【管理栄養士監修】胡椒の栄養や効能とは?食べ過ぎるデメリット

胡椒に含まれるとある栄養素がとても体に良い効能があると言うことをご存知ですか?

「スパイスの王様」とも呼ばれる胡椒はかつて過去にはそれを手に入れるため侵略戦争まで起こしたとか、同じ重さの金と同等の価値があるなどとも言われたほどのものであり、塩分以外で最も人間に「美味しい」と感じさせる食材の分かりやすい旨味を引き出せる香辛料で、今では知らない人や食べたことがない人はもちろん、使ったことがないなんて人はいないでしょう。

そんな今ではどんな家庭にもあると言えるごくごく一般的な調味料である胡椒ですが、実はただ食欲をそそる匂いとピリッとした辛みをつけたりするだけでなく、含まれている栄養素のおかげで美容と健康にも良いものなのです。

しかしあまりにも身近なもの過ぎてそのことを多くの人は知りませんし、その反対に食べ過ぎるとどんなデメリットがあるのかを知らない人も意外といます。

そこで今回はそんな意外と知らない人も多い胡椒が持つ美容と健康への効果効能を中心とした胡椒が人体に与える影響についてご紹介する『胡椒の栄養や効能とは?食べ過ぎるデメリット』と言う記事を書かせていただきました。

あまりにも当たり前にありすぎて多くの人が意外と知らない、胡椒が人体に与える影響について興味があったりはしませんか?

胡椒の種類

胡椒と言うものを知らない人はいないでしょうが、日本に存在する胡椒は「ブラックペッパー」、「ホワイトペッパー」そして「コショー」に分けることが出来、これらの胡椒の種類がどう分けられているかと言うことをご存知でしょうか?

意外とこれ知らない人も多いことなのですが、これらの胡椒3つは原料となるものはどれも同じ胡椒と言う木の実でも、ブラックペッパーとホワイトペッパーでは使う実の熟し具合が異なっており、「コショー」と呼ばれるものはホワイトペッパーとブラックペッパーのパウダーを混ぜ合わせたものと言う違いがあります。

この他にも未熟な果実をゆでて塩漬けにした「グリーンペッパー」、かすかに胡椒っぽい香りの中に、ほんのりとした甘みと酸味があるサンショウモドキの木の実「ピンクペッパー」と言う胡椒の種類もありますが、今回ご紹介は省かせていただきます。

それぞれの特徴としましては以下のような違いがあります。

ブラックペッパー

  • もっとも古くから使われている種類で、まだ熟していない緑色の胡椒の実を天日乾燥させたもの。
  • 辛み、香り、色合いともにとても目立ち主となるスパイスとして使われる
  • 臭みが強いものに程よく合い、肉なら牛肉、魚なら青魚などとの相性の方が良い。
  • 他のスパイスやハーブが主に引き立て役となるため色々な種類の「粗さ」で販売されている。

ホワイトペッパー

  • 食文化が発達し「旨味」、「風味」、「後味」などにも拘るようになってから作られた胡椒で、完熟した赤い実を水に浸して果皮を柔らかくし、その果皮を除去して乾燥させたもの。
  • 辛み、香りがブラックペッパーに比べてマイルドで色が白いため隠し味や食材の持つ風味や旨味を引き出すことに主に使われる
  • 乳製品を使用して白く仕上げる料理(ホワイトソースなど)に味や香りのアクセントとして使われるのが使われ始めた目的で、肉は鶏肉、魚なら白身などの淡白なものとの相性が良い。
  • 他のスパイスと調和性が高く、主にパウダー状にしたものが使われる。

コショー

  • 日本独自のブラックペッパーとホワイトペッパーを混ぜてパウダーにしたミックススパイス。
  • 特徴的には両者の中間的感じと言われるが、実際はどちらかと言うとホワイトペッパーに近い。
  • 汎用性が高いとも言えるが香りの主として使おうとするなら辛くなりすぎ、ちょうど良い辛みの量にすると香りはそこまで強くない。

これらの種類に更にどれほど細かく砕いているかによって粗い方から順番に

  • ホール  (丸い状態)
    じっくり香りを引き出したい煮込み、マリネ液に漬け込む方法で主に使う(基本直接は食べない)
  • クラッシュ(ホールを上から包丁で押しつぶしただけぐらいの粗さ。大概ホールのものから自作する)
    一番香りも辛みも付くのでステーキなどの焼き物の下拵えに使う。(結局焼きながら適度に落ちるのであんまり食べない)
  • 粗挽き  (海外基本のブラックペッパー、パッと見粒と言える。市販のミルでホールを引くと大体このサイズ)
    クラッシュの簡易版。(香りはクラッシュの方が付くが、焼いてもかなりついて残るので辛みはこっちの方が上)
  • グラインド(日本基本のブラックペッパー、粉の中に粒が混じる程度。日本で一般的に売られている「粗挽き」表記は大体これ)
    主に出来上がった料理にかけて主に使う。(粗挽きに比べて辛さも香りも落ちるので下拵えに使うならちょっと大目に使うのがコツ)
  • パウダー (完全な粉状)
    舌触りを邪魔しないので、なめらかな食感を守りたいスープやシチューなどに主に使う。(辛さも香りもクラッシュの半分ぐらいになる感じ)

と細かく分けると種類があります。

基本的に胡椒の辛みも香りも揮発性であるために粒が大きいままの方がそれらは強いですし、丸ごとから加工された時間が短いほど強くなりますので拘る方は胡椒はホールで買って、粗挽き用のミル、パウダー用のミルの2種類があると言う方もいます。

胡椒の栄養

続いてそんな拘れば細かい違いがある胡椒はどんな成分を含んでおり、どんな効果効能があるのかをご紹介させていただきます。

胡椒に含まれている栄養の中で主なものとして挙げることができるのは以下のもの。

  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 鉄分
  • マンガン
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ピペリン
  • チャビシン

パッと見では意外と色々な栄養素が含まれているようにも見えるかと思いますが、そもそも胡椒自体がそんなに大量に使うものではないため、これら胡椒に含まれている栄養素のほとんどは誤差程度のもので美容や健康への効果はほぼないものと思ってください。

では一体胡椒の何が体に良いのかと言うと下の二つ「ピペリン」と「チャビシン」です

これらは主に辛味や匂いの元となる成分であり、この他にもエッセンシャルオイルであるフェランドレン、ピネン、リモネンなどのハーブやスパイスが健康に良いとされる栄養とはまた違った成分が胡椒には含まれており、これらによる健康効果が胡椒にはあると言えるのです。

胡椒の効果効能

胡椒に含まれる特定の成分が体に良いと言うことをご紹介したところで具体的にどんな美容と健康への効果があるかをご紹介させていただきます。

胡椒を普通に毎日適量使うだけで得られそうな効果をざっと箇条書きにすると以下の通りです。

  • 高血圧の改善
  • 冷え性むくみの抑制・予防
  • 新陳代謝の活性化
  • 健胃作用
  • 殺菌・抗菌作用
  • 鎮痛効果
  • 肌や髪の毛の健康化

これらは主に「ピペリン」と「チャビシン」によるもの、特に高い殺菌・抗菌作用と血行促進効果と毛細血管を活性化させる効能が中心となっています。

その為血行不良に伴うクマや疲労が消えにくかったり、肩こりや基礎代謝の低下などを解消する効果もあると言え、間接的にですがダイエット補助効果もあると言えます。

またこの他にも栄養吸収の促進効果や脂肪細胞の分解を促す効果があるとされていますし、脳内物質「セロトニン」、「エンドルフィン」と言う成分を増やす働きもあるとされており、精神の安定化と言う効能もあるとされています。

 

 

 

基本的に塩分は含まれていませんから塩分を気にせず料理の味の良さを良くすることが出来るのもうれしいところですし、カロリーも使う量を考えればないようなものでこの辺りも美容と健康に良いポイントです。

胡椒を食べ過ぎるデメリット

最後に胡椒についての注意点をご紹介させていただきます。

まず知っておいて欲しいのは胡椒は実は唐辛子と同等かそれ以上のかなりの刺激物であるため過剰摂取してしまうと副作用のような害をもたらすこともありえます。

具体的には消化器官が荒れてしまい下痢や腹痛、胃痛などを起こす場合が多いです。

少量しか使わないのに体に効果が出ると言うことはそれだけ強い効果を持つ成分と言うことですし、そもそも血行促進効果や健胃作用は体に胡椒と言う刺激物が入ってきたことによる防衛反応でもあるために、小さなお子様や疲労や寝不足で消化器官が弱りやすい方は特に胡椒を食べ過ぎたことでこの症状が出やすいです。

こうしたデメリットが起きないようにするための適切な摂取量としまして良くオススメされているのは、1日に小さじ一杯(約2g)です。

そもそも小さじで測るほど胡椒を使う方はいないと思いますが、普段から周りにいる人がくしゃみが出るほど胡椒をかけて食事をとる方は念のため覚えておいてほしいと思います。

またコショーにはいくつか小麦粉が含まれているものがあり、小麦をアレルゲンとする方は注意した方が良いと言う話や、胡椒自体にはアレルギーの心配はほとんどなくとも刺激の強い成分であるために肌が弱い方はアレルギー反応のように付いた肌が荒れたりする方もいるそうなのでそうした方は念のため注意することをおすすめします。

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