アロエベラは古くは紀元前の頃から怪我や病気の治療、美容や健康の維持ために利用されてきた植物であり、今の時代になっても尚アロエベラを利用した医薬品や食料品、化粧品などが沢山ある歴史ある「奇跡の植物」の1つ。
その効果効能の確かさは科学的にも証明されており、アロエベラには様々な栄養素や有効成分があることが判明していて、現代になってからもアロエベラの価値は下がるどころかむしろ上がり続けていると言えるでしょう。
そのため日本人でも多くの方がアロエベラを利用した商品を見ただけでなく、利用したことがあるとは思うのですが、美容や健康に普段からかなり気を使っている方などでなければ「具体的にはどんな栄養がどんな効果効能をもたらしてくれるのか?」や、「アロエベラを利用した製品など副作用がないか?」などは知らないことも多いでしょう。
そこで今回はこの古くから人間に多くの恩恵を与えてくれた「不死の植物」とも呼ばれたスーパーフードアロエベラについてより詳しく知ってもらいたいと考え、アロエベラとは「そもそもどういう植物なのか?」や「特に注目の栄養素と効果効能」、「副作用はないのか?」などについてご紹介する『アロエベラの栄養と効果効能!副作用は何がある?』と言う記事を書かせていただきました。
いまや多くの人が知っているアロエベラについての「体に良いらしい」、「怪我や病気の治療に使えるらしい」と言うこと以上のもう少し突っ込んだ情報について興味があったりはしませんか?
アロエベラとは?
まずはアロエベラについての1番基本的な「そもそもアロエベラってどんな植物なのか?」と言うことからお話させていただきます。
最も簡潔に説明しますとアロエ属に属する多肉植物の一種で所謂「食べ物に良く使われるアロエ」のこと。
日本で有名なアロエとして他にも主に観賞用や医薬品などを作るのに使われる「キダチアロエ」と言うアロエの仲間があるのですが、こちらの場合は含まれている成分が若干違い、非常に強い苦味があるので殆ど食用には使われません。
乾燥気候から亜熱帯気候でも育つ非常に生命力の強い植物なので、世界各地のかなり広い地域にこの仲間が分布しており、かなり古い時代から怪我や病気の民間療法で使われたり、食用や観賞用にされてきた歴史があります。
このアロエの凄さを語る有名な話として「古代エジプトではアロエベラのことを不死の植物と呼び、クレオパトラはその美貌を保つために愛用していた」だとか「アレキサンダー大王が兵士の傷の治療に高い効果があるためアロエベラを使用していた」などの歴史上の偉人が愛用していたと言う話も多く、実際に多くの人間に利用されていたと言う記録も多いです。
そして当然それだけ多くの人たちが古くから使ってきただけあり、このアロエベラには実際に非常に多くの栄養素、有効成分が含まれていてそれぞれが相乗効果を発揮しやすいために様々な効果効能があると言う特徴があります。
具体的にどんな栄養素がアロエベラには含まれており、その栄養素がどんな効果をもたらしてくれるのかと良いますと次の通り。
アロエベラに含まれている栄養素
アロエベラには実に20種類を超えるミネラルや必須アミノ酸を含む18個以上のアミノ酸、各種ビタミンや脂肪酸が含まれており、アロエベラの有効成分の数はなんと200種類に近いともされていますが、その中でも特に注目されているのは以下のもの。
- ムコ多糖類
- サポニン
- アロエステロール
これらがどんな成分かと言いますと以下の通り。
ムコ多糖類
水分を蓄える役割を持つ成分であり、山芋やオクラのネバネバの素であったり、生き物の体液である唾液や血液がヌルヌルする理由となる成分。
アロエベラの成分の多くは医薬品として使われることが多いキダチアロエと同じような成分なのだそうですが、この成分はキダチアロエに比べアロエベラの方が多く含んでいる成分で、アロエベラの方がキダチアロエに勝る部分なのだそうです。
生き物は体の中の水分を通すことで細胞に栄養を運んだり、細胞から不要となった老廃物を取り出したりする「循環・代謝」をしているので、この成分が不足することで生き物の体は乾燥しやすくなるだけでなく、怪我や病気の治りが悪くなったり細胞の生まれ変わりが悪くなったりもします。
老化とともに顕著となる皮膚、骨、軟骨などの結合組織の劣化はこの成分の欠乏によって起こりやすくもなります。
サポニン
植物の葉や根、茎などに主に含まれており、苦味や渋みなどの原因となっている成分で、大豆由来の製品の健康成分として知名度の高い成分。
効果としては抗酸化作用が高いことや腸で吸収したブドウ糖が脂肪と合体してしまうのを抑制すること、体内でインスリンと似たような働きをするため血糖値を下げる働きをすることが有名です。
その他にもこの成分がアロエベラの持つ抗菌作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用などの効果をもたらしている成分の1つとされてもおり、現在研究がされている途中だそうです。
この成分はアロエの中でもアロエベラだかろこそ含んでいる成分だそうです。
アロエステロール
森永乳業が発見した成分であり、アロエベラの葉肉部位(ゲル)に含まれる5つの植物ステロール(脂肪酸)の総称です。
一般的な植物ステロールと同じくコレステロールの吸収を抑え、血中の悪玉コレステロールの割合を下げる働きやアレルギー症状の緩和や、胃酸過多を抑えてくれる働きがあるだけでなく、肥満や糖尿病の予防・改善効果などがあり、アロエは食べることでも健康効果が高いと広く浸透させるに至った成分でもあるそうです。
また美肌効果が高いとされる成分でもあり、肌のハリや潤いを支えるための成分であるヒアルロン酸やコラーゲンの量を増やす働きがあると言われています。
ただこの成分は1g作るにはなんと7.5(約像1頭分の重さと同量)のアロエベラが必要であり、食品の製造過程でも損なわれてしまいやすい成分でアロエベラを使用している全ての商品から得られる成分というわけでもないそうです。
今挙げたようなこれらの成分の他にも豊富なミネラルやビタミンなどの成分をアロエベラは含んでおり、アロエベラは非常に健康に良いスーパーフードでもあるということが言えるのです。
では続いてそんなアロエベラには具体的にどんな効果・効能があるかと言う話をさせていただきます。
アロエベラの持つ効果・効能
上記でご紹介したような栄養素がアロエベラには含まれておりますので、主に以下のような効果・効能があると言われております。
- 肌を健康な状態に保つ効果
- ダイエット効果
- 腸内環境を健康な状態にする効果
- 生活習慣病の予防・改善
- 免疫力の向上
- 抗アレルギー作用
- 火傷を初めとする傷の治療効果
御覧のように非常に多くの美容と健康への効果・効能がアロエベラにはあります。
またこの中でも文字を太くして表記した効果効能は特に注目されている効果効能であり、以下のような理由から高い効果を発揮してくれるとされています。
肌を健康な状態に保つ効果
アロエベラはムコ多糖類が豊富であり、肌のハリや潤いを保つ効果はもちろんのことニキビや肌荒れを治す力やかゆみ、炎症を抑えたりする力があります。
その他にもサポニンに抗菌作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用などがあるとされており、アレルギー疾患、アトピー性皮膚炎などにも効果があるとされておりますし、皮膚炎を悪化させる原因である黄色ブドウ球菌に対しても効果を持ちます。
またその他にも「アロエシン」という成分がメラニン色素のもととなる「チロシナーゼ」の動きを制限する働きがありますし、肌の健康に関わる他のミネラルなどの栄養成分も多く含んでおり、肌を健康な状態に保つ効果があると言えます。
ダイエット効果
上記でご紹介したサポニンやアロエステールをはじめ、コレステロールや糖の吸収のコントロールに関わるような成分が多く、基礎代謝機能の向上や下記でご紹介するような腸内環境を整える効果がある成分が多く脂肪燃焼を助ける力があると言えます。
その他にも食物繊維やポリフェノールを含んでおり、代謝に関わる栄養素も含んでいるためダイエット効果も高いとされています。
腸内環境を健康な状態にする効果
サポニンやアロエステールをはじめ消化器官への負担の軽減や活性化に関する成分が含まれており、食物繊維や「アロエオリゴ糖」と言う腸で善玉菌に分解され、「短鎖脂肪酸」と言う便秘を解消する効果がある成分も含んでいます。
また食品加工されたものには含まれていない成分ですが、その他にも便秘を改善する効果が高い「アロイン」、「バイバロイン」と言う成分もアロエベラには含まれており、量の加減を間違いさえしなければ腸内環境を健康な状態にする高い効能があると言えます。
生活習慣病の予防・改善
ダイエット効果のところでも触れたように糖や脂肪の吸収に関する成分が多く含まれているだけでなく、血流の正常化を促す成分が含まれているために動脈硬化や糖尿病に対して効果があると言えますし、抗酸化作用が高いことで知られるポリフェノールやビタミンE、Cと言った成分も多く含んでいます。
その他にも抗がん作用が期待されている「アクロチンA・B」、「アロミチン」と言う成分もアロエベラには含まれており、体の免疫力を上げる成分も多く、日本人の死因の上位の殆どを占める生活習慣病の多くに対してアロエベラは予防・改善する力を持っていると言えます。
この他にも様々な美容と健康へのプラスの効果がアロエベラには多くあり、古くから多くの人に使われてきた正にスーパーフードと言える存在であることが言えるのですが、そうした高い効果効能を持つアロエベラであってもただたくさん食べれば良い、沢山使えば良いということはなく、適量と言う物があり、過剰摂取はかえって体に良くない影響を及ぼすこともあります。
アロエベラに副作用はないのか?
最後にアロエベラについての注意したい事柄や過剰摂取についてをご紹介させていただきます。
まず「アロエベラが使われている食品」に含まれている糖分に注意が必要です。
ある意味当たり前のことですが、美味しくない食べ物は売れないので多くのアロエベラを使った商品には美味しいと感じやすい味付けがされており、商品によってはかなりの砂糖が使われています。
アロエベラがいくらダイエットに良いとは言え、その効果を上回るだけの糖分や脂肪分を摂取すれば、ダイエット効果を得るどころかかえって肥満や糖尿病になる原因となりますので「アロエベラが使われている食品」に関しては商品の成分まで気にして食べていただければと思います。
食品加工されていないアロエベラを食べる際にも注意が必要です。
具体的には成人で1日あたりの適切な摂取量はアロエベラの葉を含む場合60gとされていて、アロエベラの果肉だけに限って言えば健康のためには1日60g程度、美容のためには100g程度から効果が出ると言われておりますので、果肉部分だけでも100gを目安にすることをおすすめします。
これは食物繊維やアロインと言う消化器官の働きを活発にしたり、便秘改善に効果が高い成分が摂取しすぎることによりかえって消化器官に負担をかけすぎてお腹を壊したりするからであったり、カリウムなどのアロエベラに含まれている特定の成分が過剰摂取により腎臓機能、肝臓障害を起こしたりするからです。
またアロインと言う成分はアロインには子宮を収縮させる作用があるため、妊婦さんが摂取すると早産や流産を招く可能性があると言う話もあります。
アロエベラを食べたから必ずそうしたリスクを負うとは限りませんが万が一にもそうした事態を避けるため妊娠中の方は食べないことをおすすめします。