ユリ根に毒があるという話を聞いたことはありませんか?
ユリ根は漢方薬の材料になるほど栄養価が高く、健康に良い効能があるとされている食べ物ですが、炭水化物の高カロリーな食材なので食べ過ぎれば確かに体に良くないものなのですが、これが毒と言う話ではなく、毒物が含まれているという話も中にはあります。
ユリ根はそんなに頻繁に食べるものでもないとは言え、健康に良いと言われていた筈なのに、その一方で毒があるとも言われたりすると流石に口にしたくない人も多いかと思いますが、実際の所これは正しくない話で事実は少し違います。
ではどうしてこんな話が出るかと言いますと、ユリ根についてあまり良く知らない人が多いからと言うしかありません。
例えば売られている塊を料理に使うためには、どんな下ごしらえが必要なのか?どんな栄養素があり、どんな効能があるものなのか?どうなったら食べないほうがいいものなのか?なども結構知らない人がいます。
そこで今回は少しでもユリ根についての正しい情報を知ってもらおうと思い『ユリ根に毒はあるの?効能や栄養素について!食べ過ぎには注意』と言う記事を書かせていただきました。
実はとても健康に良いユリ根という食材についての正しい知識に興味はございませんか?
ユリ根に毒はあるのか?
まずタイトルにもありますユリ根に毒があるのかどうかについてここではご紹介します。
結論から言ってしまいますが、ユリ根に人間にとって明確な毒と言える成分は含まれていません。
玉ねぎやねぎが犬にとって強い毒となるように、ユリも猫にとって強い毒となるそうですが、玉ねぎやねぎを人間が食べても問題ないように、ユリ根を食べても特に害はありません。
そもそも「ユリ根」とは食用に出来るユリの球根のことでして、ユリの中でも最初から食用を前提として栽培されているコオニユリという種類の球根が殆どで、それ以外でも食用に特別栽培されるオニユリ、ヤマユリ、カノコユリの全4種のみの特定のユリの球根のことを指しています。
確かにユリ科の植物の球根の中にはアルカロイド系の毒を含むものもありますが、含まれないものもあり当然ユリ根となるこの4種類は毒を持たない品種でして、植物として特性上含まれる、あるいは成長に伴い精製される毒の心配はありません。
また「食用に特別に栽培された」と言う所がポイントでして、観賞用や園芸用のユリとは栽培過程も若干異なりますし、使う農薬や栄養剤なども変わりますから育てる中で外部からの毒素を内部に取り込んでしまうようなこともなく、自分で育てたり、観賞用や園芸用のユリの球根を食べたり、山に自生しているものを食べようと言うのでなければ、汚染されていて毒を含んでいると言う心配もありません。
そのためこのユリ根には毒があると言う話は嘘と言えますので、安心してお食べください。
ユリ根の持つ栄養素とその効能
毒がないと安心していただいた所で続いてユリ根の良い所をご紹介させていただきます。
ユリ根は古来より漢方薬の材料ともなってきた植物であり、様々な健康に良い栄養素を含んでおり、そして炭水化物の高カロリーな食材ですので高い栄養価を誇ります。
その中でも以下の栄養素が特に目立ちます。
- カリウム
- 食物繊維
- 炭水化物
- ビタミンC
どうしてこれらの栄養素がユリ根の持つ栄養素の中でも目立つのかと言いますと、以下のような特徴と効能をもたらしてくれるのがその理由です。
カリウム
このカリウムの含有量がユリ根は野菜の中でもトップクラスで、ユリ根の持つ栄養素といえば必ずこれが上がります。
カリウムは主に体内の過剰な塩分を外に出す働きを持っており、血流の正常化による血圧の上昇を抑える効果やむくみ解消、疲労回復などが有名な効能です。
食物繊維
こんにゃくに多く含まれるグルコマンナンと言う水溶性食物繊維が特に豊富であり、これがオリゴ糖に変化して善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘解消や血糖値、血中コレステロールの低下などの効果を発揮するとされています。
またこのグルコマンナンは胃の中で水を吸って何十倍にも膨れるためダイエットにとても効果的です。
炭水化物
ユリ根は主食にしても問題がないほどにそのほとんどが炭水化物と言うかなり高カロリーな食べ物でもあります。
高カロリーと聞くとあまり良くない印象を受ける方も多いかと思いますが、逆にそれだけ少量でも栄養補給が出来るので、滋養強壮や免疫力の向上などの効果があるとも言えるのです。
ビタミンC
含まれているビタミンCの量自体は大したことがないのですが、加熱するとすぐに失われてしまう特性を持つビタミンCをユリ根はデンプン質でかなり固くガードしており、茹でたり蒸したりと言う他の食べ物ならばその殆どのビタミンCが流れ出てしまう調理でも、9割ビタミンCを中に残したままでいられると言う特性を持っているそうです。
ビタミンCの美容や健康ヘの効果は有名であるように、アンチエイジングや美肌効果、精神の安定化に免疫力の向上など多岐に亘りますので、これも間違いなくユリ根の持つ栄養素の中でも注目しておきたい栄養素です。
この他にも漢方の材料にされるのは伊達ではなく、他のビタミン類やミネラルも含んでおり、かなり広い範囲で健康に良い効能をユリ根は持っていますし、調理方法によらず栄養が摂取できると言う長所もあります。
しかしそんなユリ根ですが、そもそもあの塊を一体どう調理したらいいのかが分からない人も多いと思いますので次はそれらをご紹介します。
ユリ根の調理の基本
ユリ根を調理するにしても普段料理しない人はもちろんのこと、普段から普通に自炊している人でもユリ根が売られている状態を見ても、どう料理すればいいのか分からない人も多いと思いますのでこちらでは丸ごと蒸したり焼いたりするのではない場合の調理の基本をご紹介します。
まず調理する前の下ごしらえの基本は以下の通り。
- 外側から1枚ずつ鱗片を丁寧に剥がす
- 一定以上剥がしたら根の部分を切り落とし全部バラす
- バラした鱗片を丁寧に洗う
- 紫や緑に変色している部分を包丁で切り落とす
ぱっと見では芋のような塊に見えるのですが、ユリ根は玉ねぎのような、またはバラの花びらのような構造となっており、一枚一枚ばらばらにすることが出来ます。
鱗片と言うのはこの1枚の玉ねぎの皮、またはバラの花びらに当たるものを指しておりまして、まずはこれらをばらばらにして中に入ってしまっている汚れを落とすことから始めます。
むしろここまで出来たら後は簡単。
茹でる場合は沸騰させたお湯に少量の塩(1リットルに対して2gぐらい)を入れたもので2分ぐらい茹でればそれだけでも食べられますし、そのまま茶碗蒸しの具にしても良いです。
揚げて食べてもほくほくした食感が美味しい高級なフライドポテトのような揚げ物になりますし、天ぷらや汁物の具にも良いです。
ユリ根を扱う際の注意
最後にユリ根を保存したり食べる際の注意点をいくつかご紹介します。
まず当たり前ですが、かなりの高カロリー食品ですから栄養の過剰摂取の結果ちょっと太ったで済めば良いですが、生活習慣病を誘発する可能性もありますのでユリ根の食べ過ぎには注意が必要です。
最も食べ過ぎと言ってもそれこそ「毎日丸ごと必ず2個以上食べる」とかでなければそこまで問題はありませんので過剰に警戒することはありませんが。
保存の際の注意としては高温多湿を避けることと、とにかく余分な水分が付くと直ぐ腐るので出来るだけ濡らさないようにすることがかなり重要。
最大1ヶ月持つ所が3日でダメになることもザラですので長持ちさせたい方は特に注意です。
続いて調理の際の注意ですが、茹でる際には長く茹で過ぎれば溶けて崩れ食感が失われるだけでなく、栄養素もなくなってしまうこともありますので、3分以上茹でないようにしましょう。
火が通りやすいので揚げたり焼いたりする際にも調理時間は短めを意識すると良いです。
最後に以下のような変化がある場合は食べないように注意です。
- 根や芽が伸びてくる
- 鱗片を折った所に穴が見える
- 表面に白いふわっとしたものが付く
- 根の部分を切り落とした時、切断面がやたらとネバっとする
上の二つの場合はその変化を起こしている場合ですとその鱗片だけ食べなければ特に問題ないのですが、下の二つの変化の場合はそのユリ根はもう丸ごと食べないことをおすすめします。
またユリ根については他にも『ユリ根の長持ち保存方法と保存期間!芽が出た後は食べられるの?』と言う別の記事を書かせていただいております。
今回の記事以上に何か知りたいことがありましたらそちらも是非御覧ください。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました。