オリーブの実が体に良いとご存知でしたか?
オリーブオイルが体に良いということは多くの人が今ではご存知のことだと思いますが、その原料となるオリーブの実もまた含んでいる栄養素から健康に良い効果・効能を持っており、むしろ特定の症状にはオイルよりもより効果的なこともあるのです。
しかし日本でもスーパーなどには必ずあるぐらいのものになったとは言え、オリーブの実が体に良いと言うことはオリーブオイルが体に良いということよりも知られていません。
その要因はオリーブオイルならばともかく、オリーブの実だと使い方がいまいち分からないと言う人が多いことや、海外からの輸入品であるため缶詰・瓶詰めの商品が殆どなのに値段が高いことなど色々考えられますが、やはり何より食べ過ぎるとかえって体に良くないことが大きいのではないかと思います。
しかしどんな食べ物でも食べ過ぎれば体に良くないのは同じであり、どのぐらいが適量なのかやどんな栄養素がどうした効果・効能をもたらすのかを知ってさえおけば安全に使うことができると言うもの。
そこで今回は日本ではまだまだ良くその特徴を知られていないオリーブの実について「どんな栄養と効果があるのか?」をはじめ、オリーブの実の特徴からオススメの使い方までをご紹介するための『オリーブの実の栄養と効能!食べ過ぎは要注意?』と言う記事を書かせていただきました。
日本ではまだ知らない人も多いオリーブの実の良い所と注意すべき所、あるいはその料理への使い方に興味があったりはしませんか?
オリーブの実の特徴
まずは「そもそもオリーブの実ってどんな特徴があるのか?」と言うことからお話させていただきます。
オリーブの実とはその名の通りモクセイ科オリーブ属の常緑高木であるオリーブの木の実であり、オリーブオイルの原料となることやイタリア料理、スペイン料理に良く使われていることで知られています。
オリーブの種類は今では500以上あるとされており、商品価値が高い植物であることから地中海性気候に近い地域を含む国では大体オリーブが生産されていて、日本でも瀬戸内地方、小豆島などで栽培されていますが、元々地中海地方が原産であり、今でも主なオリーブの生産国と言えばスペイン、イタリア、ギリシャなどの地中海に面した国であり、実に98%以上の私たちが手に取るオリーブの実はこの地方で作られています。
また「ブラックオリーブ」とわざわざ名づけられていたり、「黒いオリーブは緑のオリーブよりも栄養価が高い」などと言われることから、これらは別の種類であると誤解する方もいらっしゃいますが、オリーブの実は熟していくと、果皮が緑色から赤色、赤色から黒紫色へと変化する物であり、これら大きく分けて2色あるオリーブの実は種類の違いではなく、収穫した時期の違いで実を食べる用のオリーブは大体どれも同じ物なので成分に大きな違いはありません。
ではそんなオリーブの実にはどんな栄養素が含まれているのかを続いてはご紹介させていただきます。
オリーブの持つ栄養素
オリーブの実に含まれる栄養素の中でも特に注目されているのは以下の通り。
- オレイン酸
- ビタミンE
- 食物繊維
- βカロテン
これらの栄養がどうして体に良いのかについて簡単にご説明させていただくと以下の通り。
オレイン酸
脂肪になりにくい油としてかなり注目を集め、日本で爆発的にオリーブオイルを人気商品にした成分。
血中の悪玉コレステロールを下げることで血液をサラサラにし、高血圧や心臓疾患動脈硬化を防いだり、血流を良くすることで内臓器官の働きを活発にしたり、肥満を改善させてくれる効果があります。
また特にブラックオリーブについては成分の70~80%はオレイン酸が占めているされており、緑色のオリーブの実よりオレイン酸を多く摂取できると言われています。
ビタミンE
高い坑酸化作用で知られる栄養素ですが、その他にも毛細血管を拡張させて血流をよくする作用や女性ホルモンの分泌を調整してくれる効果もあり、総合的に高いアンチエイジング効果と生活習慣病予防・改善に効果があるとして有名です。
食物繊維
便秘の解消効果で有名ですが、腸内環境を改善してくれることで免疫力を向上させる効果や自律神経を整えてくれる効果もあります。
絞ってしまうと搾りかすとして捨てられる部分なのでオリーブオイルからでは当然摂取できない成分です。
βカロテン
人参やかぼちゃなどの緑黄色野菜に含まれていることで有名な成分。
こちらも高い抗酸化作用を持つことで知られており、その他にも体内で必要に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとなり粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持する効果をもたらしてくれます。
ビタミンAは本来その性質上、過剰摂取に対する注意が必要な成分なのですが、βカロテンの形で摂取すれば「必要な量だけ」体の中でビタミンAになるので過剰摂取の心配もなく、ビタミンD、ビタミンEなどの他の健康に良いとされる栄養素の働きを万全の状態にもしてくれます。
こちらもまたオリーブオイルにする過程で失われてしまう成分であり、オリーブの実の場合からだけ摂取できる栄養素だそうです。
以上のような栄養がオリーブの実には含まれており、そのことから次のような健康効果があると言うことが言えます。
オリーブの持つ効果・効能
上記でご紹介したような栄養素がオリーブの実に含まれておりますので主に以下のような効果・効能があると言えます。
- 生活習慣病の予防
- 便秘の解消
- 美肌効果
- アンチエイジング
より詳しくどうしてこうした効果・効能があると言えるのかについては以下の通り
生活習慣病の予防
オレイン酸、ビタミンE、βカロテンなどと言った抗酸化作用の高い栄養素が多く、活性酸素により体の脂肪が酸化し燃えにくくなったり、血流が悪くなるのを予防または改善する力がオリーブの実にはあります。
これは当然ダイエットにも効果がありますし、冷え性や肩こりと言った症状の改善から心筋梗塞や脳血栓、癌と言った死に至るケースが多い生活習慣病の予防にも効果があると言えるのです。
便秘の解消
オレイン酸、食物繊維、その他にも含まれているポリフェノールの一部が腸内環境の改善にとても効果的であり、便秘の解消効果がオリーブの実にはあります。
便秘は意外とバカにできない体の異常で、免疫力や代謝機能の低下はもとより大腸癌を引き起こす物であり、それを解消してくれるオリーブの実にはそれらを予防する効果があるとも言えます。
美肌効果
βカロテンによる直接の肌への作用の他にも血行促進や代謝機能の正常化、抗酸化作用などをもたらす栄養素がオリーブの実には多く、総合的に美肌効果が高いのです。
ちなみにビタミンEや含まれているポリフェノールの一部が抗酸化作用だけでなく、女性ホルモンの分泌にも関わる栄養素であるために髪や爪の健康にも効果があるとされています。
アンチエイジング
既にご紹介してきたような高い抗酸化作用や美肌、血液の正常化、病気になりにくい体作りなどの効能がオリーブの実にはありますので、総合的に体を若い時の状態に保つアンチエイジングの効果があると言えます。
以上の様な効果・効能を持つオリーブですが、オリーブオイル同様に食べ過ぎれば害になってしまうこともあり、食べ過ぎには注意が必要です。
そこで続いてはオリーブの実の食べ過ぎについての注意をご紹介させていただきます。
オリーブの実の食べ過ぎについて
どんな健康に良い物でも過剰摂取は必ず何かしらの害をもたらせてしまう物であり、オリーブの実についてもそれは同じですのでここではそうした食べ過ぎについての注意についてをご紹介させていただきます。
まず食べ過ぎるとどんな問題があるかと言いますと
- 油分、塩分の過剰摂取
- 消化器官の不調
の2つが考えられます。
1つ目の油分、塩分の過剰摂取については日本で手に入るオリーブは大概の物が塩漬けかオイル漬けであることが原因です。
オリーブの実はブラックオリーブならその7割以上が油分ですし、緑色のオリーブでも5割ほどが油分であり、かなり高カロリー。
更にオイルにどっぷりと漬け込むわけですから、いくらオリーブの油が脂肪として体に蓄えられにくいとは言え食べ過ぎれば当然かえってダイエットの失敗や生活習慣病の原因となります。
塩漬けのものは更に塩分も注意が必要。
商品によりばらつきはありますが、100gつまり約10個当たりの塩分量はおよそ4~8gとこれまたかなり高い数字ですので高血圧の方は5つも食べれば危険な域に入ってきます。
2つ目の消化器官の不調についても同じようなもので油分、食物繊維の取り過ぎから便秘の改善どころか下痢を起こしてしまう可能性もありますので食べ過ぎには注意が必要です。
とは言えどちらの問題についても高血圧の方などを除くほとんどの方は、大体一日50gつまり5個までならばまず大きな問題は起きないとされています。
これはオリーブの実丸ごと5つのことですから、余程好きでおつまみにしたりする方でなければそこまで注意して量を考えなければいけない物でもないのですが、ブラックオリーブの塩漬けが大好きで毎日食べると言うような方はご注意ください。
最後にオリーブの実のオススメの使い方をご紹介させていただきます。
オリーブの実のオススメの使い方
オリーブの実を買ってきたもののあまって使い道に困ると言う方もいるでしょうから最後に少しオススメの使い方をご紹介します。
相性が良い食材で言うならスペインやイタリアで良く使われるだけあり、トマトとチーズがやはりベター。
その他ですとマヨネーズとの相性が良く、ポテトサラダやマカロニサラダのようなマヨネーズと合えるサラダにも良く合いますし、粗みじんにしたオリーブの実をマヨネーズで和えタルタルソースもどきにしても美味しいです。
意外と知られていない所だとオリーブのパテ。
アンチョビやハムなどの肉や魚と、にんにくやケッパーなどの香りの強い香辛料を一緒にフードプロセッサーにかけて所謂「スプレッド」にしてパンやクラッカーに乗せたり挟んで食べるのもオススメです。
またあまり日本では手に入らないのですが、もし生のオリーブを手に入れた際はマイルドな方と言われるブラックオリーブでもあまりの渋さに顔をしかめるほど非常にアクが強いので必ずアク抜きをしてから食べましょう。