【管理栄養士監修】ナンプラーとは何?代用品や脳への効果をご紹介!

ナンプラーとは何かご存知ですか?

ナンプラーとは何かと言うとエスニック料理には欠かせない魚醤の一種の調味料であり、独特の味と様々な栄養素を含むため、脳にも良い効果があるとされるものです。

しかしエスニック料理が日本でだいぶ浸透してきたとは言え、そうしたナンプラーや、似た様な特徴を持つ魚醤が一般のご家庭に常備しているとは言えず、これらは何かの代用品で補うことの方が圧倒的に多いでしょう。

そこで今回は『ナンプラーとは何?代用品や脳への効果をご紹介!』と言う記事を書かせていただきました。

まだ日本ではメジャーではないですが、その独特の味と効果で注目されてもいるナンプラーに興味ございませんか?

ナンプラーとは何?

まずは「ナンプラーとは何か?」と言うことからご説明させていただきます。

ナンプラーとはタイで作られる魚類または、他の魚介類を主な原料にした液体状の調味料である「魚醤」の一種であり、主にカタクチイワシを大量の塩で7か月から1年程度液状化するまで熟成させたもの。

一般的に洗って水を切った魚に塩をまぶし、陶器の瓶に「魚2か3:塩1」の割合になるようにぎっしりと詰め、瓶の最下層と最上層には塩の層を作り、蓋をして重石をおくことで熟成させて作るので、意外と簡単に作れそうですが、製作過程でかなり独特の臭いが出るのでご家庭での作成はあまりオススメできません。

タイ料理には欠かす事のできない調味料とされ、超高級品から誰でもスーパーで変えるような安価なものまで幅広いラインアップがあったり、屋台のようなお店からホテルの高級レストランでも卓上調味料としておかれているぐらい生活に密着した調味料であり、私たち日本人で言うところの醤油だと思っていただけたら大きな違いはありません。

ちょっと変わっているのは製作過程で「1番絞り」とか「1級品」とかと言った明確な振り分けがなされているところ。

細かい区分けは以下の通り。

ナンプラーの違い

  • 最初に液体部分を取り出した一番搾りに砂糖を加えただけのものが1級品。酸味は殆どない
  • 取り出した後のものに食塩水とアミノ酸液を足し、更に熟成させた二番搾りに酢酸を加えたものが2級品。酸味がある
  • 更にその後、食塩水を加えて煮沸し、酢酸と人工アミノ酸を加えたものが3級品。かなり酸味がある

ちなみにこれらの違いから1・2級品は大体そのままかけたりつけたりして使い、3級品は料理を作る時に使われることが多いです。

ではナンプラーとはどういうものか分かっていただけた所で次はその効果を説明させていただきます。

ナンプラーの効果と脳への影響

ナンプラーとは何かを理解していただけたら、使い方は大体同じでも醤油とは原料が違い、含まれる栄養も違うということがお分かりになると思います。

実際ナンプラーには動物性タンパク質や大量のアミノ酸の他に、「カリウム・鉄分・カルシウム」と言ったミネラル類、「ビタミンA・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンD・ビタミンE」と言ったビタミン類が含まれており、普通の醤油とは含まれている栄養素の構成が違います。

そしてその中でも特に注目して欲しいナンプラーに含まれている成分が「タウリン」と言うもの。

この成分はちょっと高めの栄養ドリンクなどに含まれていることでも有名なもので以下のような効果を持っております。

タウリンの効果

  • 血圧を下げる
  • 精神安定効果
  • 疲労回復効果
  • アルツハイマー予防

これら全てをまとめて言えることはタウリンは脳に働きかける成分と言えること。

例えば血圧を下げることは脳に回るはずの血流を正常に保つ効果がありますし、精神安定効果についてはタウリンが興奮を抑制するグリシン受容体を活性化することで、不安を抑える働きをしますから鬱病や躁病などの脳の異常を起こしにくくもしてくれます。

また肝細胞の機能再生を促進したり、肝機能を強化し炎症を抑え、毒性障害を改善してくれますから肝臓の不調はもちろん、身体全体の疲労回復にも効果があり、脳を休ませるのを効率的にしてくれます。

そして極めつけがタウリンがアルツハイマー病と関係する「アセチルコリン」の減少を防止することと、アルツハイマーの原因となる「アミロイドβ」や過剰な場合に神経毒性となる「グルタミン酸受容体アゴニスト」から脳を守る効果を発揮すること。

これらはどれも即効性があるとは言えませんが、だからこそ大体毎日使う調味料としてナンプラーからタウリンを摂取することが脳に良い効果があるとも言えるわけです。

しかしやはりナンプラーは臭いはもとより、味の方も醤油と同じとは行きませんから「常備して使うのはちょっと……」と言う方もいるでしょう。

なのでナンプラーを使う料理の代用品も今回はご紹介させていただきます。

ナンプラーの代用品

ここでは代用品をご紹介させていただくわけですが、まずナンプラーとは何か?と言うことを改めて思い返していただきたく思います。

ナンプラーとは何か?を簡単に分かりやすくまとめますと「独特の臭いと酸味と甘味が加えられた醤油」と言った感じのもの。

つまり代用品のベースは「醤油」が一番と言えます。

他にも醤油よりも塩分がかなり高いとか、旨味成分が多いと言う所もありますのでもっと言うならば東北地方で多く作られる「魚醤油(うおしょうゆ)」、「塩魚汁(しょっつる)」の類がもっと好ましいのですが、コレを用意するのも多分ナンプラーを用意するのも手間は同じだと思いますので代用品には醤油がベターです。

もちろんそのまま代用品にするには醤油そのままではそもそも味が違いますから料理に使う時はナンプラーと同じ分量になるように「醤油6、レモン汁2、みりん2」ぐらいの調味料を作るのがオススメ。

むしろ酸味も甘味もいらないと言うなら普通に醤油を使えば良いのですが、魚介の旨味も臭いもない上にそれらもナイトエスニックらしい味かと言われるとちょっと違ってくるところはあります。

出来ている料理にかけたりつけたりして使う時は、みりんがこの量だと多すぎますし、何より旨味が足りないと感じることも多いので料理そのものに濃い目に味をつける方向での調整をするのが無難。

どうしても料理にかけたりつけたりして使うと言うのならば「醤油6、レモン汁3、オイスターソース1」での代用品がそれとなく使えるので試してみてください。

ナンプラーについてのそのほかの知っておいて欲しいこと

ナンプラーとは何か?から始まり、その持つ効果や代用品についてご紹介してまいりましたが、それ以外にもナンプラーについては知っておいて欲しいことがいくつかありますのでご紹介します。

ナンプラーは塩分が高い

ナンプラーの塩分の含有量はおよそ22%と高く、日本の醤油は12%~15%を超えていますし、ナンプラーは旨味成分であるアミノ酸が非常に多いので、ナンプラーの代用を醤油でしようとすると薄味に出来上がりますし、醤油のつもりでナンプラーを使うとかなりの濃い味になるのでこの辺は押さえておかないと危険です。

特に腎臓疾患や高血圧の方など塩分量を気にしないといけない方は特にご注意ください。

ナンプラーのクセは非常に強い

ナンプラーは非常に癖の強い調味料であり、それが良いという人もいますが、現地のタイの方でも日本の醤油の方が美味しいと言う方がいるぐらいのものです。

使えばかなり他の風味を吹き飛ばすぐらいには自己主張しますし、薄味に仕上げると今度は醤油で良いという話になるので買うならばまずは少量から購入するか、同じ魚醤でも日本の
「魚醤油(うおしょうゆ)」、「塩魚汁(しょっつる)」、あるいはちょっとマニアックなものになりますが、中国の「魚露(ユイルー)」と言うものを購入してみるのをオススメします。

最も日本で市販されているナンプラーの殆どはこの中国の「魚露(ユイルー)」なので、そこまで悩むこともないのですが。

現地料理のナンプラーの再現は難しい

ナンプラーとは何かを説明したところでご紹介したのですが、ナンプラーと一口に言っても種類があり、ナンプラーの代用品についてご紹介しましたが、それが現地のどれにあたるものを求めるかでちょっと調整が必要ですし、旨味ばかりは再現できません。

その為ナンプラーこそが味の決め手になる料理では現地料理の再現は難しいと思ってください。

以上がナンプラーについて言えることですので、ナンプラーを買うにしても、代用品を使うにしても是非参考にしてみてください。

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