「アメリカ産の牛肉は安いけど危険なのか?」という疑問に対してあなたはどう思いますか?
国産の牛肉と比べ値段が安いことと、過去に報道されたいくつかの事件から海外産の、特にアメリカ産の牛肉の安全性を疑う人は比較的いますが、明確な根拠があってアメリカ産の牛肉に対する安全性を否定したり肯定したりできると言う方は多くなく、ただ何となく不安だからできるだけ避けているとか、値段が安いので特に気にせず買っていると言う方が大半でしょう。
しかし食べ物が人体に与える影響と言うのは決して小さなものではなく、例え安いことを理由にアメリカ産の牛肉を買って食べるにしても、最低限どうして安全性に不安を持っている方がいるのかと言うことは是非知っておいてもらいたいところです。
そこで今回はそんなアメリカ産の牛肉についての安さの秘密や安全性などに関して簡単にご紹介させていただく『アメリカ産の牛肉が危険と言われる理由とは?安全性と国産より安い理由』と言う記事を書かせていただきました。
実は多くの人が知らないアメリカ産の牛肉の実態について興味はございませんでしょうか?
何故アメリカ産の牛肉が危険と言われるのか?
アメリカ産の牛肉の実態についてまず知ってもらいたいこととして、どうしていくつもある海外産の牛肉の中でもアメリカ産の牛肉が特に安全性を危惧されているのか?と言うことを説明させていただきます。
その理由の1つ目は安さ。
日本には「安かろう悪かろう」と言う言葉があるように日本人は特に「安いものは良くないところが多い」と言う印象を持つ人種です。
実際高いものには大概の場合高いだけの理由があり、安いものには安くできるだけの何らかの理由がありますから、この発想は間違っていると言うわけではありません。
しかし食べ物において単純に「安さ=安全性」と言うのは実は正しいとも言えません。
まず前提条件としてアメリカは土地が広く、牛の絶対数が多いので基準値としてそもそも価格が安い傾向にあります。
また食べ物として見た場合の方向性の違いがあり、アメリカでは日常的に消費する食べ物として扱われており、さすがにちょっと大げさですが「米離れし始めた現代の日本人が米を食べるぐらい当たり前に良く食べるもの」という感覚ですから日本のようにブランド品としての質の追求よりも、大量消費されること前提の量の追求に重きを置いて作られていて、飼育方針がかなり異なり、「牛肉」の生産コストにかかる費用が異なります。
その為一番大きな値段の差は安全性よりも食べ物としての質の違いで出てきます。
一言で語るなら「アメリカで牛肉とは日本人のそれよりも遥かに安い概念を持たれているもの」と言う価値観がある、と言うことが言えます。
日本人ならどんなに良いものだと言われても、もやしが一袋200円したらほとんどの方は「高い」と思って買わないですよね?
安い牛肉を輸出している州の方にとってピンキリではあってもモノを選ばなければ1キロで1500円前後が普通の牛肉が、3000円したら買うのに躊躇するわけで、その価値観があるため輸出する時も日本に比べ基本的に値段が安くつけられている面もあるのです。
もう1つの安全性が疑問視される理由は、2003年に話題になったアメリカでの牛海綿状脳症(BSE)の発生。
マスコミがこれを大きく取り上げたこともそうですが、実際問題2003年末から約2年間のアメリカ産牛肉の輸入禁止措置で、外食産業を始め牛肉を取り扱う企業全般がその影響を強く受け、普段の生活に大きく影響した人が多かったことも「アメリカ産の牛肉=大変なこと」なイメージを日本人に少なくなく印象付けています。
そうしたこともあり、海外産の牛肉の中でもアメリカ産の安全性が特に疑問視される傾向にあるわけです。
アメリカ産の牛肉の安全性は実際どうなのか?
どうしてアメリカ産の牛肉の安全性が特に注目されるのかを紹介させていただいたところで、続いて実際の安全性はどうなのかについてについて触れてまいります。
まず結果から申しますとアメリカ産の牛肉の安全性が高いとは言えません。
どこに問題点があるかと言いますと1つ目の理由として飼料が挙げられます。
先ほどアメリカの牛肉が安い理由として生産コストの話をご紹介しましたが、その要素の一つである飼料となるものの価格がかなり違います。
その理由としては世界一の農業大国でもあるアメリカは動物の餌だって世界一多く作っていますから、基準となる値段からして違うと言うのもあるのですが、それ以上に関係するのはアメリカの牛の主食が日本とは異なりとうもろこしであると言うこと。
とうもろこしはグラム当たりの摂取カロリーも高く、質に拘らなければ育てるのも容易であり、更にアメリカでは場所によってはトラクターどころか飛行機まで使うような日本では想像つきにくいほどの超が付くほどの大規模農場で大量生産されていますから安く、非常にコストパフォーマンスが良いと言えます。
こうした話だけ聞くと「トウモロコシが主食だなんて牛までアメリカンだな」と笑い話で終わるのですが、健康や栄養管理に気を遣う方なら多くの方がご存知であるように、アメリカのとうもろこしは遺伝子組み換え食品が最も多い作物。
遺伝子組み換え食品の危険性ははっきりと立証されたものがなく、大げさな話だと思う日本人は多いですが、遺伝子組み換えとうもろこしが原料のコーンスターチやコーンシロップを問題視している知識人は多いですし、農薬で枯れないからと農薬を大量に使って育てているケースなどもあり、遺伝子組み換え食品を提供している側が負けた裁判も実際あるのです。
輸出されるアメリカ産の牛はまずこの遺伝子組み換えとうもろこしが主食であり、これに病気などにかからないようにと投与される大量の抗生物質、成長促進のため与えられる発がん性物質であるとして裁判も起きている人工女性ホルモンのエストロゲン、そして一時期これもまた制作現場を見ると肉が食べられなくなると噂になった肉骨粉を与えられて育てられています。
個別に紹介しますとかなり長くなりますので、今回は主食であるとうもろこしのこと以外には触れませんが、遺伝子組み換えトウモロコシ以外に与えられているものに関しても、健康管理に気を遣う方なら避けたくなるようなものが多いことが安全性が疑われる理由と言えます。
またこの他にも牛を育てる環境がとても生き物にとって劣悪であることも理由として言われます。
ちなみにどんな環境で育てられることが多いかと言いますと、まず人口光の明かりの下、狭い牛舎に何百頭もの牛がぎゅうぎゅうに押し込められて、時間で管理されて無理やり食事をとらされます。
これが過剰なストレスを生み、牛が病気などにかかりやすくなってしまうのですが、そこは既にご紹介したように何種類もの抗生物質をお互いの副作用を打ち消すためにいくつも大量に投与されるので、病気にかかることはまずありません。
さて、こうして本来よりも早く平均以上の身長と体重よりも恵まれた体格になり、病気にかかっていない牛は健康な状態だと言えるでしょうか?
恐らくほとんどの方が健康ではない状態であると答えるでしょう。
これを食べるわけですから確かに明確な根拠はなくとも、「何となく体に悪そう」と思うのも無理はないかもしれません。
そして最後に問題視される理由として、こうした部分での安全性の問題があるかどうかについては世界一神経質であると言われる日本の税関の検査でも一切反応しないことです。
一体何を餌として育ったのか?どんな環境で育ったのか?病気にかかりやすい体質ではないか?
相手が人間であれば本人に聞けば答えてくれることでしょうが、相手は食肉として輸出される状態になった肉です。
これを確認することはどんな検査でも不可能ですし、生産者が自分で出荷しに持ってくるわけでもなく、データにそんなことを記載するわけもないので確認のしようもありません。
それ以前にそもそも最初から危険物であると思っているならともかく、食べ物である以上そこまで調べたいと思う人はいないでしょう。
以上3点のことからアメリカ産の牛肉は安全であるとは言えないのが実際の所のようです。
アメリカ産の牛肉の危険性は高いのか?
ここまででアメリカ産の牛肉を危険視する方がいる理由をご紹介できたと思うのですが、結局のところ多くの方が知りたいことは「アメリカ産の牛肉の危険性は高いのか?」と言うことでしょうから最後にそれについて触れていきます。
結論から申しますと危険性があるとは言え、小さなお子様に毎回継続的に食べさせるのでなければ、そこまで過剰に特別警戒した方が良い食べ物とは言えません。
言葉を変えますと、「危険性を考えると食べない方が好ましいが、絶対に食べないようにしないといけないほど危険性は高くない」と言ったところです。
それと言うのもまず、日本人ではそもそも牛肉を大量に尚且つ頻繁に食べる方は多くないからであり、ご紹介してきたような危険性が身体に影響を直接及ぼすような可能性がそこまで高くはないからです。
また具体的にどれほど食べていたらどんな症状が出ると統計的に結果があるわけではありませんし、前述のように輸入されたアメリカ産の牛肉がどんな餌と環境で育ち、どんな状態で肉として加工されたか分からない以上、どれならどれほどの危険性があるとは判断できないと言うのも言えます。
直接的、且早急にに健康被害が出ると疑わしいレベルの異常があるものはさすがに税関を通りませんし、何よりアメリカ産の牛肉が危険である根拠を考えると乳製品や他の肉類も安全性では同じぐらいと言えますし、原料の表示義務がない為にそのほとんどが遺伝子組み換えトウモロコシを使っているコーンスターチやコーンシロップの方がよほど危険と言えます。
こうしたことに加え、当記事でそこまで危険性が高くないと判断した理由として1番大きな理由は、一般的な日本人であるならば、アメリカ産の牛肉の危険性として挙げられる根拠のどれかが身体に影響を与える前に他の要素で体を壊すからです。
牛肉を食べる時を考えてもらえばいいのですが、日本人の殆どが塩コショウだけのステーキだけを食べると言うことはまずありませんし、1度で500gも食べたとしたらすぐまた同じ量の牛肉を食べたくなる人はそうそういません。
逆によほどの偏食で牛肉以外はめったに口にしないと言うのでなければ、大量に一度で食事をとる方でも炭水化物や糖の取り過ぎで先に糖尿病になるでしょうし、脂質の多い牛肉を摂取しすぎることでの脂質の過剰摂取と言う問題があったとしても国産の牛肉の方が脂質の量では上なのです。
小さなお子様や高齢である方の場合は身体に影響を及ぼす可能性は高くなりますが、こうした方の場合は敢えて食べさせられでもしない限り、高い頻度やたくさんの量を食べると言うことはほとんどありません。
もちろん「食べる頻度も量もそこまで多くなく、より危険性が高いものがあるからそこまで警戒しなくても良い」とは述べはしましたが、健康を害するような要素があるため食べない方が健康的であると言うことには間違いありません。
しかしこうしたことから当記事ではアメリカ産の牛肉が特別危険であるとは言えないと言う結論に至りました。
アメリカ産牛肉を美味しく食べる方法はこちらの記事をご覧ください。
これまで気にしなかった方も少なくないとは思いますが、今後アメリカ産の牛肉を買うにしても買わないにしても、せめて実際それがどういうものであるのかを知った上でどうするかを決めて欲しいと思います。