塩麹の大ヒットで、麹にスポットを当てた健康調味料や食品が、続々と登場していますね。
そんな中でも、塩麹の人気は一過性に終わることなく、調味料としてすっかり市民権を得ている様子。
最近では、材料の米麹も、食材店やスーパーなどで手に入るようになりました。
塩替わりに気軽に使えるのはもちろんのこと、塩では得られないおいしさ、加えて美肌やダイエット効果まで! となれば、人気の広がりもうなずけますよね。
では、塩麹の何が、美容や健康にいいとされているのでしょうか。
美肌につながる成分とは?
ダイエット効果が期待できる理由とは?
ブームが定着し、明らかになってきたことも多く、まとめてみましたので、塩麹選びの参考にしてみてください。
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塩麹の主役・米麹が、美容効果を促すカギ
塩麹の主役となる材料は、米麹。
これが美肌にいいとされるゆえんです。
そもそも、米麹の正体がなんだか、ご存じですか。
自然界に存在するさまざまな菌のひとつ、麹菌を、蒸した米につけて、繁殖させたもの。
日本の高い湿度と気温は、麹菌が活動するのに適しているといわれ、日本では古くから、米、麦、大豆などに加えられ、さまざまな食品が作られてきました。
とりわけ、重用されたのが、米麹です。
日本酒や米味噌、みりん、甘酒などに長年使われている材料ですが、塩麹の大ヒットで、再びスポットライトを浴びたわけですね。
この米麹に含まれる成分のひとつ、コウジ酸に、美肌効果があるといわれています。
美白化粧品などにも用いられているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
日本酒を造る過程で米麹を扱う朴氏の手が、雪のように白いことから着目されたという、このコウジ酸は、シミの元となるメラニンの生成を抑える働きがあることが明らかにされています。
また、肌が黄色くくすむ原因となるAGEsという物質の生成を抑える効果があることも、わかってきたそうです。
米麹は、繁殖させると麹菌の菌糸が白い綿のようにホワホワと伸びてきて、花が咲いたように見えることから、“糀”という漢字を当てることもありますが、まさに糀を連想させるような、天然の美白サプリなんですね。
塩麹の持つ酵素パワーが、ダイエットや健康に効果大!?
米麹は、コウジ酸だけでなく、食物酵素の宝庫といわれています。
ダイエットや健康への効果を期待される理由は、ここにあります。
酵素は、消化吸収や代謝にとってなくてはならないもので、種類も働きもさまざま。
本来、体内にあるものですが、それだけでは足りないときがあります。
そんなときの強い味方が、外から摂取できる食物酵素で、米麹には、それがたくさんあるんです。
中でも、多く含まれているのが、腸内環境を整えるのにひと役買っている、アミラーゼという酵素。
アミラーゼで便秘などが解消され、代謝が良くなれば、自然と太りにくい体質に変わっていきますから、ダイエットや美肌にもつながります。
さらに、動脈硬化や心臓病予防に効果が期待できる葉酸やビオチンなどのビタミンB群を豊富に含んでいるともいわれていますから、健康やアンチエイジングの効果も期待できそうですね。
塩麹は、健康調味料の中で最強の使い勝手!?
米味噌やみりんだって、米麹を使った調味料ですよね。
それなら、なぜ、塩麹がこれほどもてはやされるのでしょう。
やはり、家でも手軽に作れ、たくさんの料理に使える使い勝手の良さが人気を呼ぶ理由ではないでしょうか。
塩麹は、米麹に塩と水を加えて、糠床のように、1日1回混ぜながら、季節によって5~10日ほど置くだけ。
味噌に比べれば、圧倒的に仕込みがラクですよね。
しかも、塩替わりに使えるので、料理や素材を選びません。
また、美容や健康への効果を促す米麹の酵素は、味にも大きな魔法をかけてくれます。
酵素のおかげで、塩のとがった辛味がまろやかになり、甘味がでてきますので、塩を塩麹に替えるだけで、驚くほど奥深い味わいになります。
さらに、腸内環境を整えるのに役立つ酵素アミラーゼには、ものをやわらかくする働きがありますから、肉や魚を漬けておくと、グッとやわらかくなるという利点もあります。
美容効果を期待したいなら、自家製塩麹がおすすめ
塩麹が、ダイエットや健康にいいとされる理由のひとつに、酵素があると書きました。
その酵素が、熱に弱いというのは、知られているところです。
同じ塩麹でも、加熱処理された市販品は、非加熱の市販品や自家製より、酵素の働きが弱いという調査結果も出されているようです。
家で作るのは……という人は、非加熱の市販品を選ぶのがいいようですが、健康の面でも、味の面でも、より多くの効果を期待したいなら、自家製がいちばん。
米麹の性質、塩の種類、気候によっても味は左右されますから、まずは、手に入れた米麹の袋に記載された分量で、作ってみてください。
米麹と塩、水を混ぜたら、あとは時がおいしくしてくれます。