに重ならないように並べてる
- 凍ったらタッパーやジップロックに入れ、出来るだけ空気を抜いて保存。
冷凍した柿は完全解凍するとドロドロに溶けることもあるのですが、元がまだシャキシャキした柿ですと丁度熟しきったぐらいの固さになることが多いので完全解凍して食べられます。
その他にも半解凍でシャーベットのようにも食べられますし、そのまま食べられる状態になっているのでミキサーにかけ、スムージーやピューレとして利用することも出来ます。
熟して柔らかくなり始めた柿の場合にオススメ、柿を丸ごと冷凍
- 皮もヘタも付いたまま洗う
- そのままジップロックに入れる
- しっかり空気を抜いて冷凍庫で保存
食べる時は半解凍でヘタが付いている部分を蓋の様に少し切って、スプーンなどですくって食べます。
シャーベットのような状態で食べることが出来、熟しているような柔らかい柿は苦手という方は冷凍するならこれがオススメ。
食べごろ以上に熟した柿の場合にオススメ、柿をピューレにして冷凍
- 皮を剥き、解しながら種を取る
- 包丁で刻むかミキサーにかける
- ジップロックに入れ空気を抜いて保存
一定以上熟してしまったものはいっそ冷凍する前から解してしまい、ソースやスムージーの材料として冷凍するのも一つの手。
ドロドロの柿が好みだと言う方は、深めの皿で自然解凍してスプーンで食べたり、コップに入れて解凍しジュースのように飲むと言うのも良いかも知れません。
切った柿を保存する方法について
時には柿を剥いて切ってみたものの思ったよりも食べられず残ってしまったり、思ったよりも熟しておらず取って置きたいと思うこともあるかと思います。
しかし柿は既に何度か触れましたように乾燥に弱いため、切ってしまうと冷蔵庫で保存して長持ちしても3日ぐらいが限度でして、それ以上長持ちさせたい場合は食感が変わるデメリットを踏まえた上で冷凍するしかありません。
その為柿は切ってしまったら直ぐに食べたほうがいいのですが、どうしても出来るだけ食感を保ちつつも保存しておきたい場合は出来るだけ密封し、野菜室ではなく冷蔵庫で保存すると良いです。
乾燥させて柿を保存する方法
果物を保存食にするため干してドライフルーツにすると言うのは世界各地で古くから行われてきましたが、日本の干し柿もその一つ。
乾燥に弱く、エチレンガスで自ら寿命を縮める柿もそうすることで保存状態によっては最大半年ぐらい長持ちさせることが出来ます。
しかしご存知の方も多いかと思いますが、干し柿にするのは基本渋柿であり、普通に食べる柿を干してもあそこまでの甘さにはならず、期待したような出来にはならないことに注意。
また乾燥させる過程で素早く乾燥させきらなければ、中途半端に乾燥してカビが生えたり、腐ったりしてダメになってしまうことも多いので、ドライフルーツや干し野菜を作る専用の機械を用意するか、空気が乾燥していながら連日日差しが強い日が続くタイミングを狙う必要があります。
そのためそのまま生のままで食べる柿を保存食である干し柿にするのはあまりオススメできません。
どうなったら悪くなっているのか?
最後にどうなった悪くなっているのかをご紹介します。
悪くなったことが分かるポイント
- カビが生えている
- 異臭がする
- 苦味や酸味を感じる
しかしご紹介した保存方法で熟したものを保存しておくとカビが生えるより先に熟しすぎて腐ったりすることもあり、その時は臭いをまず基準にダメかどうかを判断していただけたら良いと思います。
柿がダメになった時はかなり強烈に臭い臭いがしますので恐らく分かると思います。
また臭いに異常がなくとも渋柿でもないのに独特の苦味や酸味を感じた場合もかなり悪くなっている可能性が高いので、こうなった段階でもう食べないほうが良いです。